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【米国成長株】セールスフォース・ドットコムの決算情報からみる今後の株価の推移

セールスフォース・ドットコム社(NYSE:CRM)はアメリカに本社を置く、クラウドコンピュータリング・サービスを提供する企業です。

提供するサービスとしては、販売、顧客サービス、マーケティング、クラウドプラットフォームなどがあるほか、クラウド型企業内コラボレーション支援ツール、オンデマンド・アプリケーション共有サービスなども提供しています。

簡単に述べると、業務を効率化して売り上げを上げるための仕組みをクラウド上で提供している企業になります。

本記事では、近年注目を集めているクラウドサービスを提供する成長企業であるセールスフォース・ドットコム社の2021年第1四半期決算の情報と今後の株価の推移について見ていきます。

同社は米フォーブス誌が発表する「世界で最も革新的な企業」ランキングでは4年連続で第1位に選出されているほか、Great Place to Work Instituteが実施した調査において「働きがいのある会社」ランキング1位に2年連続で選ばれており、企業として魅力的なだけでなく、従業員にとっても魅力的な企業となっています。

セールスフォース・ドットコム社の決算発表前の株価等のデータ

セールスフォース・ドットコム社は、2021年第1四半期決算を2020/5/28の米国市場閉場後に発表しましたので、決算発表直前である5/28の同社の株価の値動きについて見ていきます。

5/27の終値である176.60ドル前後に対して、5/28の終値は181.10ドルとなっており、決算発表に向けて2.5%ほど上昇していることが分かります。

次に今までの同社の株価の値動きについて見ていきます。

上場以降、2018年頃までは上昇の一途をたどっていましたが、2018年の9月頃に160ドル弱の高値を記録して以降、横ばいでの推移をしていました。

しかしながら2019年の終わりごろから再び上昇に転じており、コロナショックが発生する直前である2月中旬ごろには195ドル前後まで上昇していました。

コロナショックの影響もあり、以降は下落に転じ、3月中旬には115ドル台で取引されるようになりました。

その後は順調に回復の一途をたどっており、5月には一時180ドル台まで回復し、6/8時点では176ドル前後で取引されています。

同社の時価総額は6/8時点で1,591億ドルとなっています。

セールスフォース・ドットコム社の決算情報

概要

セールスフォース・ドットコム社が5/28に発表した2021年第1四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…49億ドル(前年同期比30%増)
  • 営業利益…-1.4億ドル(前年同期から-3.5億ドル)
  • 純利益…0.99億ドル(前年同期比75%減)
  • 希薄化後一株当たりの純利益…0.11ドル(前年同期比78%減)

売上高は前年同期の37億ドルから30%も増加しており、極めて好調であると言えますが、営業利益は前年同期の2.1億ドルから一転して赤字に転落しています。

営業利益の赤字化に関連して、純利益や希薄化後一株当たりの純利益もそれぞれ70%超の減少となっていました。

第1四半期決算において同社CEOのMarc Benioff氏は「このグローバルな危機の中で私たちの結果は、迅速な実行や大規模なイノベーション、ビジネスモデルの強さを示しています。パンデミックは、デジタルがすべての企業にとって不可欠であることを示しており、セールスフォース・ドットコム社がお客様を新しい常識へと導いていくにつれ、加速し続けると確信しています。」と述べており、新型コロナウイルス感染症が蔓延する中、同社が売上高の増加を達成したことを強調しています。

同社の営業利益や純利益が減少した要因については、決算報告書の中では明言されていませんが、同社は新型コロナウイルス感染症への対応策として、危機の間、企業が従業員や顧客、パートナーとの関わりを維持するのに役立つ無料のソリューションセットであるSalesforce Careを提供したほか、世界中の企業や政府がこのパンデミックに関するデータを閲覧し理解できるようにするためのTableau Data Hubを無料で提供しました。

また新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けたスペイン、フランス、ドイツをはじめとした各国の組織に750万ドル以上の助成金を寄付したりするなど、公共性が高く、社会的な意義が深い活動を行っていました。

短期的には利益に結び付かない行動をとってため、好調な売上高に反して営業利益などは減少したと言えるのではないでしょうか。

詳細

次に同社の決算情報を地域別、商品別に見ていきます。地域別の売上高は以下の通りです。

  • アメリカ…33.7億ドル(前年同期比29%:構成比69%)
  • ヨーロッパ…10.3億ドル(前年同期比37%:構成比21%)
  • アジア・太平洋地域…0.46億ドル(前年同期比26%:構成比10%)

各地域ともに大幅な増加となっています。構成比も前年同期から大きな変化は見られませんでした。

次にサブスクリプション売上高をセグメント別に分類して見ていきます。

  • Sales Cloud…12.5億ドル(前年同期比16%)
  • Service Cloud…12.5億ドル(前年同期比23%)
  • Salesforce Platform…13.6億ドル(前年同期比62%)
  • Marketing and Commerce Cloud… 7.1億ドル(前年同期比27%)

Salesforce Platformが前年同期から60%超の成長を見せており、その他のセグメントは20~30%の成長となっています。

各部門ともに大幅な成長が見られており、今後もさらなる成長が期待できると言っても過言ではないのではないでしょうか。

また同社は今後の業績見通しのガイダンスを発表しています。

2021年第2四半期における売上高は48.9億ドルから49.0億ドルになるとの見通しを立てており、前年同期(2020年第2四半期)と比較すると22%~23%の増加となる見通しです。

また2021年の年間売上高は200億ドルになる見通しを立てており、前年と比較すると17%ほどの増加となる見通しです。

2020年第4四半期決算を発表した際の2021年の通年業績見通しが210億ドルから211億ドルであったのに対し、今回の2021年第1四半期決算においては通年業績見通しを200億ドルに下方修正しています。

セールスフォース・ドットコム社の決算発表後の株価の推移

セールスフォース・ドットコム社が第1四半期決算を発表した5/28の終値である181.10ドル前後に対して、5/29の終値は174.79ドルと3%ほど下落した価格で取引されていました。

売上高はおよそ30%の増加であったものの、営業利益・純利益が大幅な減益となったことや、2021年の通年業績見通しを下方修正したことなどが悪材料となり、株価が下落したものと考えることができます。

決算発表後から1週間以上経った6/9時点の同社株価は174.43ドル前後であり、決算発表翌日からほぼ横ばいでの推移となっています。

同社株価の今後の推移としては、2021年通年業績見通しを下方修正したとは言え、前年から売上高が大幅に増加することには変わりなく、今後さらなる業績見通しの下方修正が発表されることなどがなければ上昇し、コロナショック以前の水準である190~200ドル付近を目指していくと考えられるのではないでしょうか。

参考元:Salesforce Announces Record First Quarter Fiscal 2021 Results

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