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ソニーの決算と今後の株価の値動き

ソニーはみなさんご存知の通り、東京に本社を置く、日本の多国籍複合企業です。

同社の事業領域は、ゲーム&ネットワークサービス、音楽、映画、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション、イメージング&センシング・ソリューション、金融など多岐にわたっています。

分類としては電機メーカーに分類される同社の国内における競合他社としては、日立製作所、パナソニック、三菱電機などが挙げられます。

各社の2018年度の売上高は、日立製作所が94,806億円、パナソニックが80,027億円、三菱電機は45,199億円であり、ソニーは86,657億円と業界内では国内2位となっています。

本記事では同社の2020年3月期決算の情報と、今後の株価の動きについて見ていきます。

決算発表前におけるソニーの株価等のデータ

ソニーの2020年3月期決算は2020/5/13の日本市場閉場後に発表されました。

決算発表前にあたる5/13の株価の値動きを見ていきます。

5/13の始値は7,015円であり、その後日中は大きな値動きはなく、終値は7,069円となっています。

次に同社の今までの株価の値動きについて概観していきます。

同社の株価は2016年頃から継続的に上昇しており、2019年初頭には一時下落しましたが、その後は持ち直し、2020年の2月上旬頃まで再び上昇を続けていました。

しかしながら新型コロナウイルス感染症による世界経済の悪化を受け、3月中旬ごろには5,800円前後まで下落しました。

その後同社の株価は順調に回復し、5/13の終値は7,000円前後となっており、日経平均株価の下落幅に対する回復率よりも10%ほど高くなっています。

また同社の5/14時点での時価総額は8兆5676億円となっております。

ソニーの決算情報

概要

ソニーが発表した2020年3月期決算の概要は以下の通りです。

売上高及び営業収入 8兆2,599億円 前期比4.7%減
営業利益 8,455億円 前期比5.5%減
同社株主に帰属する当期純利益 5,822億円 前期比36.5%減
一株当たり同社株主に帰属する当期純利益 471.64円 前期比-251.77円

売上高及び営業収入と営業利益は前期と比較して5%前後の減少にとどまっていますが、同社株主に帰属する当期純利益は40%近く減少しており、大幅な減少となっています。

また、一株当たりの同社株主に帰属する当期純利益は35%ほど減少しており、大幅な減少であると言えるでしょう。

これらの結果に対して同社は、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野やゲーム&ネットワークサービス分野の大幅な減少により、売上高が減少したとしています。

また、新型コロナウイルス感染症による影響としては、中国にある4つの自社工場やマレーシアにある2つの自社工場、イギリスにある自社工場などの稼働が停止したことなどがあるとしています。

詳細

次に同社の決算を分野別セグメントで見ていきます。ゲーム&ネットワークサービス分野における業績は以下の通りです。

  • 売上高…1兆9,776億円(前期比14%減)
  • 営業利益…2,384億円(前期比23%減)

この大幅な減収は、プレイステーションプラス(以下PS Plus)での増収はあったものの、プレイステーション4のハードウェアの減収、ゲームソフトウェアの減収及び為替の影響によるものだとしています。

新型コロナウイルス感染症による同分野への影響としては、ゲームソフトウェアのダウンロード売上や PS Plus 及びプレイステーション ナウ(PS Now)の会員数が大幅に増加したほか、プレイステーション5の一部検証作業や生産ラインなどに制約があるものの、必要な対応策を講じており、2020年の年末商戦に向けて準備をしているとしています。

音楽分野における業績は以下の通りです。

  • 売上高…8,499億円(前期比5%増)
  • 営業利益…1,423億円(前期比39%減)

売上高の増収は、EMI Musicを連結したことによる音楽出版における売上の増加やストリーミング配信の売上が増加したことなどによる音楽制作の増収によるものだとしています。

また営業利益の大幅な減少は前年度におけるEMI Musicの持ち分約60%の取得にともなう持分法投資損失116億円を計上したこと、前年度におけるEMI Musicの連結子会社化による再評価益1,169億円を計上したことなどによるものだとしています。

映画分野における業績は以下の通りです。

  • 売上高…1兆119億円(前期比3%増)
  • 営業利益…682億円(前期比25%増)

売上高の増加は、全世界での劇場興行収入が増加したこと及びテレビ番組作品のライセンス収入が増加したことによるものだとしています。

営業利益の大幅な増加は、チャンネルポートフォリオ見直しの効果および映画製作におけるカタログ作品の収益性の改善などによるものだとしています。

新型コロナウイルス感染症による同分野への影響としては、全世界での映画館の閉鎖などによる映画興行ビジネス全体への影響や人の移動の制限による映画及びテレビ番組作品の制作スケジュールの遅れ、広告収入の大幅な減少などが挙げられます。

エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野における業績は以下の通りです。

  • 売上高…1兆9,913億円(前年比14%減)
  • 営業利益…873億円(前年比14%増)

売上高の減少はスマートフォンやテレビなどの販売台数減少や為替の影響によるものだとしています。

営業利益の増加は、オペレーション費用の削減やモバイル・コミュニケーションにおける長期性資産の減損損失の減少によるものだとしています。

新型コロナウイルス感染症による影響としては、各工場の閉鎖及び稼働率の低下による生産状況の悪化のほか、世界的な販売店舗の閉鎖・休業により店頭売上が大幅に減少したことなどが挙げられます。

イメージング&センシング・ソリューション分野における業績は以下の通りです。

  • 売上高…1兆706億円(前期比22%増)
  • 営業利益…2,356億円( 前期比64%増)

売上高、営業利益の大幅な増加は、製品ミックスの改善や販売数量増加にともなうモバイル機器向けイメージセンサーの大幅な増収などによるものだとしています。

金融分野

  • 売上高…1兆3,077億円(前期比2%増)
  • 営業利益…1,235億円(前期比15%減)

一時払保険を主とする保険料収入が増加したことによる売上高の増加があったものの、株式相場の下落や金利の低下などにともなう責任準備金繰入額の増加及び資産運用損益の悪化により営業利益は減収となりました。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、現時点で合理的な算定が困難であることを理由に、同社は2020年度の業績見通しを未定としました。

ただ2020年度セグメント別営業利益試算は発表し、それぞれ2019年度本決算と比較して40%~75%ほどの営業利益になると予想しています。

また連結ベースでは3割程度の減益になると試算しています。

決算発表後のソニーの株価の推移

5/13の終値が7,069円であったのに対し、発表翌日の5/14の始値は6,819円と4%ほど下落していました。

その後大きな変化はなく、5/14の終値は6,794円と始値よりやや下落した結果になりました。

これは同社の2019年度決算における売上高や営業利益の減少及び純利益の大幅な減少のほか、2020年度業績見通しの悪い予想により下落したと考えることができます。

今後の同社の株価の推移としては、新型コロナウイルス感染症の収束までは大幅な上昇は見込みにくいと言えるでしょう。

また年末商戦に向けて準備を進めているプレイステーション5が予定通り販売できるかどうかやその販売台数にも注目していきたいところです。

短期での大幅な上昇などは見込めませんが、年末以降の同社の株価の推移には注視していくべきだと言えるでしょう。

参考元:ソニー(株) 2020年3月期 決算短信

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