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【米国株動向】配当利回り8%以上の米国配当株3選

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2020330日投稿記事より

配当銘柄の有望性と危険性

投資家は市場センチメントがあっという間に変化するのを目の当たりにしました。

当初、ウォールストリートでは中国での新型コロナウイルス感染拡大を気に留めていませんでしたが、2月中旬になって自国にも健康や経済の面で深刻な影響があることに気付きました。

その後、株価は乱高下し、5週間足らずで市場全体の指数は3分の1以上下落しました(執筆時点)。

株価の下落に伴い配当利回りは上昇していますが、これは有難いことであると同時に潜在的なリスクでもあります。

一般的に言って、配当銘柄は無配当の上場株をたやすくアウトパフォームする傾向にあります。

JPモルガン・アセット・マネジメントのレポートによれば、1972年から2012年の間に配当を開始し、増配した銘柄の年率リターンは平均で9.5%でした。

一方で、典型的な無配当銘柄は同1.6%でした。

この数字だけを見ても、新型コロナウイルスによる株価下落で、収益性の高さが実証されている配当銘柄に投資家が注目するのは当然といえるでしょう。

ただし、配当利回りが上昇すればするほど、投資のリスクがより高くなるという調査結果もあります。

利回りは株価に対する配当支払い額なので、苦しい事業モデルに伴う株価下落とその結果の利回り上昇でも、インカム投資家は多額の現金が支払われる銘柄を獲得したと誤った期待をしてしまいますが、実際は利回りの罠に陥っただけなのです。

このことから、私が独断で「8%以上の年間利回りを持つ」と定義している超高配当銘柄は、特にリスクが高く、特段の注意を払う必要があります。

しかし、コロナによる株価下落後でもお買い得にみえる3つの超高配当銘柄があります。

これらの銘柄は信頼できるだけでなく、獲得した配当を再投資すれば長期的に利益を上げることができるでしょう。

アルトリア・グループ:配当利回り9.2

たばこメーカーへの投資とは意外かもしれません。

なぜならば、ブランドたばこのマルボロで知られる米アルトリア・グループ(NYSE:MO)などのたばこ大手は、成人の喫煙を減らそうとする各国の保健当局と争っているからです。

現在、米国における成人の喫煙率は史上最低水準で、同社にとっては芳しくない兆候かもしれません。

しかし、注目できる点もあります。

ニコチンの常習性は同社のセールスポイントの一つです。

米国で成人の喫煙率が激減し、2019年のたばこの総出荷量は7.3%減少したにも関わらず、同社全体の売上は消費税抜きベースで前年から1%近く増加しました。

理由は、米国のブランドたばこ市場で43%のシェアを占めるマルボロやその他の自社製品に対し著しい価格決定力を持つためです。

また、同社の株主対応は非常に優れています。

長年にわたり一貫して自社株買いを行い、発行済み株式数を減らすことでEPS(一株あたり利益)を高めてきました。

昨年、アルトリアは8億4,500万ドルで1,650万株を買い戻し、2020年には5億ドルの自社株買いを行う予定です。

同社は競合他社と同様に、たばこ以外の事業にも投資をしています。

昨年3月にカナダの医療用大麻生産会社クロノス・グループ(NASDAQ:CRON)の45%の株式を18億ドルで取得したほか、加熱たばこのIQOSを米国の様々な市場で販売開始しています。

現在の配当利回りが9%を超える(執筆時点)同銘柄は、安全な超高配当銘柄といえます。

モバイル・テレシステムズ:配当利回り11.6

ロシア通信大手のモバイル・テレシステムズ(NYSE:MBT)も注目すべき銘柄です。

ロシアは無線通信の混雑率が最も高い国の一つで、さらに同国通貨のルーブルは安定的とは言えません。

しかし、どちらの懸念も同社の多くのプラス面からするとたいしたことではありません。

最大の成長ドライバーは、今後予定されているインフラの第5世代移動通信システム(5G)へのアップグレードでしょう。

インフラの改良には時間がかかりますが、収益性の高いデータ関連事業にとって、著しいデータ使用量の増加は何よりも重要です。

同社はロシアの主要都市内外で多年度にわたり5Gへのアップグレードを行う予定で、ワイアレスの成長を牽引するでしょう。

もう一つの成長ドライバーは、単なる無線事業者という枠を超えて事業を拡大していることです。

同社は法人向けクラウドサービス、衛星テレビ、MTS銀行を通じた貸付も行っています。

2019年末時点でMTS銀行の総資産は18%伸び、貸付金残高は44%近く伸びました。

無線事業に比べると収益への貢献度はまだ低いですが、MTS銀行の2019年の純利益は前年からほぼ倍増しました。

利益率は安定しているものの成長が緩慢な無線事業を、これらの付随的なビジネスが下支えすることを模索しています。

現在、予想利益に基づく来年のPER(株価収益率)は8倍で、12%の配当利回りを誇る同銘柄はインカム投資家が信頼できる海外企業です。

バレロ・エナジー:配当利回り8.6

長期的に見て投資家に富をもたらしてくれる超高配当銘柄の3つ目は、米国最大の独立系石油精製会社バレロ・エナジー(NYSE:VLO)です。

2020年に入り、同社および石油精製の同業他社は打撃を受けました。

サウジアラビアとロシアの間で起きている価格戦争が米WTI原油先物価格を18年ぶりの低水準に押し下げました。

原油価格の下落に加え、新コロナウイルスによる外出禁止などの措置が石油精製品の需要を世界的に大幅に押し下げたことにより、アップストリーム(生産、販売)、ミッドストリーム(輸送)、ダウンストリーム(精製)を含む石油業界全てに打撃を与えました。

しかしながら、バレロにとっては見た目ほど悪化していないかもしれません。

石油精製品の需要が短期的にはある程度縮小することは疑う余地がありませんが、その他のデータは楽観的です。

例えば、米エネルギー情報局のデータによれば、1月末からガソリンの総バレル量は継続して減少していますが、これは人々が依然として車を運転し、ガソリンを必要としていることを示す典型的なパターンです。

さらに、精製会社は原油価格の低下から恩恵を受ける傾向があります。精製会社は原油を購入して利用可能な製品に加工する事業を行うので、WTI価格の低下は仕入れコストの減少を意味します。

一方で、原油価格の低下は一般的に個人や企業の需要増加につながります。

つまり数カ月もすれば精製品の需要は復活し、同社に大きな利益成長をもたらすでしょう。

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配当利回りが高く安定した値動きの株は、安定した配当収入をもたらし、株価の乱高下からストレスを受けずに、株を保有し続けることができます。また、多くの米国株は四半期毎に配当を支払うので、リタイヤ層に向いています。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Sean Williamstは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、ファクトセット・リサーチ・システムズ株を保有し、推奨しています。

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