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【米国大統領選2020】焦点は対中政策へ

アメリカでの新型コロナウイルス感染による死者数が、世界最多の7万人を超えた今、アメリカと中国は互いに批判を強めており、米中関係は更に悪化しています。

この米中関係、トランプ大統領によっていきなり始まったわけではなく、オバマ政権の時から既に始まっていました。

2014年オバマ政権の時、アメリカと中国の両国が連携し、温室効果ガスなどの問題に取り組んでいましたが、アメリカは中国企業に対する不正取引の調査に乗り出しました。

ファーウェイなどの中国大手企業が、イランと不正取引をしている疑惑が浮かび上がって来たからです。

またこの時期に、イラン、北朝鮮をめぐる資金の動きの調査も開始しています。

オバマ政権の時に副大統領だったバイデン氏は、この流れを引き継いでいると考えられています。

つまり、今年の大統領選挙でトランプ大統領、バイデン氏のどちらが勝利したとしても、中国に対する厳しい姿勢が崩れることはないと言う事です。

今、アメリカ国民が最も注目している大統領選挙の焦点は、対中政策です。

この背景には、アメリカ国民の間で中国嫌いが加速していることがあります。

米調査機関ピュー・リサーチセンターは、「中国を好意的に思わない」と答えた人が、米国民の66%に達したという、最新の世論調査の結果を発表しています。

このデータから、大統領選挙では、中国に対しより強い姿勢をアピールできた方に勝算があると考えられます。

バイデン氏の副大統領候補に名が挙げられているライス元大統領補佐官は「トランプ大統領は、当初新型コロナウイルス感染を軽視しており、中国の習近平国家主席に称賛を重ねていた」と批判しました。

そして、トランプ大統領がウイグル自治区問題に関しての対中批判を避けている事も指摘しています。

バイデン氏は近く、対中政策を発表する予定でバイデン陣営のアドバイザーであるサリバン元副大統領補佐官は「この先、トランプ大統領の強気の発言と、軟弱な行動とのギャップが明らかになるだろう」と発言しています。

皆さんもご存じの通り、トランプ政権による新型コロナウイルス感染への対応の遅れは、その後のアメリカに非常にネガティブな形で影響を与えました。

これは紛れもない事実であり、指摘されても弁解の仕様がないほどアメリカ国民から、そして世界中から指摘された問題です。

そして、この問題へ焦点が当たるのを何とか避けようと、前面にうち出してきた選挙戦略が「中国が全て悪い。全て中国のせいだ」という、中国批判だったわけです。

さて、今月22日、中国では中国全人代(全国人民代表大会)が開幕され、中国は香港に対し統制強化を定めた「国家安全法」を導入することを発表しました。

これに対し、トランプ大統領は中国を強く批判。

香港の反政府活動や民主化運動への取り締まりの強化実行について、米国として対処する方針を発表しました。

26日には、マケナニー米大統領報道官が、中国政府が進める国家安全法の導入について、トランプ大統領は不快に思っていると発言しています。

また、ホワイトハウスでの記者会見でトランプ大統領は国家安全法への対応を記者から質問され、「週末までには何か発表する」と、対策について今検討中であることを明らかにしました。

現在、香港では新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、公共の場で8人以上が集まることは禁止されているため、デモなどで反対派が集まろうにも、人々の間には感染リスクによる恐怖があり、二の足を踏むのではと考えられていました。

それを逆手にとり、今このタイミングで中国が強気に出てきたのではないかという意見もあります。

しかし、そうは言っても香港の民主派の怒りは根強いです。

24日には、数千人が参加する反中デモが行われ、警察は催涙弾を発射し、強制排除が行われ、180人以上の逮捕者が出たと伝わっています。

香港には、この先も香港で暮らしていく大勢の人たちがいます。

自分たちの将来、自分たちの生活を守るために、そして人権が守られるようにするためには、行動を起こすしかないのです。

トランプ大統領は昨年、香港の「香港人権・民主法案」に署名し、法案を成立させています。

これは、香港の自治を保障する「一国二制度」が守られているか、米国務省に毎年の検証を義務付けており、香港での人権侵害に関与した政府関係者らに制裁を科すことができるというものです。

「一国二制度」とは、香港に対し中国本土とは異なる制度を適用することを指しており、1997年に英国から返還された香港に対し、中国は外交・防衛を除く分野で高度自治を50年間維持すると約束したもので、2047年まで適応されます。

香港は、独自の行政、立法、司法権を有し、中国本土では認められない言論・集会の自由や、通貨やパスポートの発行権を持っています。

しかし、中国は香港を支配しようとしており、市民の自由が損なわれている現状があるのです。

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