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米主要航空会社3社、中国への路線を確保するために競争が激化

モトリーフール米国本社、2018年11月13日投稿記事より

米国の3大航空会社、アメリカン航空(以下「アメリカン」)、デルタ航空(以下「デルタ」)、ユナイテッド・コンチネンタル航空(以下「ユナイテッド」)は、国際路線の割り当てをめぐる新たな戦いに乗り出しています。

3社は、残された数少ない北京と上海への路線をめぐり競い合っているのです。

奇妙なことに、3つの航空会社のいずれも、2020年6月までは中国行きの新しい便を追加する予定はないということです。

しかし、アメリカン、デルタ、ユナイテッドのすべてが長期的な戦略における中国路線の重要性を認識しています。

今すぐにではなく、中国へのフライトが利益を上げるようになった際に、フライト追加したいと考えているのです。

デルタとユナイテッド、中国路線の追加便を申請

デルタ(ティッカー:DAL)は先月下旬に、ミネアポリス空港から上海空港への日次運航便を2020年6月1日頃から運航開始することを申請しました。

これは、同社の国際線ハブ空港でのサービスの拡大を意味します。

デルタは、これまではデトロイト空港を、東海岸と中西部からのアジア行きのハブ空港としてきました。

しかし、ミネアポリス空港もデトロイト空港とほぼ同じ国際線出発便数を持ち、国内線の便数ではデトロイト空港を上回ります。

ミネアポリス空港をアジア便のハブ空港とすることで、ユーザーの利便性の向上を狙います。

来年4月には、デルタはミネアポリス‐ソウル間のフライトを開始します。

ソウルをハブ空港とする大韓航空との合弁事業により、数多くのソウル経由便が可能になりました。

同社はまた、上海にハブ空港を持つ中国東方航空と提携しているので、今回申請したミネアポリス-上海間のフライトでも同様のメリットが期待できます。

デルタが新しい上海路線の計画を明らかにしてから2週間と経たないうちに、ユナイテッド(ティッカー:UAL)も上海へのサービス拡大計画を発表しました。

2020年6月に、既存のニューアーク-上海路線に日次で1便追加するというものです。

これにより、ニューヨーク地域の旅行者にとって利便性が向上するでしょう。

アメリカン、中国での路線維持へ

現在、米国と中国間の合意によって割り当て可能な路線は、あまり多く残されていません。

一方で、アメリカン(ティッカー:AA)は最近、シカゴ-北京便と、シカゴ-上海便の無期限停止を決定しました。

これにより、米規制当局は、デルタとユナイテッドの両方に、申請を受けている上海へのフライトの許可を与られるようになりました。

しかし、アメリカンは少なくとも1年間は現在割り当てられている中国への路線を運行しないまま維持することを要求しています。

同社は、市況が改善すれば、シカゴから中国へのフライトを迅速に再開するとしています。

もし、アメリカンが中国路線を維持できれば、他社が中国という戦略的に重要な路線でサービスを拡大する余地が制限されることになるでしょう。

但し、シカゴ-中国間のフライトの不採算性を考えると、アメリカンが来年中にいずれかのルートを再開するとは思えません。

なぜ、どの会社も現時点では中国のフライトを追加したくないのか

最近のデルタ、ユナイテッド、アメリカンによる申請によって、アメリカ合衆国運輸省(以下「DOT」)は奇妙な状況に置かれています。

アメリカンは、運行しない2つの路線を、2019年11月まで維持することを申請しています。

一方、デルタとユナイテッドは、DOTに対し、アメリカンの申請を却下し、2020年6月からの上海便の運航を許可するよう、DOTに申請しています。

デルタとユナイテッドの両社は、2020年6月まで運行を開始しない理由として、離着陸の枠が十分に確保できないからと主張しています。

しかし、ハワイアン航空は、そのような措置は前例のないものであると指摘しました。

通常、DOTの認可の3~6ヵ月後には運行を開始し、運航開始後に離着陸の枠の確保が困難かどうかを実証するのが通例だからです。

デルタとユナイテッドが、上海便の運航開始を遅らせたいのには、他にも理由があります。

過去1年間のヨーロッパ路線の売上高はアジア路線よりもはるかに高く、現在のところ、両社はアジアよりヨーロッパに注力したいのです。

それでも、中国路線は米国の航空会社にとって、重要な長期的成長が見込める領域です。

新規で運行可能な北京と上海への便数が限られているため、3社とも可能な限り多くの路線を確保したいと考えています。

しかし、短期的には、中国路線よりも収益性の高い路線を優先したいため、中国路線は1年以上「倉庫保管」しようとしています。

この奇妙な状況がどうなるかは、DOTの判断にかかっています。


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