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【米国個別株動向】マリオット・インターナショナルのカンファレンスコールから分かった将来性

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2018年11月29日投稿記事より 

マリオット・インターナショナル(以下「マリオット」ティッカー:MAR)は11月に第3四半期決算を発表しました。

そこでは、2019年の成長が若干減速するとの見通しが示されました。

以下では、経営陣がカンファレンス・コールで語った、重要なテーマや来季の見通しについて見ていきましょう。

ロイヤルティ・プログラムの統合

ロイヤルティ・プログラム統合によるプラスの効果が既に出始めています。

ロイヤルティ・プログラムの会員総数は現在1 億2,000 万人にのぼります。

ロイヤルティ・プログラム統合後のデータを見ると、会員からの予約の増加、豪華な会員特典の使用回数の増加、ダイレクトチャネルからの予約の増加が明らかとなりました。

‐CEO アーン・ソレンソン

スターウッドとの合併後、マリオットはようやく8月18日に両社のロイヤルティ・プログラムの統合を完了しました。

旧プログラムからの切り替えには混乱もあり、完璧ではありませんでした。

統合直後は、コールセンターへの問い合わせが通常より35%多かったそうですが、ソレンソンCEOによると、現在はわずか2~3%増に落ち着いてきました。

マリオットの発表によると、ロイヤルティ・プログラムの統合が完了してから、ロイヤルティ会員からの予約数が増加しており、より高単価な予約やダイレクトチャネルによる予約も増加しているそうです。

ロイヤルティ・プログラム統合による影響に関しての定量的なデータは、次の四半期決算発表で明らかになるでしょう。

ダイレクトチャネルの重要性

一部の予約チャネルは、あまりコストパフォーマンスが高くありません。

北米では、ある特定の日の予約をどの予約チャネルに振り分けるかを決定する際に、これらのコストが考慮されるよう、システム変更を実施しました。

これにより、ピーク時にはオンライン旅行代理店からの予約が減少し、ダイレクトチャネルによる予約が増加しました。

‐CEO アーン・ソレンソン

オンライン旅行代理店は、ホテルの稼働率を上げるのに欠かせないチャネルである反面、マリオット独自の予約チャネル(ダイレクトチャネル)と比較すると、収益性が劣ります。

ソレンソン氏は、前述のシステム変更の結果、第3四半期にはオンライン旅行代理店からの予約が前年並みとなり、北米では減少したと述べました。

これにより、一部屋当たり売上高は0.2%~0.3%上昇し、利益率の上昇要因となりました。

ソレンソンCEOがカンファレンス・コールの後半で説明したように、アジアを中心とするレジャー目的の利用がメインの地域では、稼働率を上げるためにオンライン旅行代理店に依存しています。

それとは対照的に、オンライン旅行代理店からの予約を減らし、ダイレクトチャネルによる予約増加が最も期待できるのは北米地域です。

北米地域では、ビジネス客の割合が大きいのに加え、ロイヤルティ会員数が多く、ブランド認知度が高いため、ダイレクトチャネルからの予約増加が期待できるのです。

北米地域での成長について

2019 年については、米国のGDP 成長率は2018 年より若干減速すると思われます。

景気が好調に推移しているにもかかわらず、熟練した下請け業者の人手不足、建設費の増加、金利の上昇などにより、米国の宿泊施設供給の伸びは来年緩やかになると見込まれています。

2019 年の北米地域での団体顧客売上は、会議スペースが不足することを考慮すると、やや高い程度の水準にとどまる可能性があります。

‐CEO アーン・ソレンソン

マリオットは、まだ2019年度のガイダンスを発表していませんが、一部屋当たり売上高の成長率は北米地域では1%~3%、北米以外の地域では3%~5%、為替効果を調整したトータルでは1%~2%という見通しを公表しました。

筆者の同僚であるダン・キャプリンガー氏によると、これはかなり弱めな見通しであり、投資家を失望させたそうです。

しかし、上記のソレンソンCEOのコメントのように、マクロ経済の動向が、経営陣の見通しに大きく影響することを忘れてはいけません。

マリオットは、最終的な予算編成などの自身でコントロールできる部分を工夫することで、見通しを引き上げることができます。

株主は忍耐強く、次の四半期決算で発表される2019年のガイダンスを待つべきです。

売上リスクの低下

当社のビジネスモデルは、資産を軽くしてあるためリスク特性が低く魅力的です。

当社のキャッシュフローの大部分は、宿泊料金およびフランチャイズ料金から生み出されます。

そして、これらは通常ホテルの売上高の何割、という形で得られるものです。

-CFO リーニィ・オーベルグ

オーベルグCFOはカンファレンス・コールで、同社のビジネスモデルの利点を投資家に説明しました。

同社はブランドやその他の無形資産のライセンス供与、ホテル運営サービスなどを特徴とした資産・資本軽量型のモデルを採っており、大規模なホテル物件自体の所有はしていません。

オーベルグCFOは、この例としてタイムシェア事業にも言及しました。

タイムシェア事業は、かつてマリオットの営業利益の5分の1を占めていましたが、この事業を切り離し、マリオット・バケーションズ・ワールドワイドとしてスピンオフしたのです。

それ以来、マリオットは四半期ごとにマリオット・バケーションズ・ワールドワイドから固定のフランチャイズ料金を得ています。

また、オーベルグCFOは売上高の詳細も説明しました。

マリオットの売上高の大半は、ホテルの売上高の何割、という形で決定されており、ホテルの収益性(利益)に連動するビジネスモデルよりもリスクが低いのです。

さらに、ホテルの所有者への手数料は、マリオットの手数料売上高の20%にも満たない水準にとどまりました。

このことは、マリオットの売上リスクが過去数年間で大幅に低下したことを示しています。これこそが、経営陣が株主に知っておいて欲しいことです。

たとえ来年マリオットの成長が減速したとしても、株主はこれを念頭に置くべきでしょう。


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