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ソニーは不採算のスマホ事業を抱える中で、どのようにスマホ市場から利益を得るのか

モトリーフール米国本社、2019年1月4日投稿記事より

ソニーのスマートフォン事業は、同社の金食い虫となっています。

エクスペリアのシェアは世界のスマートフォン市場の約1%しか占めておらず、販売すればするほど赤字が生じる状況です。

前四半期、ソニーのモバイル通信事業部門の売上高は全体の5%を占めました。

しかし、営業損失が前年比で32%拡大し、唯一の不採算事業部門となりました。

多くのアナリストは、ソニーがより有望なビデオゲーム事業の成長に焦点を合わせるために、スマートフォン市場から撤退するだろうと予想しました。

しかし、ソニーはこれらの噂を繰り返し否定しています。

自社のスマートフォンを販売することは、IoT市場での成長につながるというのがその理由です。

今のところ、投資家はソニーの他の部門の成長がスマートフォン部門の損失を相殺すると希望的観測を持つことしかできません。

ソニーの健全な事業の1つは、同社の半導体部門であり、その売上の大部分はモバイル機器用のイメージセンサーから生み出されています。

同社は全世界のスマートフォンの約半分にイメージセンサーを供給しており、そのトップ顧客はアップル(ティッカー:AAPL)、サムソン(ティッカー:SSNLF)、グーグル、ファーウェイなどです。

ソニーは、カメラ用のイメージセンサーで市場から最高の評判を得ています。

ですから、自社のスマートフォンがヒットしていなくても、成長するスマートフォン市場から安定した利益を生み出すことができます。

ソニーの半導体事業

ソニーの半導体事業は、前四半期に売上の12%、営業利益の20%を生み出しました。

同事業の売上高は、イメージセンサーの堅調な需要に支えられて年間で11%増加しましたが、営業利益は、設備投資の増加により3%減少しました。

ソニーは、2020年までイメージセンサー需要の増加に対応するために事業規模を拡大する予定です。

従って、設備投資が引き続き上昇するため、フリーキャッシュフローはマイナスのままであると見込んでいます。

イメージセンサー需要は、顔認識のマルチセンサーカメラや3Dカメラ、高品質の写真、拡張現実アプリの登場によって加速されるはずです。

ソニーはまた、そのイメージセンサーに最適なアプリを作成するためのソフトウェアも提供します。

ソニーは最近、アップルのような主要顧客のために、次世代3Dセンサーの生産を加速すると述べました。

2019年の夏には、チップの量産を開始する予定です。

ソニーはこの部門の販売見通しや生産目標を公表していません。

しかし、3Dセンサー事業は黒字であり、2019年度には当部門の利益が拡大するだろうと発表しました。

ソニーの発表は、スマートフォン市場においては珍しい強気の見方です。

同社の予想は、アップルに3Dセンシングレーザーダイオードを提供するルメンタム(ティッカー:LITE)の強気な予想によっても裏付けられました。

しかし、IT専門調査会社IDCは、2019年のスマートフォンの年間出荷台数は、2018年の約3%の伸びに対し、2.6%にとどまると予想しています。

コンテンツシェアの増加と隣接市場への進出

前四半期のカンファレンスコールで、ソニーの十時裕樹CFOは、スマートフォンの需要鈍化が半導体部門に「影響を及ぼした」と認めました。

しかし、マルチメディア機器や3Dカメラのコンテンツシェアの増加は、その需要鈍化を相殺できると示唆しました。

十時裕樹CFOはまた、半導体部門は最終的にはIoTや自動車市場向けのイメージセンサーやチップを生産することになると述べました。

これは、ソニーの半導体部門への投資が2019年度と2020年度に開始されることを示唆しています。

そして、その利益を再投資することでこれらの市場に拡大し、最終的にはスマートフォンへの依存を減らしていく予定です。

スマートフォンメーカーよりも優れたサプライヤー

ソニーは、サムスンのようにコンポーネントサプライヤーからスマートフォンメーカーになるという目覚しい進化をたどることができませんでした。

しかし、ソニーは大手スマートフォンメーカーのコンポーネントサプライヤーとなることができました。

そして、飽和状態のスマートフォン市場において他社と衝突することなく、モバイル市場の成長から利益を得ることに成功しています。


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