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【米国個別株動向】IBMは株価下落により配当利回りが上昇。事業再編の成功がカギ

モトリーフール米国本社、2018年12月29日投稿記事より 

International Business Machines(以下「IBM」ティッカー:IBM)は今年、ある記録を更新しました。

しかし、その記録は決してよい記録ではありません。その記録とは、株価が下落し、配当利回りが過去最高水準にまで上昇したというものだからです。

2018年6月のIBMの配当利回りは、過去20年間で最高の4.5%に達しました。

また、直近の株式の下落後、配当利回りは6%に近づいています。これは、1990年代のIBMの経営危機以降、最大の利回りです。

IBM株は、レッドハットの買収をきっかけに、間違いなくリスクが高まっています。

340億ドルの大規模な買収により、同社のバランスシートは多くの負債を抱えることとなりました。

しかし、同社は、買収により1年以内にフリーキャッシュフローが増加すると予想しています。

同社のプレスリリースによると、この買収は「着実な増配継続の一助となる」とのことです。

IBMの配当利回りは現在、通信業界とほぼ同程度となっています。

また、株式はその利益に対して非常に低い倍率で取引されています。

従って、同社にリスクはありますが、投資家はそのリスクに対して十分なリターンが得られているといえます。

株価は安い、でももっと安くなるかもしれない

現在、IBMの株価は1株あたり約110ドルで取引されています。(2018年12月29日時点)

これは、2013年の過去最高値から約50%下落しています。その約50%の下落のうち、今年だけで約30%下落しました。

そして、その下落の大部分は過去3か月間に発生しています。

同社の1株当たり1.57ドルの四半期配当は、年間5.7%の利回りになります。

同社は今年、1株当たり少なくとも13.80ドルの利益を生み出すと予想されています。

これを考慮すると、PERはわずか8倍ということになります。市場は、IBMの業績が好転する可能性はほとんどないと見ているようです。

一貫性のない成長

IBMは、新しいメインフレームとクラウドコンピューティングの成長に牽引されて、2017年末に売上の伸びを取り戻しました。

しかし、一部のレガシー事業の業績の低さにより、第3四半期の売上高は減少しました。

同社は、12月初めに問題のあるレガシー事業のいくつかを売却しています。

レッドハットの買収は、クラウドコンピューティング市場における同社の地位を強化するでしょう。

IBMは、ハイブリッドクラウド(社内のクラウドシステムと社外のクラウドシステムを併用すること)とマルチクラウド(複数のクラウドサービスを利用して、システムやサーバーを分散させること)に大きな賭けをしています。

他の企業も同社と同様の動きをしています。たとえば、Amazon Web Servicesは先月AWS Outpostsを発表しました。

これにより、顧客はオンプレミス(サーバーやソフトウェアなどの情報システムを企業が管理する設備内に設置し運用すること)であっても、Amazon Web Servicesのクラウド環境を利用することが可能になりました。

IBMの長期目標は、毎年の売上を1桁台前半で成長させながら、1株当たり利益を1桁台後半で拡大していくことです。

しかし、長い間その目標を達成した試しがなく、市場の方は、同社への堪忍袋の尾が切れているのでしょう。

株式を購入するのに最適な時期は、他の誰もが買いたいと思っていないときです。

株式のパフォーマンスが悪いことを考えると、IBM株式を買うことに関心がある人はほとんどいないと言ってよいでしょう。

しかし、それを同社の本源的な価値を反映していると考えるのは間違いです。

同社は、一時的な災害に見舞われているようなものです。

配当は持続可能ですし、保有していても大きな損害を被ることはないと思われます。

とはいうものの、当面IBMの株価の上昇は、ポジティブなニュースが出てくるのを待つしかなさそうです。


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