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バフェット銘柄、ビザ、マスターカード、アメックスの強みを考察する

バフェット銘柄であり、クレジットカードの世界3大ブランドでもある、ビザ、マスターカード、アメックス(アメリカン・エキスプレス)。

誰もがどれか1つは該当するブランドのクレジットカードを持っているのではないでしょうか。

クレジットカード業界は世界中に決算インフラ網を広げることで特権的な地位を数社で独占しており、新規参入が極めて難しい分野です。

その為、安定した収益構造が備わっているので、不況にも強く、好景気で消費行動がポジティブになれば、その分売上も増加するので株価も上昇することが期待されます。

なかでもバフェットはアメックス株を多く保有しており、世界的大富豪であるにも関わらず「アメックス・グリーンカード」を愛用していることは有名なエピソードです。

今回はクレジット大手3社がどういった特徴を持った会社なのか解説していきます。

ビザ、マスターカード、アメックスの企業分析と株価予想

ビザ(NYSE:V)

ビザのビジネスモデルはフランチャイズ制です。

つまり自社でクレジット自体の発行はしておらず、ビザの加盟店会社とクレジットを発行する会社(カード発行料は契約者から徴収)間の仲介手数料を得ています。

クレジットカードシェア1位のビザの役割とは、クレジット決済のプラットフォーマーとして安全に決済ができるシステム構築によって、消費者にビザカードの安心感を提供することです。

つまりビザカードが絶対的な地位であることが、クレジット業界全体に良い波及効果を与えているのです。

またクレジット事業の他にもデビットやプリペイド事業も行っています。

現在は売上高219億98百ドル、EPS 5,32ドル、配当利回り 0.61%で推移していますが、新型コロナ・ウィルスの影響により先行きはしばらく厳しい公算であることを、CEOのアル・ケリー氏は4月30日の第2四半期決算の中で述べています。

マスターカード(NYSE:MA)

マスターカードはビザに次ぐ売上高を誇る国際ブランドです。

そのビジネスモデルもビザ同様に決算手数料とライセンス料が主な事業です。

実は加盟店舗数自体はマスターカードがビザよりも多いのも特徴の1つでしょう。

ビザとマスターカードがあれば、世界中どこの店舗でも困ることはないはずです。

唯一、海外キャッシング可能なATMに関してはビザの方が多いものの、現状、世界的なキャッシュレス時代に突入していることを思えば、特に支障はないでしょう。

記事執筆時点で売上高155億72百ドル、EPS 6.35ドル、配当利回り0.53%で推移していますが、ビザ同様にコロナ・ウィルスの影響による売上減は避けられないでしょう。

また、来年2021年1月1日付で新CEOにマイケル・ミーバック氏が就任します。

マスターカードがクレジット事業以外の決算事業として、金融とITが融合したフィンテック分野が加速していくことが期待されています。

アメックス(NYSE:AXP)

通称アメックスで親しまれるアメリカン・エキスプレスは、富裕層の顧客を中心に世界中で愛されている国際ブランドです。

社名にエキスプレスが付いているのは、創業した1850年頃は荷馬車を使った運送業者であったことが理由です。

クレジット事業への参入は1958年頃で、NYダウ30種平均には1982年8月に採用されています。

またカード会員の年間平均利用額はビザやマスターカードの倍以上です。

年会費が他社よりも高額ですが、旅行関連のトラベルサービスが充実していることや、ポイント制度に有効期限がなくポイントをマイル交換できるなどメリットが豊富です。

ビザ、マスターカードと違い国際ブランドでありながらクレジットも自社で発行しています。

記事執筆時点で売上高38億3百ドル、EPS 8.01ドル、配当利回り1.61%で推移していますが、CNNの報道によれば、新型コロナ・ウィルス下において米国の富裕層資産は3ヶ月で5650億ドル(約62兆円)増加しており、今後の決算発表がビザやマスターカードとは異なる数字になるのか注目です。

バフェット愛用のアメックス・グリーンカードの真実

あのウォーレン・バフェットがアメックスのグリーンカードを使用しているというニュースが度々話題になりますが、正確にはアメックスコーポレートカードのことです。

これは会社が従業員に対して発行するものであり、その性格上、チャージカードとしての役割を担っています。

つまり毎月旅費交通費を清算する(支払う)義務があるカードなのです。

またチャージカードは原則無制限で支えるため、お金の上限がないことも特徴です。

なぜバフェットの他にも富裕層が好んで使用しているのかといえば、このカードを使う人物は個人ではなく法人とみなされるので、個人よりもあらゆる面で優遇されます。

これこそ「アメックス・グリーンカード」が最強と言われる秘密であり、個人用のグリーンカードのことを指してるわけではありません。

クレジット会社の競合とは?

テクノロジーの発展によって世界中でキャッシュレス時代へと突入していますが、クレジット業界は今後も安定して成長するはずです。

例えばアップルは「Apple Card」をゴールドマン・サックスと提携して発行しますが、これはマスターカードのクレジットカードです。

つまりアップルの場合はiPhoneなどを使用することで、クレジットカードを出さずに決済することが可能となりますが、本質的なクレジットの価値は変わっていません。

他のキャッシュレス決済も基本的には同じ仕組みであるため、今後もクレジット業界は極めて安定しているはずです。

むしろ大変なのは銀行でしょう。

なぜならアップルカードの台頭によって、決済業務のゲームチェンジャーと成り得るからです。

いずれにせよモバイル決済によって決済方法は新たなフェーズへ移行しています。

まとめ クレジット業界は今後も安泰なのか?

クレジット業界は世界経済の動向によって大きな影響が出る分野です。

例えば、発行枚数が世界一と言われる中国の「UnionPay」がクレジット業界内で台頭していますが、それは中国という巨大マーケットがあるからです。

しかし、今最も危惧される米中冷戦によって、様々な産業が2つに分断される可能性が強まっており、仮にブロック経済圏のような世界になれば、当然シェア拡大にも限界がやってくるでしょう。

とはいえキャッシュレス化の波は今後も加速していき、今世紀中は世界人口も増加していくので、長期でみればクレジットを使うユーザーが増加することは間違いなく、クレジット業界は今後も安定して収益を伸ばしていくことが予想されます。

つまり、長期投資家のバフェットが今後もクレジット関連株を保有し続ける可能性は極めて高いといえるでしょう。

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