The Motley Fool

あなたが見込んでいるその利益は一体どこからくるの?

株式投資に限らず、相場全般において「必ず」押さえておかなくてはいけないポイントがあります。

それは、あなたが今まさに手に入れようとしているその見込み利益は、「一体どこからもたらされるものであるのか?」という点です。

言い換えると、「利益の源泉は何か?」ということになります。

これは「投資」(Investment)であるか「投機」(Speculation)であるかを問いません。

売買という名の元に行われる経済行為であればすべてが対象となります。

通常のビジネスであれば、利益の源泉は「価値の提供」です。

お客様に価値を提供する代わりに対価を得る。

提供するものは食料や工業品、サービスなどいろんな形態がありますが、それらに価値があると認識されて初めて、その見返りとして対価を受け取ることができます。

逆に本人にとってどんなに素晴らしい価値があったとしても、お客様(他人)から価値として認められないと永遠に対価を手にすることはできません。

それでは相場における「利益の源泉」とは何でしょうか?

ビジネスと同じ「価値の提供」なのでしょうか?

与える価値は「投資」と「投機」で違う

価値の提供という観点から言うと、「投資」が提供しているものは「資本」であり、「投機」が提供しているものは「流動性」になります。

資本の対価は、株主の議決権や配当金(インカムゲイン)をもらう権利(株主優待も広義ではここに含まれます)を含めた企業そのものです(通常はその一部分になりますが)。

それは将来的には、その企業が生み出していく価値を世の中に提供することによって、世間から受け取る対価の蓄積に置き換えられます。

それが、その時点の参加者の売買を通して数字として表されたものが「株価」であり、継続的に企業価値が増大(『通常であれば』株価上昇)していればインカムゲインにプラスしてキャピタルゲインも得ることができます。

※もちろん反対に損をするキャピタルロスの可能性もあります。

ただしキャピタルゲインはオマケ的なご褒美だと筆者は思っており、株価がいくら下がっても気にならない、逆にそうなった時はよりインカムゲインの魅力が増す(配当利回りの圧倒的な向上)ポジションが株式投資の本道ではないかと最近思っています。

つまり「投資」(ここでは株式投資)における「利益の源泉」とは「継続的な企業価値の増大」と言うことができます。

それでは「投機」における「利益の源泉」とは何でしょうか?

先ほど「投機」が提供しているものは「流動性」と言いましたが、「流動性の対価とは?」と言われても何が何やら分かりにくいですね。

※この項についてはいずれ機会があれば触れます。

「投資」と「投機」の違い

ちょっと別の角度から考えてみましょう。

そもそも「投資」と「投機」の違いは何でしょうか?

一般的には、目先の値動きに囚われず「長期」的に運用するものが「投資」で、デイトレード(日計り)やスキャルピング(数秒~数分くらい)に代表される「短期」売買が「投機」である、と解釈されているように見受けられます。

※数日~数週間のスウィングトレードも「短期」に含まれます。

時間軸で分けることも必ずしも間違いとは言えませんが、ポジションの保有期間が数年におよぶ「投機」も存在するので、本質を間違える危険性を考慮するとここでは違った選別法を採用したいと思います。

先ほど投資における利益の源泉とは「継続的な企業価値の増大」と言いました。

その中の説明で「企業価値の増大」は「『通常であれば』株価上昇」と表現していますが、実はここにヒントが隠されています。

「企業の価値が増大する時、通常であれば株価は上昇する」ということは、裏を返せば「企業の価値が増大していても『株価が下落』することがある」ということになります。

なぜそのようなことが起きるのでしょうか?

企業価値が増大しても『株価が下落』するわけ

パターンとしては2つあります。

1つは、本来持っている価値以上に大幅に買われ過ぎたため、その後企業価値がその時点よりも増大したにも関わらず、それよりももっともっと下にある本来的な価値のレベルまで価格が下がっていく「元々買われ過ぎていた」パターン。

もう1つは、市場全体の雰囲気につられて売られたり、どうしても売らなくてはいけないホルダーが値にかまわず売りに出した際に適正価格に買い手がいない時など、本来の価値をよりも「売られ過ぎた」パターン。

このように株価というものは、常に正しい「絶対的な価格」というものが存在するのではなく、参加者のそれぞれの将来予想を織り込みながら適正な価格を探して往ったり来たり、時には行き過ぎたり戻りすぎたりしてしまう習性を持っています。

というよりも、構造上そういう作りになっています。

投機とは「機に投じる」という字のごとく、このような株価の値動きの上下動の中でタイミングを見計らって買いや売りを建ててあわよくば利益を抜こうという行為です。

そこには「継続的な企業価値の増大」というものは考慮されていません。

デイトレードやスキャルピングといった時間軸では考慮しようと思ってもできません。

では投機とは一体どこから利益を得ようというのでしょうか?

投機は「ゼロサムゲーム」

答を先に言ってしまうと、投機の「利益の源泉」は、あなたの反対のポジションにいる「誰かの損失」なのです。

投機は「ゼロサムゲーム」(正確に言うと手数料の支払いがあるのでマイナスサム)です。

トータルでゼロになるということは、誰かがプラスになればその反対側でマイナスになる人がいるということ。

ここが一番重要な所ですが、「誰かがマイナスにならないとあなたはプラスになれない」ことになります。

上のパターンに当てはめると、パターン1で「ファンダメンタルから見て明らかに高すぎる」という理由から空売りをして利益を上げる売り方の「投機」がいる一方で、本来持っている価値以上に大幅に買い進んでしまった「投機」の買い方がいたわけです。

またパターン2では、下げたという事実を以てチャートを手掛かりに新たに参入する売り方の「投機」の反対側に、割安からのリバウンドを狙う「投機」の買い方が存在するのです。

もちろん現実のマーケットはこんなに単純ではなく、「ファンダメンタルだ!テクニカルだ!」、「バリューだ!グロースだ!」、「パッシブだ!アクティブだ!」、と言いながら短期・中期・長期・超長期(塩漬け含む)のいろんな時間軸で参入したり撤退したりする、大小さまざまな投資家や投機家が入り乱れています。

誰があなたのために損をしてくれるのか?

既に述べたように「投資」は「資本」という価値を提供する代わりに「継続的な企業価値の増大」(≒株価の上昇)という対価を得ます。

しかし「投機」には「継続的な企業価値の増大」は伴いません。

一時的な株価の値上がりに便乗して利益を得ることはできますが、「投機」というグループ全体で見た場合、大きな時間の流れの中では「勝ち逃げ」をしない限り、時に暴落という強権を行使されてプラスとマイナスの凸凹はほぼ均等にならされます。

結局のところ、「投機で利益を得よう」という行為は、「誰かが損をする」という前提を抜きにして成立しません。

ではどこの誰があなたのために喜んで損をしてくれるのでしょうか?

それともあなたは誰かのために損失を喜んで受け入れる人ですか?

つまり「投機」とはそういうことです。

その部分をクリアしない限り投機で「利益を計上し続ける」ことはできません。

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