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トヨタ自動車(株)の決算から見る今後の株価の値動き

トヨタ自動車はご存じの通り、愛知県に本社を置く日本の最大手自動車メーカーです。

同社には自動車事業だけでなく、トヨタファイナンシャルサービス(株)が行う金融事業やトヨタホーム(株)が手がける住宅事業なども展開しています。

主な競合企業としては、昨年の販売台数1097万台のVW(フォルクスワーゲン)、1015万台のルノー・日産・三菱自動車連合、771万台のゼネラル・モーターズ社、719万台の現代自動車グループ(ヒュンダイ)などです。

トヨタ自動車の昨年の販売台数は1074万台であり、世界第2位の販売台数を誇っています。

本記事では、トヨタ自動車(株)の2020年3月期決算の情報と同社の株価の推移について見ていきます。

決算発表前におけるトヨタ自動車の株価等のデータ

トヨタ自動車(株)は2020年度3月期決算を2020/5/12の13:10に発表されましたので、5/11から5/12の13:00までの株価の値動きについて見ていきます。

5/11の始値は6620円でその後5/12の13:00までは大きな値動きはなく、5/12の13:00時点での同社の株価は6622円となっていました。

次に同社の今までの株価の値動きについて概観していきます。

同社の株価はリーマンショック以降、2012年頃までは3,000円前後で推移していましたが、2012年から2015年にかけて続伸し、8000円台にまで上昇しました。

その後はやや落ち着き6000~8000円の間で推移していました。

2019年末から2020年初頭にかけては7000円台後半で推移していましたが、新型コロナウイルスによる世界経済の悪化に伴い2月中旬から下落し、3月末には6000円前後になりました。

その後はやや回復し、現在は6,500円前後で推移しています。

日経平均株価は下落幅に対して60%ほど回復していますが、同社の株価は新型コロナウイルスの下落幅に対して30%ほどしか回復しておらず、回復がやや鈍いと言えるでしょう。

5/13時点での同社の時価総額20兆8310万円となっており、日経平均225の構成銘柄のひとつとなっています。

トヨタ自動車(株)の決算情報について

概要

トヨタ自動車(株)が5/12に発表した2020年3月期決算の概要は以下の通りです。

売上高 29兆9300万円 前期比1%減
営業利益 2兆4429万円 前期比1%減
当期純利益 2兆5546万円 前期比11.8%増
当社株主に帰属する当期純利益 2兆762万円 前期比10.3%増

売上高、営業利益は1%減少しているものの、純利益は10%近く増加していることが分かります。

また、一株当たりの当社株主に帰属する当期純利益は735.61円となっており、前期の650.55円は85.06円増加しています。

同社は営業利益の主な増減要因を以下の通り挙げています。

  • 販売面での影響…-900億円
  • 為替変動の影響…-3,050億円
  • 原価改善の努力…1,700億円
  • 諸経費の増減、低減努力…450億円
  • その他…1,554億円

販売面においてもマイナスの影響がありますが、グローバル企業である同社においては為替変動による影響のほうが大きいことがわかります。

また、当連結会計年度における日本、海外を合わせた自動車の連結販売台数は895万8000台であり、前連結会計年度に比べて0.2%減少しました。

日本での販売は224万台と0.6%増加した一方、海外での販売台数はアジアおよび北米での販売台数が減少したことにより、前連結会計年度から0.5%減少し、671万9000台となっています。

詳細

次に事業別セグメントの状況を見ていきます。

自動車事業

売上高26兆8,635億円 前期比0.8%減
営業利益2兆523億円 前期比0.7%増

金融事業

売上高2兆1,905億円 前期比1.7%増
営業利益2,921億円 前期比9.5%減

その他の事業

売上高1兆5,045億円 前期比10.2%減
営業利益966億円 前期比8.4%減

自動車事業での営業利益の増益は、原価改善の努力および諸経費の減少・低減努力などによるものであるとしています。

また金融事業における営業利益の減益は、販売金融子会社において、貸倒関連費用が増加したことなどによるものだとしています。

また次に所在地別の状況について見ていきます。

日本

  • 売上高16兆4,615億円…前期比1%減
  • 営業利益1兆5,679億円…前期比7.3%減

北米

  • 売上高10兆6,387億円…前期比1.7%減
  • 営業利益2,706億円…前期比136.3%増

欧州

  • 売上高3兆3.608億円…前期比3.8%増
  • 営業利益1,505億円…前期比20.6%増

アジア

  • 売上高5兆3,386億円… 前期比3.2%減
  • 営業利益3,709億円…前期比18.9%減

その他の地域

  • 売上高2兆1,125億円…前期比9.5%減
  • 営業利益907億円…前期比0.4%減

同社はこの結果に対して、日本、アジアでの営業利益の減益は為替変動の影響によるものであるとしており、また北米での営業利益の増加は営業努力によるもの、欧州での営業利益の増加は販売台数の増加によるものであるとしています。

今後の見通し

同社は今後の見通しとして、世界の自動車市場は、全体として2020年4月から6月を底に徐々に回復し、2020年の年末から2021年の前半にかけて、前年並みに戻るとしているものの、影響は広域かつ甚大で、深刻であり、当面は弱い動きが続くと予想しています。

これらの予想を前提に同社が発表した次期の連結業績の見通しは以下の通りです。また為替レートは1米ドル105円、1ユーロ115円を前提としています。

営業収益 24兆円 前期比19.8%減
営業利益 5,000億円 前期比79.5%減

営業収益、営業利益ともに減少予想となっており、営業利益は80%減少の予想となっております。

また、新型コロナウイルスの収束時期によっては今後変動する可能性があるとしています。

決算発表後のトヨタ自動車(株)の株価の推移

同社の2020年3月期決算は2020/5/12の13:00に発表されました。

発表直後から同社の株価は続落し、5/12の終値は6,520円、5/13の始値は6,412円、5/13の終値は6,384円となっており、5/13の終値は発表直前から4%ほど下落しています。

当期の決算自体はそこまで悪い結果ではなかったものの、同社が発表した次期の連結業績の営業利益が前期比80%減少の予想であったことを受け、同社の株価は続落したと考えることができます。

今後の同社の株価の値動きとしては、今回の決算で発表された次期の業績予想が大幅な減益予想であることから、同社事業や世界経済の好材料が市場に出てこない限り、大幅な上昇は期待しづらいと言えるでしょう。

したがって、しばらくの間は下落もしくは横ばいの推移が続くと考えることができるのではないでしょうか。

参考:トヨタ自動車 2020年3月期 決算短信

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