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バフェット銘柄、コストコの強さを分析

日本でもすっかり定着しているコストコ・ホールセール(NASDAQ:COST)、実際に行ったことのある方も多いかもしれませんが、コストコは世界中で会員制の大型量販店チェーンを展開しており、現在はアメリカを中心に783店舗(執筆時現在)まで拡大しています。

始まりは「プライスクラブ」という屋号で1976年、カリフォルニア州サンディエゴにある飛行機格納庫でスタートしました。

その後、合併と社名変更を経て現在の形に至るのが1999年、この年に米国のナスダックに上場しています。

またコストコはウォーレン・バフェットが保有しているバフェット銘柄としても有名です。そんなコストコの強さについて今回は分析していきましょう。

事業モデル

コストコの事業モデルは、年会費を払って会員になる会員制システムによって利益を生み出しています。

また小売業者を通さない卸売販売網を構築しており、消費者に商品を原価近くで販売することを実現しています。

ここでは会員制システムと利益を生み出す構造について細かく見ていきましょう。

コストコ会員の種類

コストコ会員は下記価格(税抜)の通り3種類に分類されます。

  • 個人会員(ゴールドスターメンバー) 4,400円
  • 法人会員(ビジネスメンバー) 3850円
  • エグゼクティブ会員 9000円 (2019年9月から)

そしてエグゼクティブ会員、もしくはコストコグローバルカードでお支払いをすると、年間利用額に対して「リワード」というコストコの買い物で使えるポイント(1リワード1円)が付与されます。

またコストコのメンバーズカードは世界中のコストコで利用出来るだけでなく、家族カードが1枚無料で付いてきます。

この家族カードは住所が一緒であれば名字が異なる場合でも問題ありません。

会員制こそ利益の源泉

コストコは原価率90%という他の小売店では考えられない安さで販売しており、沢山売っても利益はほとんど出ません。

ではどこで利益を出しているのかというと、会員費です。

この会員費がそのままコストコの利益と直結しているのです。

つまり、コストコにある商品の売上で利益を出すビジネスモデルではありません。

コストコを体験したことがある方は分かると思いますが、コストコの店内空間は大きな倉庫のように天井も高いので、沢山の商品が並んでいると思いがちですが、実は約3000種類と通常のスーパーよりも少ない商品構成となっています。

その分、大量注文をするので、いかに売れるもの厳選しているのか、その的確なデータ分析もコストコの強みでしょう。

その分、いかに商品がお得であるかを徹底することでユーザーの満足度を高め、会員の退会を防いでいます。

また会員は1度退会すると1年間は再入会できないことと、同じ住所に住んでいる18歳以上の家族は新規入会ができません。

退会するとコストコの格安ガソリンスタンドが使えない等のデメリットを考えると、相当な理由がない限り退会までには至らず、それが会員の定着率や増加率へと繋がっているのです。

現在、発表されているコストコ会員数は約9540万人ですが、毎日確実に会員数は伸びているはずです。この会員数がコストコの安定した経営基盤を支えています。

地域別売上高と売上構成

地域別の売上高構成(2018年通期)は米国が全体の72.2%(1022億8600万ドル)、カナダが全体の14.6%(206億8900万ドル)、その他の地域13.1%(186億100万ドル)となっています。

それぞれ前年同期比で米国8.9%増、カナダ10.2%増、その他13.7%増と好調であることが分かります。

カテゴリー別の売上高構成は食品/雑貨(Food and Sundries)41%、生活用品(Hardlines)16%、生鮮食料品(Fresh Food)14%、衣料品(Softlines)11%、その他(Ancillary)18%となっており、コストコといえば毎日使う生活必需品を主力商品として提供していることを数字からも改めて実感できます。

またコストコの出店条件が「半径10キロ圏内の人口50万人以上」であることから、今後も日本だけでなく世界中に出店していくことが予想され、それに伴い売上高も急速に増加していくはずです。

バフェットも脅威を感じたコストコ・プライベートブランドの強さ

あのバフェットすら脅威を感じたコストコのPB(プライベートブランド)といえば「カークランドシグネチャー」です。

四半世紀にわたってコストコが育ててきた成果が他のブランドシェアを奪う勢いを見せています。

例えばバフェット銘柄で有名なクラフト・ハインツもカークランドとの競争にとても苦しんでいます。

実際、カークランドはクラフト・ハインツの全ブランドよりも50%以上売れており、そのクオリティの高さと価格の手頃さでコストコ会員に圧倒的に支持されています。

コストコのカークランドへの比重は大きく、結果として従来の大手食品ブランドの牙城が揺らぎ始めています。

コストコの躍進はPBのクオリティの高さと比例していると言っても過言ではないでしょう。

直近の株価とキャピタルゲイン

執筆時点のコストコの株価は300ドル~310ドル付近で推移しています。

配当利回り0.90%、EPS 8.04ドル、配当金は1株あたり2.8ドルです。

また2020年4月15日に増配を発表しました。

これによりコストコの連続増配年数は17年となり、このまま増配が続くことで将来的な配当貴族銘柄(25年増配)の仲間入りが有力視されています。

まとめ コストコに死角はあるのか?

コストコは食料品チェーンとして世界2位の売上高ですが、1位はウォルマートです。

コストコとウォルマートはそもそも経営戦略が異なるので一概に比較することは難しいですが、注目するポイントはウォルマートの売上高がコストコの3.5倍もある点です。

つまりコストコは同セクターにおける成長曲線の途中にあり、まだまだ開拓する余地が大きいことを示しています。

今後も店舗数の増加と共に増収増益していく可能性が極めて高いと言えます。

またウォルマートと比べて大きな弱点でもあったECサイトも改善されつつあり、それに加えて、3世代でショッピングを気軽に楽しめることもコストコならではの強みではないでしょうか。

アマゾンの出現と共に多くのスーパーが倒産しましたが、その分、ウォルマートなどの勝ち組食料品チェーンは来店数が増加しました。

これと同じように、コストコもPBブランドのさらなる強化によってアマゾンのように様々な産業を吸収する日がやってくるかもしれません。

コストコのビジネスの原点でもある「品質・低価格・清潔で安全な環境の追求」が今後も続くならば、コストコは世界のあらゆる都市での出店に成功するのではないでしょうか。

また会員制ビジネスは新型コロナウィルスなどの有事の際にとても強く、今後、コストコの強さはさらに強固なものとなるはずです。


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免責事項と開示事項 記事の作者、鈴木林太郎は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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