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KDDIの決算情報と今後の株価の動き

KDDI(株)は東京に本社を置く、日本の大手電気通信事業者です。

主な事業内容としては、通信サービスやライフデザインサービスを提供するパーソナルセグメント、多様な価値観を持つパートナーとの連携による新たなビジネス価値の創出をネットワーク・テクノロジー・ノウハウにおってサポートするビジネスセグメント、国際通信ネットワークによりビジネスや暮らしにおける快適なコミュニケーション社会を支えるグローバス事業が挙げられます。

本記事ではKDDI(株)の2020年3月期決算情報の概要と詳細、今後の株価の推移について見ていきます。

同社の通信事業における競合他社としてNTTドコモやソフトバンクグループが挙げられます。

総務省が発表した2019年第三四半期における電気通信サービスのシェアによると、移動系通信においてNTTドコモは38.1%、ソフトバンクグループは22.9%であるのに対して、KDDIグループは27.5%となっており、業界内で2位に位置していることが分かります。

決算発表前におけるKDDI(株)の株価等のデータ

KDDI(株)は2020年3月期決算を2020/5/14の日本市場閉場後に発表しました。

発表直前である5/14の同社の株価の値動きについて見てきます。

5/14の始値は3,145円であり、その日は日中大きな動きなどはなく、終値は始値と同じ3,145円となっています。

次に同社の今までの株価の値動きについて見ていきます。

同社の株価は2012年頃から1,000円未満の株価から大きく上昇し、2016年ごろには3,000円台になりました。

その後は3,000円前後の水準で推移していました。

新型コロナウイルス感染症による世界経済の悪化が発生する直前である2月上旬の株価は3,300円前後でしたが、3月中旬には2700円前後まで下落しました。

その後同社の株価は回復し、3月下旬以降は3,000円強で推移しています。

また同社の5/15時点での時価総額は7兆4548億円であり、日経平均株価及びTOPIX Core30の構成銘柄の一つとなっています。

KDDI(株)の決算情報

概要

KDDI(株)が2020/5/14に発表した2020年3月期決算の概要は以下の通りです。

売上高 5兆2,372万円 前期比3.1%増
営業利益 1兆252万円 前期比1.1%増
親会社の所有者に帰属する当期純利益 6,954万円 前期比0.8%減
希薄化後一株当たり当期利益 275.69円 前期比6.4%増

売上高と営業利益は前期と比較して微増していますが、当期利益は微減となっています。

また希薄化後一株当たりの当期利益は6%強の増加と、売上高等の増加率よりも大きくなっています。

この結果に対して同社は、当期のおける売上高は、端末販売収入が減少したものの、エネルギー事業やauじぶん銀行(株)の連結子会社化による金融事業等、ライフデザイン領域の拡大による収入の増加等により増加したと述べています。

営業利益に関しても、売上高の増加に伴う売上総利益の増加などにより増加したとしているほか、親会社の所有者に帰属する当期次利益も同様の理由において増加したとしています。

業界動向と同社の状況について、5G・AIビックデータをはじめとした技術の進展により本格的なデジタル化が進み、データにさらなる価値を見出す「データ駆動型社会」へと変容しているとし、それに対して同社は通信サービスを中心に、成長事業を拡大していくことで、事業戦略の核となる「通信とライフデザインの融合」をより一層推し進め、国内はもとよりグローバルにおいても5G/IoT時代における新たな価値創造を実現していくとしています。

また5/15時点での同社の配当利回りは3.79%となっており、高水準であると言えるとともに、19期連続での増配となりました。

詳細

次にセグメント別の状況について見ていきます。

まずパーソナルセグメントについて見ていきます。パーソナルセグメントでは、個人の顧客向けのサービスを提供しています。

事業内容としては、「au」ブランドによるスマートフォン・携帯電話サービスを中心に、コマース・金融・エネルギー・エンターテインメント・教育などが挙げられます。

当期における同セグメントのトピックスとしては、スマートフォン向け料金プランである「auデータMAXプラン」の提供を開始したほか、5Gの商用サービスとなる「au 5G」を一部エリアにて提供を開始しました。

パーソナルセグメントにおける業績は以下の通りです。

  • 売上高…4兆5,680億円(前期比3.3%増)
  • 営業利益…8,843億円(前期比1.3%減)

概要でも述べたように、端末販売収入が減少したものの、エネルギー事業収入の増加に加えて、auじぶん銀行(株)の連結子会社化による金融事業収入の増加等により、売上高3.3%を達成することができたとしています。

一方営業利益に関しては、前期と比較し、端末販売の粗利減少や減価償却費、販売関連費用の増加等により、前期と比較して1.3%減少しました。

また2019年3月期から2022年3月期までの中期目標に対しての進捗はライフデザイン領域では49%、決算・金融取扱高では134%と、順調に進捗しています。

次にビジネスセグメントについて見ていきます。

ビジネスセグメントでは、日本国内及び海外において、幅広い法人のお客様向けに、スマートフォン等のデバイス、ネットワーク・クラウド等の多様なソリューションに加え、「TELEHOUSE」ブランドでのデータセンターサービス等を提供しています。

また、5GやIoT等の技術を活用し、パートナー企業との連携により、顧客のビジネスの発展・拡大に貢献するソリューションをワンストップで提供することで、顧客のデジタルトランスフォーメーションを共創しています。

当期における同セグメントのトピックスとしては、法人向けIoTデータ通信の累計回線数が昨年11月に1,000万回線を突破し、国内外でIoTを拡大させていることなどが挙げられます。

またビジネスセグメントにおける業績は以下の通りです。

  • 売上高…9,235億円(前期比4.2%)
  • 営業利益…1,475億円(前期比20.8%)

当期の売上高は、採算性の低い事業の整理等により収入が減少したものの、ソリューション収入、エネルギー事業収入の増加により、4.2%増加となったとしています。

営業利益は売上高の増加に加えて、通信設備使用料・アクセスチャージ・端末販売原価等の減少により、20.8%増加したとしています。

また2019年3月期から2022年3月期までの中期目標に対しての進捗は、ビジネスセグメントでは33%、IoT累計回線数では35%と順調な進捗となっています。

今後の見通し

また同社は2021年3月期の連結業績予想も示しており、同社の示した業績予想は以下の通りです。

売上高 5兆2,500億円 当期比0.2%増
営業利益 1兆300億円 当期比0.5%増
親会社の所有者に帰属する当期利益 6,400億円 当期比増減なし
基本的1株当たり当期利益 278.27円 当期比1%増

新型コロナウイルス感染症による影響で多くの企業が減少予想もしくは業績予想を発表しないことを選択している中で、微増とはいえ増加予想を出していることは好材料だと言えるでしょう。

決算発表後におけるKDDI(株)の株価の推移

5/14の終値が3,145円であったのに対して5/15の始値は3,200円と1.7%上昇しています。

日中は始値と同水準で推移していましたが、終値は3,165円と始値から微上昇した株価となりました。

新型コロナウイルス感染症による経済の悪化を受け、多くの企業の決算において減益となっている中で、売上高の増加や次期決算での増収予想を行ったことが決算後の株価の上昇に寄与したと考えることができます。

同社は通信サービスを提供する企業であり、ディフェンシブセクターです。

ここ数年3,000円強の横ばいで推移しており、短期的に大幅な株価の上昇は見込みにくいですが、また同時に大幅な下落もないと予想することができるのではないでしょうか。

参考元:KDDI(株) 2020年3月期 決算短信

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