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【米国株動向】ウォール街が嫌うモーゲージREITに「買い」到来か

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2020213日投稿記事より

一般にウォール街のアナリストが買いを推奨する銘柄数は売り推奨より多いですが、特定の業種(例えば石油ガス開発企業など)に対しては弱気姿勢であるようです。

モーゲージ不動産投資信託(REIT)も、ここしばらくウォール街から避けられてきた投資対象の一つですが、実際には買いの時期を迎えているようです。

モーゲージREITは、短期金利で資金を借り入れ、その金利より高い長期利回りの住宅ローン担保証券(MBS)等の資産に投資します。

この調達金利と運用金利の差が純金利マージンであり、金利差が大きければ大きいほどREITの利益は大きくなります。

一般にモーゲージREITは高いレバレッジをかけることで利益を確保しています。

モーゲージREITが強みを発揮するのは、低金利または金利が安定した環境下です。

借入金利が高かったり急激に変動する場合には、保有資産やレバレッジを調整して利益を最大化する機会を享受できないため、純金利マージンは縮小しがちです。

米連邦準備制度理事会(FRB)は2015年12月から2018年12月の間にFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を25ベーシスポイントずつ9回引き上げました。ウォール街ではそれまでの超低金利からの転換を前もって予想していたこともあり、モーゲージREITは5年近く金利マージンが縮小したことから、ウォール街からネガティブな評価を受けていました。

さらに、REITの場合、利益の大部分が配当として投資家に分配され、この高い配当利回りが投資家にとっては大きな魅力ですが、利益が小さくなれば当然配当額も減らされます。

実際に、トータルの配当利回りは依然高水準にあるものの、ここ数年は四半期の配当支払い額は減少傾向にあります。

また、REITの場合、資産取得のための資金調達の手段として、増資をするのが一般的です。

アナリー・キャピタル・マネジメント(NYSE:NLY)(以下、アナリー)は2019年1月に7500万株を発行し、7億3100万ドル(グロスベース)を調達しました。

増資は効果的な資金調達手段ではある一方で、最終的には既存株主の価値の希薄化につながります。

こうした一連の理由から、アナリーやAGNCインベストメント(NASDAQ:AGNC)(以下、AGNC)などの人気の高いREITに対して、ウォール街のコンセンサスの目標株価は現在の株価水準より低くなっているのが現状です。

確かに2010年代にはモーゲージREITは魅力的な投資対象ではなかったと言っていいでしょう。

グロース株が人気を集める一方で、貸し出し金利の上昇が見込まれる中でモーゲージREITの利ざやは縮小しました。

昨年8月後半には、長期金利が短期金利を上回るのが前提のモーゲージREITにとって、一時的ではあれ逆イールドという最悪のシナリオも発生しました。

しかし、買いの時期が到来しています。その理由の一つには、FRBが昨年の3回の利下げの後で現在は様子見を維持していることが挙げられます。低金利はモーゲージREITにとって好ましい環境ですが、金融政策の小休止や今後の方針のインパクトの大きさも重要です。FRBが慎重な姿勢を維持しており、かつ何らかの措置を実施する場合には前もって発表する方針でいる現状は、アナリーやAGNCにとって積極的に投資に出るチャンスと言えます。

また、過去の例からすると、逆イールドの後には長短金利差が安定して拡大する傾向にあることからも、純金利マージンの縮小に関しては、最悪の状況は脱したようです。

加えて、リセッション入りの可能性への懸念が高まっていることも好材料です。

アナリーとAGNCが投資対象とするのは、デフォルト(債務不履行)等の場合にも連邦政府が支払いを保証するエージェンシーMBSです。

エージェンシーMBSの利回りは非エージェンシー証券よりはるかに低いですが、レバレッジをかけることで利益を確保することが可能です。

AGNCのポートフォリオ構成は、2019年12月末時点で固定金利のエージェンシー証券が1055億ドル、非エージェンシー証券が16億ドルでした。

アナリーについては、9月末時点の証券残高のトータル1161億ドルのうち、エージェンシーMBSが1145億ドルでした。

さらに、モーゲージREITの中には、投資家が思っている以上に魅力的なリターンを提供して非常に高利回りとなるものがあることも、買いとする理由の一つです。

アナリーについては、株価はこの10年で46%下落していますが、配当込みのトータルリターンは81%です。

一方のAGNCは、株価は33%下落しましたが、トータルリターンは171%でした。

逆境の時期にもこのリターンをあげたことを鑑みると、今後5~10年間の純金利マージンが拡大すると予想するのであれば、大きな期待が持てます。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Sean Williamsは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、記事で言及されている株式を保有していません。

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