MENU

2019年エネルギー株はどうなる?注目すべき米国5大エネルギー企業について解説

モトリーフール米国本社、2018年12月28日投稿記事より 

国際エネルギー機関によると、世界のエネルギー需要は2017年に2.1%上昇しました。

米国エネルギー情報局(以下「EIA」といいます。)によると、このエネルギー需要は、2040年までに25%増加すると予想されています。

エネルギー需要の増加に伴い、エネルギー会社の株式は、長期的には上昇する可能性を秘めています。

しかし、エネルギー全体の需要は増加していますが、すべてのエネルギー株式が上昇するわけではありません。

原油価格は2017年まで上昇しましたが、2018年末にかけて急落しました。

一方、天然ガス価格は、気温が下がるにつれて2018年末にかけて急上昇しました。

このような予測不能なボラティリティがあるのがエネルギー株式の特徴です。

投資家がエネルギー企業を選択する際には、エネルギー業界について十分に理解する必要があります。

原油価格の下落にも負けない。米国の石油株について解説

石油株:シェール株の合併の流れが引き続き強くなっている

エネルギー株とは何か?

エネルギー株とは、エネルギー部門で事業を行っている株式公開企業のことです。

大きくは、燃料と電力の2つのカテゴリに分類されます。

これには、石油、天然ガス、石炭、ガソリンなどの燃料を生産、輸送、または処理する会社と電力を生成または配給する会社が含まれます。

投資家は、これらの企業の状況と利益についてしっかりと把握する必要があります。

燃料のカテゴリでは、石油やガスを生産する企業は、その価格が高いと利益を生み出す傾向がありますが、価格が下落すると損失を被る可能性があります。

そのため、このような株式への投資家は、ボラティリティに慣れる必要があります。

その一方で、パイプライン、加工工場、および貯蔵輸出ターミナルを運営する中流の石油およびガス会社は、石油およびガスの輸送を必要とする会社と長期契約を締結するため、着実にキャッシュフローを生み出す傾向があります。

また、製油所や石油化学プラントなどの下流の会社は、比較的ボラティリティが低いため、リスク許容度の低い投資家に適しています。

電力カテゴリもいくつかの種類に分けられます。

一部の企業は、固定価格契約で消費者に電力を販売する発電施設を所有しています。

一方、電柱と電線を保有する会社は、発電施設から顧客に電力を送る送電線を運営しており、電力が電線を通過する際に安定した収入を生み出します。

最後に、公益事業者は、家庭や企業に電力を供給する地域の配電網を運営するために発電所や送電線を所有しています。

一部の公益事業者はまた、天然ガスを顧客に配給し、そのためのパイプラインを運営しています。

また、ソーラーパネルや風力発電などの発電設備を製造している企業もエネルギー株式の範囲に含まれます。

2019年のエネルギー市場の見通しは?

2018年11月中旬、EIAは、2019年にはブレント原油価格が1バレル当たり72ドルになると予測しました。

一方、WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)はブレント原油価格より7ドル安い65ドルになると予想されています。

また、EIAの見解では、2019年に米国の石油供給量が1日当たり120万バレル上昇すると予想されています。

EIAはまた、米国のガス生産量は1日当たり896億立方フィートにも上り、過去最高となると予想しています。

天然ガスの生産量の増加を後押しするのは、特にペンシルベニア州とウェストバージニア州の一部にまたがるシェールガス層です。

シェールガスは、液化天然ガス(LNG)輸出ターミナルから、海外に出荷されます。

輸出も増えますが、ガスは米国の発電に不可欠な燃料であり続けるでしょう。

EIAはエネルギー市場に占める天然ガスのシェアが、2018年の35%から36%まで増加すると見ています。

一方、石炭のシェアは28%から26%に減少するでしょう。風力と太陽光が石炭のシェアを奪っているのです。

この予測では、2019年はエネルギー株にとって良い年になる可能性があることを示唆しています。

たとえば、石油生産会社は、原油が60ドル台半ばになればかなりの利益が得られます(ただ現状の原油価格は低迷しているので、EIA予測は下方修正を迫られるかもしれません)。

そして、再生可能エネルギー会社にとっても良い年となると思われます。

しかし、石炭会社にとっては厳しい状況が続くでしょう。

エネルギー業界のトップ企業

これから、エネルギー業界のいくつかのサブセクターから、市場を上回る売上を生み出す可能性がある5つの株式をご紹介します。

これらの株式の多くは、魅力的な配当利回りも提供しています。

 

銘柄 ティッカー 配当利回り エネルギーセクター
Occidental Petroleum  (NYSE:OXY) 4.4% 石油
Enterprise Products Partners  (NYSE:EPD) 6.5% 中流(ガス輸送)
Antero Resources  (NYSE:AR) 0% 天然ガス
TerraForm Power  (NASDAQ:TERP) 6.6% 再生エネルギー
Brookfield Infrastructure Partners  (NYSE:BIP) 4.9% 送電線、パイプライン

※リンクはモトリーフール米国本社のサイトへ飛びます。

石油株のトップ:Occidental Petroleum

Occidental Petroleum(以下「Occidental」)は、ヒューストンを拠点とする会社で、2016年からヴィッキ・ホラブCEOによって率いられています。

彼女の下、Occidentalは、十分な現金を生み出すことができるように、経営の改善に取り組んでいます。

同社は、1バレルあたり40ドルの低い原油価格でも操業を継続することが可能です。

2018年の大半を通して原油価格が上昇したこと、およびその中流ビジネス資産の一部を売却したことにより、同社は50億ドルのキャッシュフローを生み出しました。

同社は、より多くの石油井を掘削するためにそのうち11億ドルの資金を割り当て、自社株買いに20億ドルを使用することを計画していました。

2019年、Occidentalは生産量を10%以上増加させると同時に、配当金と自社株買いを通じて50億ドル以上の現金を投資家に還元する予定です。

来年、原油価格が上昇すれば、同社は投資家により多くの資金を還元することができます。

同社は、50ドルの原油価格であっても、2022年までに年間5%から8%の生産量の増加が可能であると述べています。

投資家に多くの資金を還元しながら、力強く成長し続けるOccidentalは、2019年の理想的な石油株といえます。

原油価格が下落しても耐えられる力があり、石油価格が上昇すれば成長します。

中流(パイプライン)株のトップ:Enterprise Products Partners

Enterprise Products Partners(以下「Enterprise」)は、米国で最大のパイプラインの一つを運営しています。

通常、天然ガスの生産企業は、パイプラインで天然ガスを輸送する際に、同社に料金を支払います。

これにより、同社は高い配当を支払い、追加の中間資産を構築するための安定したキャッシュフローを得ることができます。

2017年から2018年にかけて、同社は61億ドルのパイプライン拡張プロジェクトを実行しました。これにより、2019年に成長投資を行うための十分な利益を得ることができます。

2019年と2020年には60億ドル規模の成長投資を行う予定であり、今後数年間でキャッシュフローは順調に増加するものと思われます。

2019年、Enterpriseは投資家により多くの現金を還元する可能性が高いため、低リスクの株式を探している人にとっては魅力的といえます。

天然ガス株のトップ:Antero Resources

2019年の天然ガス価格は、生産量が伸びているため、やや下落する可能性があります。

しかし、天然ガス生産者であるAntero Resources(以下「Antero」)は、2019年に生産する全てのガスをMMBtu(百万英熱量)あたり3.50ドルで販売する契約を結んでいるため、価格変動の影響を受けません。

そのため、デンバーを拠点とする同社は、自らの成長計画に自信を持っています。その計画により、1株当たりの生産量が拡大することになるでしょう。

Anteroは、その資金の大部分を使って株式を買い戻す予定です。

同社は、2018年10月に6億ドルの自社株買戻し計画を発表しています。

一方、2019年に生み出されるフリーキャッシュフローを考えれば、2020年初めまでに13億ドルの自社株を買い戻すことができます。

さらに先を見てみると、天然ガス価格が安定すれば、2022年までに35億ドルもの現金を投資家に還元する可能性があります。

これは、2018年11月下旬のAnteroの時価総額の70%に相当します。

この多額の株主還元は同社の株価を引き上げる可能性があるため、成長投資家にとってもバリュー投資家にとっても魅力的な投資先となるでしょう。

再生可能エネルギートップ株:TerraForm Power

TerraForm Power(以下「TerraForm」)は、北米、南米、そしてヨーロッパ全域で、風力と太陽光を発電する施設を運営しています。

同社は、長期契約の下で非常に安定したキャッシュフローを生み出しています。

TerraFormは、その配当を通じて、キャッシュフローの80%から85%を投資家に還元することを目指しています。

また、同社はキャッシュフローが増加した分を、再投資するつもりです。

同社は、2022年までに1株当たりキャッシュフローを5%から8%増加させることができるものと思われます。

同社は、再生可能エネルギーに関する発電資産を取得する予定があり、それにより、配当成長率が加速する可能性があります。

同社は、2018年にスペインとポルトガルの風力および太陽光資産を12億ドルで購入し、当初計画を6%上回る配当を達成しました。

2019年には少なくとも一桁台の配当の増加が見込まれるため、TerraFormは配当投資家やエネルギー会社に投資をしたい人にとって最適な選択肢といえます。

公益事業トップ株:Brookfield Infrastructure Partners

Brookfield Infrastructure Partners(以下「Brookfield」)は、世界最大のインフラ資産運用会社です。

その利益の大部分は公益事業から得ていますが、同社は港、有料道路、そして鉄道のような輸送資産も保有しています。

また、通信塔やデータセンターなどのデータインフラ資産、天然ガスパイプラインや加工工場などのエネルギー資産も保有しています。

同社の公益事業は、ヨーロッパと南アメリカのおよそ650万の顧客に電力と天然ガスを配給しています。

同社の公益事業セグメントには、ブラジルの天然ガスパイプライン、南北アメリカの送電線も含まれています。

また、同社はオーストラリアでも石炭輸出ターミナルを運営しています。

Brookfieldの公益事業が際立っているのは、安定したキャッシュフローを生み出せるということです。

同社のキャッシュフローの80%以上が、長期契約によって支えられています。

一方、同社は、ブラジルでの新たな送電線の建設を含む約10億ドルの拡張プロジェクトに、投資しており、2022年までに年率1桁台半ばの成長を見込んでいます。

同社は、公益事業関連資産を追加で取得することで、その成長を加速させることができます。

同社は、2018年初頭にコロンビアで2番目に大きいガス配給公益事業を買収しました。

この取引により、同社は2019年に20%の利益の拡大を見込んでいます。

これらの新たな買収は、少なくとも2022年までに1株当たり利益を6%から9%増加させる原動力となるとの見方があります。

また、これは同社の配当を年間5%から9%増加させる助けとなることでしょう。

2019年のエネルギー関連ETF

エネルギーセクターは投資家にとって不安定なものになる可能性があります。

そのため、投資家は、2019年にはエネルギー投資へのより広範なアプローチの採用を検討したいと思うかもしれません。

そのための1つの方法は、ETFにより複数の会社の株式を保有するというものです。

検討すべき1つの選択肢は、Vanguard Energy ETF(ティッカー:VDE)で、2018年末には140以上のエネルギーストックが含まれていました。

このETFは、Occidental やAnteroのような石油およびガス生産会社を含みます。

この投資は、間違った株を選ぶリスクを軽減しながら、投資家にセクター全体へのエクスポージャーを得る簡単な方法を提供します。

一方、クリーンエネルギーに焦点を当てたい投資家は、再生可能エネルギーに焦点を当てた30社の株式を保有するiShares Global Clean Energy ETF(ティッカー:ICLN)がお勧めです。

その中には、風力タービンとソーラーパネルの製造業者、そして再生可能な発電資産を運営するTerraFormのような企業が含まれます。

何十ものクリーンエネルギー会社に投資することによって、このETFは投資家が誤った株を選ぶのを避けることができます。

2019年は安定したエネルギー株式への投資がおすすめ

EIAは、2019年はエネルギー価格の堅調な年になると予想していますが、それは確かではありません。

ですから投資家は、エネルギー価格が急落した場合でも成長できるエネルギー株に注目する必要があります。

例えばOccidentalは、40ドルの原油水準で事業を営むことができます。

一方、再生可能エネルギー発電所、公益事業など、エネルギー価格のボラティリティに直接さらされていない企業も、来年に向けて良い選択肢となります。

リスクが低く、底堅い収益を生み出しているため、2019年がエネルギー株にとって逆風であった場合であっても、その打撃を和らげることができます。


フリーレポート配信

モトリーフールの日本進出にあたって日本の投資家、また、これから投資を始めたい方に向けて「株式投資にどう臨むか -スペシャルフリーレポート-」を配信しております。

こちらは無料レポートです。ここからアクセスできます。

ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。公式ツイッターアカウント@motleyfooljp公式フェイスブックアカウントをフォローする。

最新記事