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全日空がかつてないピンチに。現状について解説

全日空(9202)がかつてない危機に瀕しています。

2020年3月期の決算は売上高が対前年で4.1%減の1兆9742億円、営業利益が同63.2%減の608億円、経常利益が同62.1%減の593億円、純利益は同75.0%減/831億円減の276億円でした。

この決算はリーマンショックが起きた2009年以来の厳しい内容です。

2009年の全日空の決算は、売上高はピーク時に比べて2500億円以上減り、営業損益は542億円の赤字、経常損益は史上最悪の863億円もの赤字でした。

今回の決算は2009年の内容よりはまだ良いものの、コロナウィルスの影響を受けたのは2020年2月と3月のみです。

本格的にコロナウィルスの影響が決算に現れるのは2021年3月期の決算になります。

2021年の決算は、過去最悪のものになると予想している市場関係者は非常に多いです。

全日空は今後どうなってしまうのでしょうか?今回は全日空の経営状況について詳しく説明します。

全日空など航空業界の固定費は桁違いにかかる

一口に飛行機を飛ばすといっても大変な経費がかかる事はいうまでもありません。

燃料費は飛行機が飛ばないと減らすことができる費用ですが、機体のリース費用や人件費は、飛行機が飛べなくても毎月かかってくる固定費です。

全日空は変動費と固定費の割合について公表していませんが、一説によると変動費は20%、固定費は80%というようにいわれています。

コロナウィルスの影響で国外線・国内線平均して約80%減便になっていることを考えると、この固定費は重くのしかかってくることは容易に想像することができるでしょう。

現に全日空は、CAを中心に多くの従業員を自宅待機にしています。これは当然ながら人件費を抑えるためです。また銀行から早い段階で1,000億円の融資を受けています。

銀行からの融資枠を1,500億円から3,500億円へ引き上げも行いました。このことは全日空が経営状態について強い危機感を持っている証拠でしょう。

もし何の対策も取らなかった場合、全日空のキャッシュが尽きるのは約2ヶ月後だといわれています。

融資を受けたことにより、約10カ月間キャッシュは尽きないといわれていますが、危機的な状況に変わりはありません。

新卒採用取りやめ

全日空の経営状況の厳しさは2021年度の新卒採用を取りやめたことにも表れています。

航空業界を目指していた学生にとって大きな衝撃であったでしょう。

航空業界は一般の業界と違い、たくさんの会社があるわけではありません。

JALと並ぶ大手航空会社である全日空が新卒採用を取りやめた事は断腸の思いがあったことが想像されます。

しかし新卒採用を取りやめるほど全日空の経営陣には危機感があるとみることができます。

全日空が倒産する可能性はあるのか!?

結論から言うと全日空が倒産する可能性はないと考えます。

皆さんも記憶に新しいと思いますが、リーマンショックの影響で2010年に日本航空が経営破綻しました。

しかしこの時、約3,500億円もの公的資金が日本航空に投入されています。

当時、公正取引委員会に競争を歪める不公平な措置であるとまで言われましたが、政府は日本航空を助けることを選んだのです。

全日空も日本航空ももちろん民間企業ではありますが、国民にとって欠かすことのできないインフラ企業ということもできます。

このことを考えると全日空が倒産する可能性は極めて少ないと思いますが、もし2010年の時の日本航空のように経営破綻してしまうと、その時に株を持っていた方は大きな損失を被ることになります。

2021年の決算内容はかつてない厳しいものになると誰が考えてもわかります。

このような状況の時に全日空に限らず航空会社の株を買う事は、投資としてはいかがなものなのかと個人的には思ってしまうのです。

もちろんコロナウィルスが予想よりも早期に収束することも考えられますが、しばらくコロナウィルス以前のような需要を取り戻す事は難しいと思います。

まとめ

今回は全日空の経営状況について説明しました。

新卒採用を取りやめるほど全日空の経営状況について経営陣は危機感を持っています。

今後コロナウィルスがどのような方向に向かっていくかは分かりませんが、しばらく厳しい状況が続く事は間違いないといえるでしょう。

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