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インデックスファンド「バンガード」の基本原則とジョン・ボーグルの金言

今では個人投資家の間でもすっかり定着しているインデックス投資ですが、これを最初に販売したのがバンガード社です。

1975年に米国ペンシルベニア州バレーフォージで創業し、翌年からインデックス商品の販売をスタートしました。

販売当初こそ人気がなかったものの、今では日米合わせた運用総資産額は5.4兆ドルを超え、株式投信残高の30%以上を占めるほどシェアを拡大しています。

今回はこのバンガード社について解説していきます。

世界最大規模の運用会社バンガードグループの特徴

バンガード流4つの基本原則

バンガード社が長期の間、順調に成長し続けた要因である投資哲学「バンガード流4つの基本原則」である、目標、バランス、コスト、規律について解説してきます。

【目標】

投資をする前に明確な投資計画を設定することが大切です。

投資は投資家によって条件が異なるので、ただ単に他人の投資方法を真似る、儲かりそうという雰囲気ではなく、個々の環境に適した独自戦略が必要となるのです。

いざ投資をしたら定期的に見直しながらリバランスをして、どれだけのリスクを許容できるのか個々に検討することが大切です。

また資産運用自体は目的ではなく、将来の目標や夢に近づく手段だと考えれば、リスクが高すぎたり保守すぎたりする資産運用をする間違いが減っていきます。

【バランス】

幅広く分散しているファンドへの投資を推奨しています。

つまりバランスのとれたアセットアロケーションを構築することが非常に大切です。

投資家の年齢が上がるにつれて債券を組み込むなど、徐々にリスクを減らした資産運用を実行していきましょう。

【コスト】

投資をする上で出来る限り「コスト」を下げることを推奨しています。

なぜなら常に不確実性が多い金融市場で投資家が唯一コントロール出来ること、それは運用にかかる「コスト」だからです。

特に長期投資を前提に考えるならば、僅かなコストの違いで大きなリターンの差へと繋がっていきます。

【規律】

4つの原則で1番大切にしたいのが「規律」を長期に渡って守り続けることです。

なぜならマーケットは10年に1度は大きな暴落を迎えますが、このときに多くの投資家が不安から途中で株式を狼狽売りしてしまうからです。

あらかじめ長期投資を前提とする投資戦略を持っていれば、暴落時も未来への種まきと捉えることが出来るはずです。

バンガード社はこれらの投資原則を忠実に守ることで、世界的な資産運用会社へと成長したのです。

名著 敗者のゲームとアットコスト

【敗者のゲーム】

バンガード社の社外取締役チャールズ・エリス氏は、インデックス投資の名著「敗者のゲーム」の中でゴルフを例に出し「強い者が勝者になるのではなく、ミスを犯す弱者が敗者となることで勝者が生まれる。そして資産形成は敗者のゲームである」と言及しています。

長期で見た場合、市場平均以上のパフォーマンスを出し続けることが極めて困難なのです。

だからこそ資産運用はインデックス投資を推奨しています。その理由は下記の通りです。

  • マーケットの80%はプロの機関投資家と個人投資家が日々売買していること。
  • プロでも4分の3以上がインデックス投資のパフォーマンスに負けていること。
  • 損を出した資金によって一握りの優れた投資家が利益を得ていること。

つまり、ほとんどの一般投資家にとって「長期でのインデックス投資」が一番効率的(ほったらかし)で最大のパフォーマンスを発揮するということです。

【アットコストの考え方】

アットコストとは「適正な受益者負担」という意味です。

日本の金融機関とバンガード社ではそれぞれアットコストの考え方が異なるので説明していきます。

日本の金融機関の場合、購入した投資信託の保有金額に関係なく、投資信託の運用管理費用の負担率は一律です。

運用金額が1万円でも1億円でも変わらないということです。

証券会社は定期的に口座の運用報告書を顧客に送らなければならず、その分の印刷代と運送代を負担しなければなりません。

つまり運用手数料だけでは赤字口座が発生します。

実はこうした経費は他の投資家から徴収しているのです。

アットコストの観点から見れば日本の金融機関は「適正な受益者負担」に沿っておらず、実際にかかる適正コストが見えづらくなっています。

バンガード社の場合、アットコストの考え方が日本とは正反対です。

実際、バンガード社では口座手数料と運用アドバイス料は個別で支払われます。

内訳を見ていくと、口座の資産残高が1万ドル以下の場合は年間20ドルの手数料が発生します。

日本とは異なり、あくまでも個人負担の考え方が原則にあるのです。

そして運用アドバイスを受けるのは有料となり、相談料は資産残高の0.3%を支払う仕組みとなります。

この費用はアドバイザーがコンサルティングする際の知識と時間に支払っています。

どこまでも個人が優先される実にアメリカらしい論理なのです。

また50万ドル以上の口座残高がある顧客に対しては相談料が無料になるので、お金持ちをしっかり優遇しているのも大きな特徴といえるでしょう。

労働者と資本家

私たちが生きる資本主義社会には大きく2種類のタイプに分けることができます。

それは「24時間をフル活用して稼ぐ人」と「他人の24時間を利用して稼ぐ人」です。

前者がサラリーマンなどの「労働者」、後者が「資本家」と呼ばれる人です。

資本主義とは「資本家」によって作られたルールである為、資本家に富が集中する仕組みとなっています。

ここで重要なことはどちらが良い悪いではなく、サラリーマンの外側に資本家の世界があるということです。

それらを知った上で、投資家としてどう在りたいのかを考えることが重要ではないでしょうか。

各々の環境によって目指すべき場所は異なりますが、少なくとも投資をすることは、お金に「24時間働いてもらう」行為に他なりません。

そして長期投資は将来、資産家になる有力な方法でもあるのです。

なぜなら年平均7%の利回りを続けた場合、元本は10年で倍、20年で4倍へと成長するからです。

資本主義社会で投資をすることは、社会構造から見ても効率的であることが分かるはずです。

創業者ジョン・ボーグルの金言

バンガード社の創業者ジョン・ボーグル氏(1929-2019)が生前に残した金言をいくつか見ていきましょう。

「時間は友だ。衝動は敵だ」

長期投資をする上で複利の効果こそ資本を最大限に発揮してくれる友人です。

衝動的な売買は行わずに継続的に時間をかけて積み立てることが投資をする上で大切なのです。

「複数の問題解決方法が存在する場合、その中で最もシンプルなものを選ぶと良い」

ボーグル氏は「オッカムの剃刀」といって、ある事柄の説明の際に必要以上に仮定するべきではないと述べています。

アクティブに売買を繰り返すのではなく、極めてシンプルな投資戦略であるインデックスファンドがとても優れた手法であることを伝えています。

「干草の小さな針を探すのではなく、干草自体をまるごと買いなさい」

これぞインデックス投資の普遍的な哲学そのものでしょう。

おわりに

バンガード社は年々着実に成長しており、2023年には運用資産額が10兆ドルを越えると言われていますが、課題もあります。

それは今後も成長が続けば、米国の株式市場におけるシェアが圧倒的になるため、市場の効率性や企業統治という観点からも試される状況が訪れるかもしれません。

実際バンガード社はアップル、アルファベット、フェイスブックの筆頭株主であり、GAFAの株価を左右する存在へと成長しています。

とはいえバンガード社は今後もさらに成長していくのは間違いなく、コストの低い運用を求める資金の動きはさらに加速していくことが予想されます。

それだけインデックス投資は優れた運用方法なのです。

2020年注目のバンガードファンド3選

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