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【米国株動向】低迷していた石油株が4月に上昇した理由

モトリーフール米国本社、2020511日投稿記事より

信じられないような話ですが、石油・ガス探査/掘削企業のキャロン・ペトロリアム(NYSE:CPE)、ダイヤモンドバック・エナジー(NYSE:FANG)、EOGリソーシズ(NYSE:EOG)の株価は4月にそれぞれ、71.5%、66.2%、32.3%上昇しました。

しかし、こうした上昇も年初来の下落を打ち消すには程遠く、年初来で見ると各社の株価はキャロンが83.3%、ダイヤモンドバックが54.4%、EOGは38.3%下落しています(執筆時点、S&P500指数は年初来で9.3%下落)。

3社の株価急落は、3月に原油価格が50%落ち込んだことが原因です。

原油価格が下落する前の3月1日から、大半の石油関連銘柄の株価が底打ちした18日までの間に、3社の時価総額は半分以上失われました。

最も大きな痛手を負ったキャロン・ペトロリアム(同期間に株価が81%下落)は先ごろ、同業のカリッゾを買収したことで多額の負債を負っています。

バランスシート上の保有現金1,330万ドルに対して、長期負債は32億ドルに上り、同社への投資はリスクが高いと言えます。

ダイヤモンドバック・エナジーは間の悪いことに、2019年に配当をほぼ2倍に引き上げ、保有現金1億4,900万ドルに対して負債は54億ドルに膨れ上がっています。

これら2社と比較すると、EOGリソーシズは52億ドルの負債を抱えていますが保有現金も29億ドルあり、かなり健全な状態にあります。

しかし、同社の2019年の生産量の93.6%を米国のシェール油田が占めますが、シェールオイルは生産コストが極めて高く、WTI原油価格が20ドルを割り込むと採算割れは必至です。

この状況はキャロンやダイヤモンドバックも同様です。

案の定、3社は2020年のリグ稼働数、生産量、設備投資計画の削減を発表しました。

今後の見通し

その後、投資家に以下の点が明らかになった結果、これら3社の株価は3月の安値から反発しました。

・3社とも経営破綻の可能性は低い。

・WTI原油価格が記録的安値から反発している。

・ダイヤモンドバックとEOGは、少なくとも現時点で減配の公算は小さい(キャロンは無配)。

3社の中ではキャロンの上昇率が最大でしたが、それでも株価は依然1ドルを割り込んでいます。

長引く原油安と先日の債務交換提案を受けて、同社の負債水準をめぐる懸念が再浮上しています。

ダイヤモンドバックも負債が懸念視されていますが、ヘッジや既存のパイプライン契約を活用することで、今年いっぱいは何とか持ちこたえ、減配もなさそうです。

しかし、そうしたヘッジもいずれ効力がなくなり、市場が精彩を欠く中で巨額の債務がなくなるわけでもありません。

3社の中では最も規模が大きく安定しているEOGは、原油価格が30ドルでも採算が見込まれる油井約4,500本を特定したことを明らかにしましたが、先日発表した第1四半期決算は散々な結果で、1株当たり利益(EPS)は予想を97%も下回りました。

要するに、企業の株価変動に関わらず、米国のシェールオイルは依然としてリスクが高く、収益性が低いということです。

エネルギー関連に投資するなら他に目を向けたほうが良いかもしれません。

【米国株動向】注目すべき米国エネルギー・セクター3銘柄


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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者John Bromelsは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、記事で言及されている株式を保有していません。

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