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【高配当株】オリックスの決算情報と株価の値動き

オリックス(株)は東京・大阪に本社を置く、日本の独立系大手総合リース企業です。

法人金融やメンテナンスリース、不動産、事業投資、リテール、海外事業の6つのセグメントから構成されており、具体的な事業内容としては融資、投資、生命保険、銀行、資産運用事業などの金融事業と自動車関連事業、不動産事業、環境エネルギー関連事業などの「モノ」を扱う事業などが挙げられます。

また、1971年の香港進出を皮切りに世界37ヵ国・地域に拠点を設け、グローバルに展開しています(2019年3月末)。

同業他社としては三菱UFJリース(株)や三井住友ファイナンス&リース(株)などが挙げられますが、オリックス(株)は前述の通り多様な事業を展開していますので、多くの競合他社が存在していると言えるでしょう。

本記事では、オリックス(株)の2020年3月期決算情報と同社の今後の株価の値動きについて見ていきます。

決算発表前のオリックス(株)の株価等のデータ

オリックス(株)は2020年第3四半期決算を2020/5/21の日本市場閉場後に発表しました。

発表直前である5/21における同社の株価の値動きについて見ていきます。

5/21の始値は2,299円となっており、その後日中は大きな値動きなどはなく終値は1,312円となっています。

次に今までの同社の株価の値動きについて概観していきます。

2006年~2007年頃にかけて3,000円台まで高騰しましたがその後は大幅に下落し、2012年頃までは1,000円未満で取引されていました。

その後は緩やかに上昇しており1,000円台後半で取引されることが多くなっています。

新型コロナウイルス感染症に起因する世界経済が顕在化する直前である2月頃は2,000円弱で取引されていましたが、その後大幅に下落し、52週安値は1,100円前後となっています。

その後も同社の株価はほとんど回復せず、5/21時点での終値は1,300円前後となっています。

また同社の過去2年間におけるPBR(株価純資産倍率)の平均値は0.75となっている一方、5/21時点での同社のPBRは0.56となっていますので、同社の株価は比較的割安であると考えることができます。

5/22時点での同社の時価総額は1兆7,445億円となっており、また配当利回り(予想)は6.2%ほどとなっており、日系企業の中では高配当な株式であると言えるのではないでしょうか。

オリックス(株)の決算情報

概要

オリックス(株)が発表した2020年3月期決算の概要は以下の通りです。

営業収益 2兆2,803億円 前年同期比 -6.3%
営業利益 2,697億円 前年同期比 -18.1%
当社株主に帰属する当期純利益 3,017億円 前年同期比 -6.5%
一株当たり当社株主に帰属する当期純利益 237.38円 前年同期比 -6.1%

同社は5/11に予定していた2020年3月期決算の発表を5/21に延期しており、同社が手掛ける「ホテル・旅館などの施設運営事業」、「空港運営事業」、「航空機リース事業」などで新型コロナウイルス感染症の影響を受けるとしていました。

減収減益の結果になったものの、底固い結果になったと言えるのではないでしょうか。

同社は当決算について、「商品および不動産売上高が減少したことにより、前連結会計年度に比べて6%減の結果になった。」「当連結会計年度の業績において、新型コロナウイルスの感染拡大による特筆すべき影響はありませんでした。」と述べており、2月頃から大幅に下落したものの、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は軽微であったとしています。

詳細

次に当決算についてセグメント別に見ていきます。セグメント別の決算情報の概要は以下の通りです。

  • 法人金融サービス事業部門

セグメント収益…952億円:前年同期比2%増

セグメント利益…255億円:前年同期比-43%

  • メンテナンスリース事業部門

セグメント収益…2,882億円:前年同期比17%増

セグメント利益…388億円:前年同期比-13%

  • 不動産事業部門

セグメント収益…5,291億円:前年同期比-12%

セグメント利益…892億円:前年同期比-14%

  • リテール事業部門

セグメント収益…4,289億円:前年同期比6%増

セグメント利益…842億円:前年同期比-5%

  • 事業投資事業部門

セグメント収益…6,152億円:前年同期比-27%

セグメント利益…382億円:前年同期比46%増

  • 海外事業部門

セグメント収益…4,907億円:前年同期比-1%

セグメント利益…1,254億円:前年同期比25%増

当決算のセグメント利益は前年同期比4%増となっています。

法人金融サービス事業部門、メンテナンスリース事業部門、不動産事業部門およびリテール事業部門において減益となりましたが、事業投資事業部門及び海外事業部門が増益となりました。

法人金融サービス事業部門において、セグメント収益は前連結会計年度に買収した企業のサービス収入が通年で計上されたことや、新リース基準の適用によりファイナンス・リース収益が増加したことなどにより2%増加したものの、セグメント利益は生命保険関連の手数料収入の減少により、43%減少しました。

自動車リース・レンタカー・カーシェアリング、電子計測器・IT関連機器などのレンタルおよびリースを扱うメンテナンスリース事業部門においては、セグメント収益が新リース基準の適用によりリース収益が増加したため、17%増加した一方セグメント利益は販売費および一般管理費が増加したことにより13%減少しました。

不動産事業部門においては、セグメント収益は施設運営事業における大口の売却益計上に伴うサービス収入の減少及び不動産売上高の減少により12%減少し、セグメント利益も同様の理由において14%減少しました。

生命保険、銀行、カードローン事業を展開するリテール事業部門においては、セグメント収益が保有契約の増加に伴う生命保険料収入の増加により6%増加したものの、セグメント利益においては、生命保険にかかる前期の大口の不動産売却益計上に伴う資産運用収益の減少により5%減少しました。

環境エネルギー、企業投資などを行う事業投資事業部門においては、商品売上高が減少したためセグメント収益は27%減少したものの、子会社株式の売却益を計上したことによりセグメント利益は46%増加しました。

アセットマネジメント、航空機・船舶関連などの事業を展開する海外事業部門においては、金融収益及び有価証券売却益は増加したものの、サービス収入やオペレーティング・リース収益が減少したことにより、セグメント収益は1%減少しました。

またセグメント利益については、持分法投資損益および子会社・関連会社株式売却損益が増加したため、25%増加しました。

利益配分と今後の見通し

同社は当期の一株当たりの年間配当金については前期の76.00円と同額の76.00円としています。

これにより同社の配当利回り(実績)は5.79%となりました。

配当性向性は前期比2%増の32%となっています。

また次期については一株当たりの中間配当金の予想額は35.00円とし、通期の配当性向は次期に限り50%とするとともに、次期の一株当たりの期末配当金は未定であることを発表しました。

同社の株主への還元を維持したいとする方針に対しては非常に好感が持てるのではないでしょうか。

また同社の中間配当金の権利落ち日は2020年9月29日、期末配当金の権利落ち日は2021年3月30日となっています。

オリックス(株)は今後の見通しとして、新型コロナウイルス感染症を取り巻く状況の先行きが不透明であるということを理由に2021年3月期の業績予想の発表は見送りました。

また新型コロナウイルス感染症を取り巻く状況は予断を許さないものとなっているものの、十分な手元流動性と高い長期借入比率を維持しており、引き続き新規投資を継続したいとの考えを示しています。

決算発表後のオリックス(株)の株価の値動き

オリックス(株)の2020年第3四半期決算発表直前の5/21の終値が1,312円であったのに対し、5/22の始値は1,350円と3%ほど上昇しています。

しかし一時的な上昇にとどまり、終値は1,317円となっていました。

始値付近での一時的な上昇は、同社の底固い業績結果や次期において配当性向を50%に引き上げ、株主への還元を維持したいとする姿勢が好材料となりもたらされたものと考えることができます。

次に今後の同社の株価の値動きについて見ていきます。

同社のPBRは2年間の平均値が0.75であるのに対し、5/21時点の値は0.56となっていることから同社の株は現在割安であると考えることができます。

また配当利回りに関しても高水準であり、高配当株であると言えるほか、同社が減収減益の結果にも拘わらず配当金は据え置きとし、今後も株主に対する還元を維持していきたい方針を示しています。

これらの事実と底固い業績結果、多様な事業展開によるリスク分散などの要素を総合すると今後同社株式の買戻しが起こり、株価が上昇していく可能性は十分に考えられます。

また高配当株であることから株価が下落している現在は買い時であるとみることができるのではないでしょうか。

参考元:オリックス(株) 2020年3月期 決算短信

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