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ホーム・デポの決算情報から見る今後の株価の推移

ホーム・デポ(NYSE:HD)はアメリカに本社を置く、大手ホームセンターチェーン企業です。

各種建材や日曜大工用品、園芸用品を扱うほか、床工事やキッチンカウンター、エアコンなどの据付工事などのサービスも提供しています。

競合他社としてはロウズ・カンパニーやメナーズなどが挙げられます。

売上高では2017年時点で、ロウズ・カンパニーの650億ドル、メナーズの100億ドルに対してホーム・デポは946億ドルとなっており、ホーム・デポはアメリカ最大手のホームセンターチェーン企業となっていることが分かります。

本記事では、ホーム・デポの2020年第一四半期決算の内容と、今後の株価の推移について見ていきます。

決算発表前のホーム・デポの株価等のデータ

ホーム・デポは2020年第一四半期決算を2020/5/19のアメリカ市場開場前に発表しましたので、発表前日である5/18の同社の株価の値動きについて見ていきます。

5/18の始値は245.84ドルとなっており、前日終値である239.42ドルから3%ほど上昇した価格で取引されていました。

その後日中に大きな値動きはなく、終値は244.85ドルとなっていました。

次に同社の今までの株価の値動きについて概観していきます。

2010年頃までは30ドル前後でほぼ横ばいの推移をしていましたが、2011年ごろから上昇に転じ、以降継続的に成長してきました。

新型コロナウイルス感染症による世界経済の悪化が発生する2月中旬頃は250ドル弱で取引されていましたが、その後3月末にかけて下落を続け、150ドル前後にまで下落しました。

しかしながらその後同社の株価は順調に回復し、5/22時点では新型コロナウイルス感染症の影響を受ける以前の水準にまで株価はV字回復しました。

NYダウ平均株価が新型コロナウイルス感染症の影響による下げ幅のうち50%ほどしか回復していないことと比較すると、同社の回復度合いは凄まじいものであると言えるのではないでしょうか。

同社株式はNYダウ平均株価とS&P500の構成銘柄の一つとなっており、5/21時点での時価総額は2,570億ドルとなっています。

また同社の店舗はアメリカ当局より必要不可欠な事業とみなされていたため、新型コロナウイルスの感染が拡大している間も営業を継続することができていました。

ホーム・デポの決算情報

ホーム・デポが発表した2021年第一四半期決算の概要は以下の通りです。

純売上高 283億ドル 前年同期比7.1%増
営業利益 33億ドル 前年同期比8.9%減
純利益 22億ドル 前年同期比10.7%減
希薄化後一株当たりの純利益 2.08ドル 前年同期比8.4%減

純売上高は前年同期の264億ドルから7.1%増加しているものの、営業利益や純利益は9~10%ほど減少していることが分かります。

この結果に対して同社は「新型コロナウイルスの影響が強まる中、我々は従業員や顧客の安全を確保しながら、顧客が必要としている商品を提供する必要があった」「そのために8.5億ドル(税引き前)を従業員への支援として充て、希薄化後の利益は一株当たり60セント減少した」と述べています。

純売上高の増加はあったものの、安全を確保したうえでの営業を続行するためにコストがかかったことにより、営業利益や純利益が前年同期と比較して減少したと述べています。

また2020年第一四半期決算で発表された同社の店舗数は全部で2,293店舗となっています。

そのうちアメリカ合衆国内にある店舗は1,985店舗、カナダ国内にある店舗は182店舗、メキシコ国内にある店舗は126店舗です。

一方で同社はオンラインストアでの販売にも注力しており、実際店舗数はここ数年でほとんど増加していません。

その代わりにオンラインストアなどデジタルインフラへの投資を推し進めており、今まで行ってきたデジタルインフラへの投資が今回の新型コロナウイルス感染症の影響が強まる社会情勢の中での増収増益につながったと述べています。

実際に3月上旬にはオンラインストアなどデジタルビジネスが30%ほど成長したとしています。

またオンラインストアでの購入が増加したからといって店舗での売上高が落ちているというわけではありません。

オンラインで注文し実店舗で商品を受け取るというシステムが実装されており、当四半期決算によれば60%以上の人がこのシステムを利用し、実際に店舗で商品を受け取っています。

このシステムにより、店舗を実際に訪れた人がついでに店舗でも買い物をしていくという流れが形成されており、同社の売上高の増加に寄与しています。

このようにオンラインストアでの販売と実店舗での販売をうまく使い分けた結果の増益増収だと考えることができるのではないでしょうか。

また同社は今後の見通しとして「第1四半期の終わりから第2四半期の初頭にかけて売上高は力強く推移している」と次四半期でのさらなる売上高の増加を示唆した一方で、新型コロナウイルス感染症や経済全般の先行きの不透明さがあることを理由に、2020年度の通期業績予想の発表は取りやめています。

決算発表後のホーム・デポの株価の推移

ホーム・デポが2020年第一四半期決算を発表した前日である5/18の終値244.85ドルに対して、5/19の始値は240.45ドルと2%ほど下落した価格で取引されていました。

その後は緩やかに下落していき、終値は238.24ドルとなっています。

売上高の増加はあったものの、新型コロナウイルス感染症に伴い発生した従業員への支援コストがかさみ、営業利益や純利益が前年同期から減少したため、同社の株価は下落したと考えることができます。

次に今後の株価の推移について考察していきます。

都心にも小売店を展開しているホーム・デポとは異なり、地方により店舗を展開している同業他社であるロウズ・カンパニーは新型コロナウイルス感染症が蔓延する中、ホーム・デポの既存店売上高6.4%増を大幅に上回る11%増を記録しています。

感染者数の増加が止まらないアメリカにおいて、ソーシャルディスタンスの確保が難しい都心部の店舗を持つホーム・デポが思うように売上高を伸ばすことは難しいと考えることができます。

また同社の株価は新型コロナウイルス感染症の影響が出始める以前の水準まで回復しており、ここからさらなる株価の大幅な上昇は見込みにくいと考えることができるのではないでしょうか。

参考元

The Home Depot Announces First Quarter Results

The Home Depot Q1’s Earnings Call

The Home Depot Q1 FY2020 performance


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