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【2020年下期】今だからこそ注目したい高配当の米国株式を紹介

新型コロナウイルスによる景気後退懸念で、世界中の株式が下落したことはみなさんご存知かと思います。

米国をはじめとした先進国の株式は2019年から上がり続けており、二番底の不安もありながらも、優良銘柄に調整が入ったことは、投資家としては注目すべきでしょう。

特に、株価が下落したことにより、多くの銘柄の配当利回りは上昇しており、高配当銘柄には投資妙味があります。

今後、市場を上回るリターンを望むなら、無配の成長株に投資するより、配当株への投資を考えるべきです。

なぜなら、ある調査によれば、S&P500指数の1970年から2019年までのトータルリターンは、その78%が配当の再投資によるものだからです。

この記事では、2020年後半にかけて、注目すべき高配当銘柄を紹介します。

高配当銘柄に投資をする前に

高配当銘柄に投資をする前に、注意すべきことがあります。

それは、業績が安定しておらず、単純に株価が下落したことにより、相対的に配当利回りが高くなっている銘柄に投資してしまうことです。

高配当だからと言って、業績が不安定な銘柄に投資してしまうと、減配や無配のリスクがつきまといます。

仮にそうなった時は同時に株価も下がる可能性が高いので、非常にリスクの高い投資になってしまいます。

高配当銘柄に投資する際は、業績が安定しており、高配当、かつ連続増配を行なっている銘柄に注目しましょう。

それでは、以下にそのような銘柄を取り上げていきます。

AT&T

AT&T(NYSE:T)は米国の大手通信会社です。

配当株投資に興味を持っている方であれば、一度は名前を聞いたことがある企業でしょう。

昨年の営業利益は前年比7%増の約280億ドルとなり、一回限りの特別費用を除くと、配当を上回る利益を稼ぎ出しています。

株価は2月~3月に30%近く下落したものの、中核の携帯電話事業に関わる変化はほとんどありません。

株価下落を受けて、配当利回りは7%近くに達しています。(記事執筆時点)

直近では企業買収等の投資戦略にも注力しており、2015年のディレクTV買収に続き、ワーナー・メディアを買収したため、足元の債務は1,470億ドルまで膨れ上がり、四半期当たりの利払い額は20億ドルに達しています。

動画配信サービス「HBOマックス」を開始したことで、ワーナー買収の正当性が示され、加入者のつなぎ止めに役立つかもしれませんが、それでもハードルは高いと言えます。

こうした直近のリスクは全てAT&Tの現在の株価に既に反映されています。

長期的に高配当を維持し続けているAT&Tは、今後も高配当株の代表として君臨し続けるでしょう。

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コカ・コーラ

世界的な飲料メーカーのコカ・コーラ(NYSE:KO)は、優秀な高配当銘柄としても有名です。

コロナウイルスによる経済封鎖で、同社株は他の消費関連銘柄と同じように下落しました。

生活必需品銘柄に分類されているものの、同社製品は外食や映画館、また人が集まるイベントで飲まれる傾向があります。

こういった機会が減った現在、同社をめぐる不透明感は高まっています。

ですが、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは引き続きコカ・コーラ銘柄を信じており、発行済株式数の9.3%にあたる4億株を保有しています。(記事執筆時点)

バフェット氏は1988年に同銘柄を13億ドル弱で購入しましたが、この投資は現在では181億5,000万ドルの価値を持っています。

配当利回りは執筆時点で3.56%と、S&P500の平均値である2.1%を大きく上回っています。

配当性向はキャッシュフローの87.5%にまで上昇し、同社利益のほとんどを配当支払いが占めています。

また、同社は2020年1月に増配し、年間配当が58年間連続の増配となったことも注目すべきでしょう。

もし増配を終了させれば、同銘柄への信頼を傷つけるだけでなく、配当貴族(25年以上連続して増配を実施している企業)ファンドを選好する投資家やその他のインカム投資家が同銘柄を売却し、株価は下落することになるでしょう。

コロナウイルスの悪影響がどこまで長引くか、というのが同社にとっての最大のネックとなるので、その点に関して、投資家は注視する必要があります。

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シスコシステムズ

シスコ(NASDAQ:CSCO)はインターネット関連の製品やサービスの設計・販売といった事業を運営しています。

直近では、Web会議システムにおいてZoomの対抗馬としても注目を浴びています。

過去5年間の年間売上成長率は平均で2%に過ぎませんが、長期間にわたって売上を押し上げる可能性が高い主要な成長ドライバーが複数あります。

IP(インターネット・プロトコル)を基盤としたネットワーク関連事業は、冷蔵庫から産業機器にいたるまでありとあらゆる電化製品・電子機器をオンライン化するIoT(モノのインターネット化)のトレンドから恩恵を受けるはずです。

5Gネットワークの開始も新たな収入の機会となるはずで、それにより今後数年間は増配が維持されるでしょう。

同社の配当利回りは執筆時点で3.18%、8年連続で増配しています。

2019年度は純利益116億ドルに対して計60億ドルを配当として支払い、配当性向は51%でした。

また、2018年に183億ドル、2019年度に216億ドルの自社株買いを行っています。過去10年間で同社は発行済み株式数を24%以上減らしています。

株主還元を優先する安定的な優良企業として注目すべきでしょう。

【米国株動向】注目すべき高利回りの米国テクノロジー銘柄3選

シェブロン

シェブロン(NYSE:CVX)は、一般消費者にはあまり馴染みがないかもしれませんが、世界的な石油関連企業です。

同社は34年連続増配かつ、記事執筆時点の配当利回りは5.69%と優秀な高配当銘柄と言えます。

ただし、現状の原油安に関しては、注意が必要です。

石油や天然ガスは価格変動が大きく、小さなニュースで、価格が急騰または急落します。

これはシェブロンをはじめとした企業の株価に大きな影響を与えます。

ただし、株価の変動の激しさにも関わらず、石油メジャーは長期的な視点で物事を見ています。

シェブロンは投資家に対し「われわれのような石油メジャーは、エネルギーセクターの長期的な需給バランスに焦点を当てており、短期的なエネルギー価格の動きにはそれほど注意を払っていない」と述べ、長期的には石油業界の未来は明るいと見ているようです。

原油安を受け、シェブロンはキャッシュフローのバランスをとるために、設備投資を削減しました。

短期資産(従来型ではない米国の油井など)と長期資産(海外の油井など)の生産量を調整するとともに、石油ビジネスにおける下流設備を抑えています。

このように規模の大きなプレーヤーは、困難な時期でも柔軟に対応する地力を持っています。

IBM

IBM(NYSE:IBM)は最も古くからある米国のテクノロジー優良企業の一つです。

IBMといえばハードウェアや大型汎用コンピュータが代表的な事業でしたが、同社はクラウドコンピュータやビッグデータソリューションといった最先端の分野への移行を遂げました。

売上高は2015年比で5.6%減少するなど、過去10年間は低迷していますが、売上高構成は大きく変化しています。

2013年にはクラウドは売上の4%を占めるに過ぎませんでしたが、現在では27%にまで上昇しています。

クラウド部門は76.7%という特に高い粗利益率を誇っています。

同銘柄の記事執筆時点の配当利回りは5.32%となっており、同社の配当性向は昨年で61%と手堅く、過去2年間で60億ドル規模の自社株買いを行っています。

また増配も25年連続で行っています。

経営陣は配当支払いや自社株買いで株主還元を行う一方、将来の成長ドライバーへも投資できる自信を持っています。

マクドナルド

外食産業の最大手、マクドナルド(NYSE:MCD)は世界100カ国以上の国々で3万6,000店を超える店舗を展開し、年間210億ドルを上回る売上高をたたき出しています。

同社は直営店事業からフランチャイズ事業へと軸足を移しており、店舗全体に占めるフランチャイズ店の割合は4年前の80%から約93%に上昇しています。

マクドナルドはフランチャイズ料、およびフランチャイズ店の(黒字・赤字に関係なく)売上高に応じたロイヤリティをフランチャイズ店から徴収しています。

その結果、利益の変動に見舞われにくい経営体質を確保しています。

昨年9月の四半期配当はプラス8%で、これで1976年の配当開始以来、43年連続の増配です。

現金による株主還元は、2019年までの3年間で総額250億ドルになる計算です。

配当利回りは記事執筆時点で2.68%と、今回紹介している銘柄と比較すると低く見えますが、消費者の嗜好がシフトしている中でも、クラシック・ブランドとしての強さがあり、安定したインカム投資銘柄と言えるでしょう。

ジョンソン・エンド・ジョンソン

ジョンソン・エンド・ジョンソン(NYSE:JNJ)は、ベビー・シャンプーのほか、タイレノール、バンドエイド、ニュートロジーナといった数々の消費者向けブランドを取り扱っています。

しかし、こうした消費財は売上高全体の20%を占めるにすぎません。

昨年の売上高の半分以上を占めたのが処方薬で、これには乾癬治療薬「ステラーラ」や経口抗凝固薬「イグザレルト」などが含まれます。

さらに、同社は整形外科向け機器や縫合デバイスなどの医療機器事業も展開しており、昨年の売上高は260億ドル近くに達しました。

このように、ジョンソン・エンド・ジョンソンは高度に多様化されたヘルスケア企業となっています。

また、新型コロナウイルスのワクチンを開発中でもあり、成長株としての側面も期待できます。

同社の記事執筆時点の配当利回りは2.81%で、58年連続で増配を実施しています。

【銘柄紹介】Johnson&Johnsonってどんな企業?

アッヴィ

2013年に米医薬品・医療機器メーカーのアボット・ラボラトリーズから分社化したアッヴィ(NYSE:ABBV)は大手医薬品銘柄の中でも割安な水準にあります。

2019年通年の売上高は主力の関節リウマチ薬の「ヒュミラ」が牽引し、330億ドルを超え、前年比約10%増となりました。

ヒュミラは長期にわたり世界でも最も売れている医薬品の1つであり、2019年には同社の純売上高全体のうち150億ドルがヒュミラによるものです。

ヒュミラの特許は欧州に続き米国でも2023年に切れますが、同社はヒュミラの販売減少に対抗する手立てを既に打っています。

がん治療薬の「イムブルビカ」と「ベネクレクスタ」、新免疫疾患治療薬の「リンヴォック」と「スキリージ」を筆頭に、今後の売上成長を押し上げる数々の医薬品を取り揃えています。

さらに、同業他社のアラガンを買収したことにより、製品ポートフォリオの多角化がより進むでしょう。

アッヴィの配当利回りは記事執筆時点で4.88%に上り、47年連続で増配を実施してきた実績があります。

まとめ

以上が、2020年下半期も引き続き注目していきたい配当株一覧です。

コロナウイルスによる経済の不透明感は、依然として市場に影を落としますが、これらの銘柄は連続増配の実績もあり、キャッシュフローも潤沢です。

冒頭にも述べた通り、S&P500指数の1970年から2019年までのトータルリターンは、その78%が配当の再投資によるものです。

配当株は長期的にはあなたのポートフォリオを豊かにしてくれるでしょう。

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免責事項と開示事項 記事の作者、中澤航太は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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