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ウォルマートの決算情報と株価の値動き

ウォルマート(NYSE:WMT)はアメリカに本社を置く、世界最大の売上高を誇る大手小売業者です。

ディスカウントストアやスーパーセンター、スーパーマーケット、会員制の大型ディスカウトショップであるサムズクラブを運営しています。

競合他社としては、コストコやバーリングトン、ティージェーマックス、クローガーなどの低価格を売りにした小売店ほか、ウォルマートはEC事業も展開していますので、Amazon社などのEC事業を展開する企業なども競合として挙げることができます。

ウォルマートは様々な商品を扱う小売業者ですので、競合他社はこれらのほかにも多く存在していると言えるでしょう。

本記事では同社の2021年第一四半期決算の情報と今後の株価の推移について見ていきます。

決算発表前のウォルマートの株価等のデータ

ウォルマートは2021年第一四半期決算を2020/5/19のアメリカ市場開場前に発表しましたので、前日である5/18の同社の株価の値動きについて見ていきます。

5/18の始値は127.40ドルであり、その後大きな変化はなく、終値は127.75ドルとなっています。

次に同社の今までの株価の値動きについて見ていきます。

同社の株価は2000年ごろに50ドルに到達して以降、2011年頃までの10年以上ほぼ横ばいでの推移となっていました。

しかしながら2012年ごろから上昇し、2016年前後で一時的に下落したものの、その後は順調に上昇していき、2019年以降は100ドル以上の株価を維持し続けています。

新型コロナウイルス感染症による世界経済の悪化の影響を受ける2月中旬以前は120ドル弱で推移していましたが、3月中旬には一時100ドル付近まで下落しました。

しかし同社の株価はすぐに以前の水準までに回復し、現在は新型コロナウイルス感染症以前の水準を上回る高値で取引されています。

同社はNYダウ平均株価とS&P500の構成銘柄の一つとなっており、5/21時点での同社の時価総額は3,568億ドルとなっています。

ウォルマートの決算情報

概要

ウォルマート社の2021年第一四半期決算の概要は以下の通りです。

売上高 1,337億ドル 前年同期比8.7%増
営業利益 52億ドル 前年同期比5.6%増
連結純利益 40億ドル 前年同期比3.9%増
希薄化後一株当たり純利益 1.40ドル 前年同期比5.3%増

同社は第一四半期において、前年同期と比較して増収増益となっていることが分かります。

これらの結果に対して同社は「当社の売上高及び営業利益は、新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けた。複数のカテゴリーにわたって当社の製品に対して前例のない需要が発生したことにより、売上高等の結果が引き上げられた。営業利益に悪影響を及ぼした原因としては、賃金や福利厚生の強化、新型コロナウイルス感染症への安全と衛生面での対策などを挙げることができる。」と述べています。

売上高の増加率に対して営業利益の増加率がやや低くなっているのは、新型コロナウイルス感染症に対する従業員への福利厚生などが主だとしており、同社の業績は極めて好調であると言えるでしょう。

さらに特筆すべき点としては、EC事業において74%もの売上高増加があったことが挙げられます。

新型コロナウイルス感染症による外出制限が設けられている中、店頭販売だけでなくEC事業にも力を入れていた点が、同社の売上高の増加を助けたと考えることができるのではないでしょうか。

詳細

次に同社の決算情報をセグメント別に見ていきます。セグメント別の決算情報の概要は以下の通りです。

ウォルマート US 売上高 8,870万ドル 前年同期比10.5%増
営業利益 430万ドル 前年同期比3.9%増
ウォルマート インターナショナル 売上高 2,980万ドル 前年同期比3.4%増
営業利益 90万ドル 前年同期比15.6%増
サムズクラブ 売上高 1,520万ドル 前年同期比9.6%増
営業利益 50万ドル 前年同期比9.5%増

売上高・営業利益ともに、すべてのセグメントにおいて増加しており、増収増益となっていることが分かります。

次にセグメント別により詳しく見ていきます。まずウォルマートUSについてです。

新型コロナウイルス感染症による影響としては、外出自粛などにより買い物一回当たりの平均購入額が増加したほか、オンラインショッピングでの購入にシフトする動きなどが挙げられ、買いだめの動きがあったことにより増収増益を達成しました。

カテゴリー別では食料品が2桁台前半での成長がみられ、ヘルス&ウェルネス製品が1桁台後半の成長、その他一般的な商品は1桁台中盤での成長が見られており、すべてのカテゴリーで売上が増加したことが分かります。

次にウォルマートインターナショナルについて見ていきます。地域別に決算を見ていくと以下のようになっています。

  • メキシコ・中央アメリカ地域

売上高…前年同期比9.8%増

営業利益…前年同期から増加

  • 中国

売上高…前年同期比11.7%増

営業利益…前年同期から減少

  • カナダ

売上高…前年同期比8.5%

営業利益…前年同期から増加

  • UK

売上高…前年同期比3.5%増

営業利益…前年同期から減少

各地域ともに売上高は増加しているものの、営業利益の増加が新型コロナウイルス感染症により発生したコストによって相殺されたとしており、特に中国とUKでは営業利益が前年同期から減少していることが分かります。

次にサムズクラブについて見ていきます。

純売上高は152億ドルとなっており、前年同期と比較すると9.6%増加しています。

また営業利益は5億ドルであり、前年同期から9.5%増加しています。

これらの結果に対して同社は、買いだめの動きにより多くの商品への需要が高まったほか、オンラインストアでの売上が40%も増加したことにより、増収増益を達成することができたとしています。

同社は今後の見通しとして、第二四半期後も買いだめの動きに伴う需要の増加は発生しているとしているものの、今後もこのような動きが続くとは考えていないと述べており、また先行きの不透明さから通年業績見通しては取り消しています。

決算発表後のウォルマートの株価の推移

ウォルマートが決算発表を行った前日である5/18の終値が127.75ドルであったのに対し、5/19の始値は131.75ドルと3%ほど上昇した価格で取引されていました。

しかしその後同社の株価は一日を通して下落し、終値は124.97ドルとなっています。

終盤の取引で小幅な下落となったものの、新型コロナウイルス感染症の影響により多くの企業が減収減益の決算を発表している中で、同社は増収増益を達成し、世界最大手の小売業者としての力を見せたことを受けたため、始値は3%ほど上昇したと言えるでしょう。

増収増益を達成したものの今後も買いだめの動きに伴う高い需要は続かないだろうと述べている点や、先行きの不安定さから通年業績見通しを発表していない点などから、今後大幅な株価の上昇が発生するとは考えにくく、逆に大幅な下落をもたらすような材料もないことからしばらくは大幅な値動きなどはなく、横ばいでの推移が続くと考えられます。

また日用品を取り扱う小売業者では、新型コロナウイルス感染症の影響下でも売上高の増加が起こることが同社の決算発表によって証明されました。

同業他社であるコストコの株価は上昇していたため、同業他社の株式に注目してみるものいいかもしれません。

参考元:Walmart Financial presentation to accompany management commentary Q1 FY2021

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