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【米国個別株動向】ブロードコム収益向上の鍵は、買収先のCAテクノロジーズが握る

モトリーフール米国本社、2018年12月10日投稿記事より 

半導体メーカーのブロードコム(ティッカー:AVGO)は、今年初めに189億ドルを費やして、企業向けコンピューター向けソフトウェアを手掛けるCAテクノロジーズ(以下「CA」)を買収しました。

この計画の狙いは、世界で有数の企業や団体が名を連ねるCAの顧客基盤を手に入れ、ブロードコムの製品を売り込むことでした。

ブロードコムはまた、収益性の向上を目指して、CAのビジネスモデルを大幅に変えようとしています。

ブロードコムのホック・タンCEOが第4四半期のカンファレンス・コールで説明するところによると、CAのビジネスモデルの転換は複数年をかけて実施され、最終的にはCAの年間営業利益は25億ドルを超える見込みです。

新規顧客の開拓は不要に

タンCEOによると、新しい顧客を開拓し新しい製品を販売する時代は終わりました。今後CAが注力すべきターゲットは、既存の企業顧客です。

つまり、既存の顧客に既存の製品を更新させるとともに、追加的に別の製品も売り込むのです。

この方針転換の第一の利点は、大幅なコスト削減です。

既存の顧客への更新・拡大モデルのコストは、従来の新規顧客開拓モデルよりも大幅に低い」とタンCEOは語りました。

ブロードコムの計画では、CAの年間売上高を35億ドルとし、年間営業費用を9億ドル以下にとどめることを目標としています。

これにより、CAの年間営業利益は2018年度の約11億ドルから約25億ドルに増加することが見込まれます。

2018年度の営業費用が27億ドルであったことを考慮すると、これはかなり大幅なコスト削減だといえるでしょう。

ブロードコムの既存の顧客は、「事実上、世界最大の企業群とITを使う大規模な団体だ」とタンCEOは語ります。

CAの売上高の70%以上は上位顧客500社から得られるもので、その多くは何十年もの間CAと取引しています。

新規顧客を獲得するために多額の費用をかけることには、それほど意味があるとはいえません。

企業向けのメインフレーム・コンピューターは簡単に入れ替えができるものではなく、非常にコストもかかるため、既存の顧客を維持することはそれほど難しいことではありません。

例えば、メインフレーム・コンピューターのハードウェアの第一人者IBMは、多くの企業と50年以上にわたって取引を続けており、現在顧客からのシステム更新をたくさん受注しています。

つまり、ブロードコムがCAの顧客基盤を維持するのに多額の費用は必要ないということです。

また、ブロードコムは、より多くのCAの製品を顧客に使ってもらうため、CAのライセンスモデルの刷新を計画しています。

タンCEOは以下のように述べています。

今後、主要な顧客では、製品ごとの硬直的で無期限のライセンスモデルから、CAの製品すべてを使用可能とするライセンスモデルに切り替えを進める予定です。これにより、高価な前払い費用に対する抵抗感がなくなり、顧客がCAの新たな製品を使用するための追加費用が下がりますので、非常に競争力が高くなります

新しい収益源

上記のようなビジネスモデルの刷新には、顧客ごとに契約更新のタイミングが異なることから、2~3年かかるとタンCEOは述べています。

ビジネスモデルの刷新に成功すれば、かなりの利益の押し上げ効果が期待できるでしょう。

ブロードコムは現在、無線通信関連事業で苦戦を強いられています。

スマートフォンの需要後退により、無線通信関連事業の見通しは厳しくなっており、第4四半期の売上高は5%減となりました。

もし旧型iPhoneが予想以上の販売を達成しなかったとしたらこの数字はもっと弱くなっていたことでしょう。

このような状況下でも、2019年のブロードコムの一株当たり利益は2桁の伸びとなる見込みです。

たとえ無線通信関連事業が予想より厳しい状況になっても、CAの収益性向上が成功すればブロードコムの利益も伸びていくかもしれません。


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