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【米国株動向】立て直しに向けて積極的に動くクルーズ船3社:2021年の予約は好調

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2020514日投稿記事より

高リスク高リターンの投資機会は数多くありますが、クルーズ船業界に関心を寄せる投資家はほとんどいないのではないでしょうか。

新型コロナウイルスの拡大を受けて、ノルウェージャン・クルーズ・ライン・ホールディングス(NYSE:NCLH)、ロイヤル・カリビアン・クルーズ(NYSE:RCL)、カーニバル(NYSE:CCL)の3社は運航を停止しており、いまだ終息の兆候が見られない中でコストはかさむ一方です。

こうした状況に対し、3社は当座を乗り切る資金として社債と新株発行を通じて資金調達を図っています。

また最近の調査では、運航が再開したらクルーズ船を利用したいという消費者の根強いニーズが示されています。

ここにきて、各社から新たな対策が打ち出されています。

ロイヤル・カリビアンは債券市場を活用

ロイヤル・カリビアンはこれまでに社債を発行しておらず、その代わりに3月下旬にリボルビング・クレジット・ファシリティで23億2,000万ドルを引き出しましたが、この与信枠の期間は364日しかなく、契約締結後にノルウェージャンが全てまたは一部の運航停止を延長する可能性があることが明らかになりました。

そこで今回、利率10.875%、2023年満期のシニア債10億ドルと利率11.5%、2025年満期のシニア債23億2,000万ドルという高利回りの長期債を発行し、上記のリボルビング・クレジット・ファシリティの返済と、残りは運航停止延長に対する備えに充てることにしました。

一見割高に見えますが、カーニバルが4月初めに発行したシニア債は2023年満期で利率11.5%、ノルウェージャンが最近起債したシニア債は2024年満期で利率12.25%と、ロイヤル・カリビアンより高い利率です。

同社は規模の点でカーニバルとノルウェージャンの間に位置しますが、利益率は両社を上回っています。

カーニバルは一層のコスト削減

カーニバルは損失拡大を食い止める苦渋の選択として人員削減を発表しました。

同社は早い段階から資金調達に動き、年内の流動性を確保していますが、クルーズ業界の完全回復にはさらに時間がかかる可能性もあります。

人員削減、労働時間の短縮、幹部を含む減給といった一連の追加措置により、年間数億ドルのコスト削減が見込まれます。

同社は過去2カ月にわたり多くの従業員に給与を支払い続け、キャンセルになった運航分についても代理店手数料を支払ってきました。

運航再開の見通しは不透明ですが、カーニバルが動き出すのは時間の問題かもしれません。

アーノルド・ドナルドCEOは最近のインタビューで、4月に実施した資金調達により、売上がゼロでも今年度(11月末まで)いっぱい、あるいはそれ以上乗り切れるとの見方を示しました。

このインタビューは人員削減が発表される以前に行われたため、今回の追加策によってカーニバルの寿命はさらに延びたかもしれません。

ノルウェージャンは18カ月計画を発表

ノルウェージャンの第1四半期決算(うち2カ月は通常運航、1カ月は運航停止)は、19億ドルという大幅な赤字となりましたが、のれんの減損費用16億ドルを除くと赤字額は3億ドルです。

重要なのは決算内容よりも、同社が発表した計画です。

同社は先ごろ、シニア債、転換社債、新株発行(発行価格は足元の株価をわずかに上回る11ドル)で合計約22億ドルを調達しました。

フランク・デル・リオCEOは、月間の現金消費は1億2,000万~1億6,000万ドルにとどまり、今回の資金調達と大規模なコスト削減によって、売上がゼロでも18カ月分の流動性は確保できたとの強気の見方を示しました。

少なくとも期間という観点では、3社の中で規模の小さいノルウェージャンの財務基盤が最も安定しているように見えます。

今後の見通し

取り上げたクルーズ船大手3社はいずれも年内の必要資金を確保したとみられ、今では2021年を見据えています。

2021年の予約は既に平常に戻っており、ノルウェージャンは、「2020年第4四半期辺りから予約が入り始めており、2021年の予約件数と予約価格は過去最高水準にある」ことを明らかにしました。

ロイヤル・カリビアンも、「2021年の予約件数は過去最高水準、予約価格は今年の同時期の水準を5%前後上回る」と述べました。

カーニバルも、2021年の予約件数も過去最高レベルにあり、予約の66%はリピーターであることから、クルーズ旅行が安全になれば顧客が戻ってくると確信しています。

さらに、カーニバルのキャンセルの大半は将来の予約への振り替えが選択され、返金は38%未満となっています。

3社とも今年後半以降、リスクの低いコースから順次運航を再開する意向で、カーニバルは8月の運航再開を目指すと表明していますが、実際に年内再開が可能かどうかは不透明です。

明らかなことは2点で、債券投資家がクルーズ船運営会社の支援に前向きであることと、可能になったらまたクルーズ船に乗りたいと考えている顧客が多いということです。

これら2つの好材料を生かせるかどうかは、各国政府の対応次第で、今後どのような健康に関する指示が出されるかは大きな不確実要素です。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Billy Dubersteinは、カーニバル株を保有しています。Billy Dubersteinは、カーニバル株のオプションを保有しています(2020年5月の18ドルのショート・コール、2020年5月の21ドルのショート・コール、2020年5月の7.5ドルのショート・プット)。Billy Dubersteinの顧客は、記事で言及されている株式を保有している可能性があります。モトリーフール米国本社は、カーニバル株を推奨しています。

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