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【米国株動向】エッツィとアマゾン、どちらに注目か

モトリーフール米国本社、2020518日投稿記事より

アマゾン・ドット・コム (NASDAQ:AMZN) は近年、多くの小売業を崩壊させてきましたが、ハンドメイド市場におけるエッツィ (NASDAQ:ETSY)の覇権を奪うことには幾度も失敗しています。

アマゾンは2015年にハンドメイド・マーケットプレイスを立ち上げてエッツィに対抗しました。

しかしエッツィにはファーストムーバー・アドバンテージ(先発者の優位性)があること、売手の登録プロセスが比較的簡単なこと、手数料が比較的低いこと、メーリング・リストやプロモーションに関する規則が比較的柔軟なことで、アマゾンを寄せ付けていません。

アマゾンには巨大なeコマース・プラットフォームがあると同時に、利益率の高いアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)クラウド・プラットフォームが利益率の比較的低いマーケットプレイスの成長を補っており、株価はここ5年で470%上昇しています(執筆時点)。

一方、エッツィの株価は同期間で330%上昇しています(執筆時点)。

同社にはアマゾンのようにその他の事業はなく、売手と買手をつなぐプラットフォームに特化しています。

両社の事業は根本的に異なりますが、株価はどちらも市場をアウトパフォームしています(執筆時点)。

アマゾンの成長速度は?

2019年度、アマゾンの売上は20%増、利益は14%増でした。

COVID-19大流行の影響を受けた2020年第1四半期の売上は、前年同期比26%増となっています。

AWSの売上については、クラウドやストリーミング・サービスの増加により、同33%増でした。

一方で2020年第1四半期の1株あたり利益(EPS)は、COVID-19関連の費用が営業利益を圧迫したことで、29%減となりました。

COVID-19関連費用として、感染防止のための装備、検査、従業員へのトレーニング等へ第1四半期に6億ドルを投じており、第2四半期には40億ドル超を計上する見込みです。

同社は第2四半期の売上を前年同期比18%〜28%増、上記の関連コストにより営業利益をほぼゼロと予想していますが、赤字になる可能性もあります。

同社は通年の業績予想を公表していませんが、アナリスト予想では売上22%増、利益6%減となっています。

【米国株動向】アマゾンの決算からみる株価の今後

エッツィの成長速度は?

2019年度のエッツィの売上は36%増、利益は25%増でした。

2020年第1四半期の売上は前年同期比35%増でしたが、昨年後半に行われた楽器専門マーケットプレイスを運営するリバーブの買収、同社の事業にとって不利な為替相場、そしてCOVID-19 によるマーケットプレイスでの注文減少が影響し、当期利益は60%減となりました。

一方、1回限りの費用を除いた調整後税引き・利払い・償却前利益(EBITDA)は10%増でした。

第2四半期以降のエッツィの業績見通しは、変動が激しいものとなっています。

ハンドメイト・マーケットプレイスの成長は鈍化する一方、リバーブは、実店舗が臨時休業している中で重要な楽器の小売チャネルとなっています。

エッツィはリバーブの成長が全体の売上を押し上げるとして、第2四半期の売上を前年同期比70%〜90%増と予想しています。

ですが第3四半期にはリバーブ買収から1年経つことや、実店舗の楽器店が営業を再開することが見込まれ、モメンタムは長続きしないと思われます。

エッツィは2020年通年の業績見通しを公表していませんが、ウォール街は売上20%増、1株あたり利益は45%減と予想しています。

一方、同社の調整後EBITDAはリバーブ買収後も引き続き拡大しており、中核事業の底堅さを示しています。

【米国株動向】電子商取引中堅企業のエッツィが長期投資家に巨額の富をもたらすと考えられる理由

高バリュエーションに値するのはどちらか?

アマゾン、エッツィの予想利益に基づく株価収益率(PER)は、共に100倍程度の水準です(執筆時点)。

強気筋は、アマゾンのeコマースやクラウド市場での優位性、エッツィのハンドメイド市場での安定的な地位が、高バリュエーションの根拠となっているとしています。

一方、弱気筋は、アマゾンのeコマースはウォルマート(NYSE:WMT)やターゲット(NYSE:TGT)などの脅威に晒されており、AWSの成長速度はマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)のアジュールに比べて緩やかであること、さらに同社が政治家や規制当局の標的にされがちなことなどを指摘しています。

エッツィについては、パンデミックに端を発した景気後退により、ハンドメイド製品に対する需要が減少する可能性を挙げています。

COVID-19により先行き不透明な部分はあるものの、筆者は、パンデミック後に両社の株価は早期回復すると考えます。

ですがどちらかを選ぶとしたら、より多様化した事業と1億5,000万以上のプライム会員を有する巨大なエコシステムなどから、アマゾンに注目します。

同社の持つ強みは、一時的な低迷を打ち消すものであり、長期で見ると株価はさらに強含むと考えています。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。マイクロソフトの子会社LinkedInの従業員であるTeresa Kerstenは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Leo Sunは、アマゾン株を保有しています。モトリーフール米国本社は、アマゾン株、エッツィ株、マイクロソフト株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、以下のオプションを推奨しています(アマゾン株の2020年1月の1940ドルのショート・コール、アマゾン株の2022年1月の1920ドルのロング・コール、マイクロソフト株の2021年1月の85ドルのロング・コール、マイクロソフト株の2021年1月の115ドルのロング・コール)。

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