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Huluの株式組入比率が変わることで、その未来はどう変わるのか

モトリーフール米国本社、2018年12月12日投稿記事より

Huluは、ウォルト・ディズニー、21世紀フォックス、コムキャスト、NBCユニバーサル、AT&TがNetflixに対抗するために共同で立ち上げたオンデマンド型の動画配信サービスです。

しかし、立ち上げから十数年が経った現在、Huluの未来は疑問視されています。

ディズニーの21世紀フォックス買収とHuluに対する新たな脅威

ディズニー(ティッカー:DIS)が21世紀フォックス(ティッカー:FOXA)を買収したことで、ディズニーがHuluの過半数を握ることになりました。

Huluの保有比率はディズニーが60%となり、コムキャスト(ティッカー:CMCSA)が30%、AT&T(ティッカー:T)が10%と続きます。

ディズニーは21世紀フォックスを買収したことで、自力でNetflixに対抗するのに必要な態勢が整いました。

ベライゾンとディズニーが長期間にわたる契約交渉の結果、合意に至った理由

ディズニーは2019年に新しい動画配信サービスであるDisney+をリリースする予定です。

そのサービスはNetflixだけでなく、明らかにHuluとも競合します。

Disney+の特徴は、当たり前ですが、ディズニーと21世紀フォックスの独自コンテンツを配信することです。

動画配信事業で利益を最大化するには、できるだけ多く自前のコンテンツを利用することが必要です。

ディズニーの利益最大化のための最善の策は、独自の動画配信プラットフォームで、独自のコンテンツを独占配信することです。

しかし、これは合弁事業であるHuluがディズニーのコンテンツを使えなくなることを意味します。

コムキャスト、AT&T、そしてHuluの未来

ディズニーが合弁事業のHuluではなくDisney+に、独自のコンテンツのライセンスを与えようとするのはもっともなことです。

Huluはこれを受け入れ、ディズニー以外の親会社のコンテンツに頼るしかありません。

しかし、Huluにライセンス供与することは、コムキャストとAT&Tにとってどれだけのメリットがあるでしょうか。

コムキャストは、ディズニーと21世紀フォックスがそれぞれ30%を保有する別会社であったとき、平等なパートナーでした。

しかし今となっては、ディズニーはHuluの過半数を保持しています。

つまり、コムキャストがライセンス供与してHuluが得た利益の一部は、Huluに競合するサービスを運営するディズニーの懐に入ることになるのです。

HuluのライブTVサービス

これまでは、Huluの動画配信サービスについて見てきました。

これから、Huluのもう一つの事業であるライブTVを見てみましょう。

Huluの加入者数2000万人のうち、80万人はライブTVに加入しています。

ライブTVは今後の大きな成長要因になりつつあり、Huluのランディー・フリアーCEOは、Huluの加入者数が今年末までに2,300万人に達するとの見通しを示しています。

ライブTVの加入者数が第3四半期に50万人増加したことが、Hulu全体の加入者数増加を加速させています。

これにより、状況はより複雑になります。

HuluのオーナーであるAT&Tは、ライブTVと競合するDirecTV Nowを運営しています。

DirecTV Nowの加入者数は186万人で、ライブTVの80万人を大きく上回っています。

しかし、ライブ TVの加入者数がフリアーCEOのコメントの通り急成長すれば、両者の差は縮まるでしょう。

ライブTVの将来に対する最大の脅威は、スポーツ番組がライブTVから離れていき、ディズニーが所有するESPNがスポーツの生中継を独占してしまうことです。

Huluの加入者数とその価値

Huluは、2017年に加入者が500万人増えるなど急成長し、2018年には加入者数2,000万人を突破しました。

加入者数はNetflixに及ばなくとも、Huluには明るい未来が待っているように思われたものです。しかし、現在のHuluは厳しい立場にあるといえるでしょう。

ディズニーの最近の動向を見る限り、Huluを廃止するつもりはないようです。

ディズニーとしては、Huluを廃止せず、持ち分をコムキャストに売却する方が現実的だと思われます。

こうすれば、ディズニーが独自コンテンツの開発資金を得られると同時に、コムキャストはDisney+やNetflixに対抗するプラットフォームを得ることができます。

しかし、ディズニーは今のところHuluを売却したくはないようです。

おそらくDisney+のリリースが間近に迫っているため、競合するプラットフォームに力を付けたくないのでしょう。

一方で、ディズニー以外にもAT&Tやアップルが独自の動画配信サービスを開始する予定であり、Huluの価値は来年にはより低くなっていることが予想されます。

Huluの未来

一つだけ明確なことがあります。

物事が続いていくためには、常に変わり続ける必要があるということです。

ディズニーがHuluとDisney+の両方に別々のコンテンツを提供するのでは、と推測する人もいるようですが、その可能性は低いと考えられます。

Huluは将来的にディズニーから売却される可能性が濃厚で、その際にはコンテンツ契約の解消でもめることが予想されるからです。

現時点では、Huluの将来に対する疑問点が山積みだと言わざるを得ないでしょう。


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