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注目すべき世界の7大電子商取引(Eコマース)企業について解説

モトリーフール米国本社、2018年12月26日投稿記事より

小売業界に大きなトレンドがあるとすれば、オンラインでますます多くの売上が発生しているということです。

オンラインショッピングは、実店舗よりもはるかに速く成長しています。

米国国勢調査局のデータによると、オンライン小売業者は、過去1年間で米国の総売上高の約9%を占める約5,000億ドルの取引を行いました。

オンライン販売は、小売業界全体の約5%の成長に対して、年率15%から17%で成長しています。

世界的に、この傾向はさらに強くなっています。2017年には、約16億6000万人の消費者がオンライン上で2兆3,000億ドルを消費しました。

2021年までに、売上高は現在の水準の2倍以上になる可能性があります。

世界最大のインターネット企業のいくつかが電子商取引企業であることは驚くことではありません。

そして、実店舗の多くは、この傾向を利用してビジネスを成長させるために、積極的にオンラインに移行しています。

この記事では、今後も拡大が注目される世界の7大電子商取引企業を紹介します。

電子商取引とは何か?その種類について解説

電子商取引は、広義では、インターネットを介して行われる商品およびサービスのあらゆる取引です。Eコマースとも呼ばれます。

クレジットカードやデジタルウォレットサービスなどの電子支払い方法を使用して商品やサービスをオンラインで購入することを指します。

購入される商品は、物理的(例:CD)、デジタル(例:mp3ダウンロード)、またはサービス(例:音楽ストリーミング)です。

電子商取引会社について説明するとき、オンラインストアを機能させるために広いビジネスが関与していることをお伝えする必要があります。

まず、支払いネットワークとデジタルウォレットサービスが支払い処理を保証します。

そして、配送会社と物流会社が荷物を配達します。そうすることによって、オンラインストアは買い手と売り手を結びつけます。

この記事では、主にオンラインストアに焦点を当てています。これらの店舗は、以下で説明する電子商取引のどれかに該当するものと思われます。

  • Business-to-Consumer(B2C、企業対消費者)

B2Cの電子商取引は、企業が商品またはサービスを個々の消費者に販売するというものです。

B2C電子商取引オペレーションは、アマゾン、ウォルマートオンラインストア、JD.com、アリババTモールが行っています。

  • Business-to-Business(B2B、企業間取引)

商品またはサービスを他の企業に販売する事業のことです。

これはアリババなどがプラットフォームの提供を行っています。企業向けECサービスを支援するためにソフトウェアを提供する場合もあります。

  • Consumer-to-Consumer(C2C、消費者間取引)

C2Cの電子商取引事業は、購入者と複数の販売者をオンラインで結びつけるための市場を創出します。日本企業ではメルカリがそれに該当します。

イーベイは、もともと不要な商品を他の消費者に販売するための消費者向けオークションクリアリングハウスとしてスタートを切ったもので、C2C 電子商取引の代表的な例です。

アマゾンもまた、消費者が不要な商品を販売するための市場を提供しており、アリババも中国で同様のオンライン市場を運営しています。

この記事においては、消費者間の電子商取引企業は、自分たちのプラットフォームを通じて、単に電子商取引を促進する企業を指します。

  • Consumer-to-Business(C2B、消費者対企業)

消費者対企業取引は、消費者が商品を企業に販売するときの取引です。日本ではあまり馴染みがないかもしれません。

C2B電子商取引会社は、消費者から直接商品を購入します。それらの企業は、そこからオンライン市場でそれらを売るかもしれません。

例としては、イーベイやガゼルなどの消費者から中古スマートフォンを購入する会社が挙げられます。

どの電子商取引会社が最大か?測定方法を紹介

電子商取引ビジネスの規模を測定する方法はいくつかあります。

例えば、どれほどの顧客データベースがあるのか、どのくらいの売上を生み出すのか、会社自体の価値はいくらなのか、といった指標です。

しかし、オンラインストアを比較する最も一般的な方法は、商品総額(以下:Gross merchandise volume(GMV)といいます)と呼ばれる指標を使用することです。

GMVは、オンラインストアまたはマーケットプレイスで販売されているすべての商品の合計金額です。

GMVは、売上とは大きく異なります。イーベイは市場として運営されており、商品を直接消費者に販売することはありません。そのため、その売上はGMVのごく一部です。

ECプラットフォームを提供するショッピファイは、他の企業が自社のWebサイトで商品を販売するのを容易にするので、少量の売上も生み出します。

一方、アマゾンは、自社の小売事業と自社の市場での第三者販売業者からの売上は、約半々になっています。その結果、GMVに占める売上はかなりのものです。

自社の在庫を独占的に販売するオンラインストア(ブランド小売店など)では、GMVとほぼ同じ売上が得られます。

以下の表は、GMVで並べた世界最大のEコマース企業の一覧です。

会社名 GMV 電子商取引のタイプ
アリババ $768 billion B2B, C2C
アマゾン $239 billion B2C, C2C
JD.com $215 billion C2C, B2C
イーベイ $93 billion C2C, C2B
ショッピファイ $33 billion C2C
楽天 $31 billion B2C
ウォルマート $19 billion B2C, C2C

アリババ(ティッカー:BABA)

アリババは1999年にAlibaba.comと1688.comを立ち上げ、最初にオンラインでビジネスを始めました。

同社の主力サイトは世界的な卸売市場として機能し、1688.comは中国国内で同様の取引を処理しています。

アリババの中核となる電子商取引事業は、以下から構成されます。

  • タオバオ(淘宝)

アリババの中国本土にサービスを提供する消費者間市場で、中小企業や起業家が個々の消費者と取引することを可能にします。

2003年に設立され、現在は世界最大の電子商取引Webサイトです。アリババの2017年度の売上総額は、4,280億ドルでした。

  • Tモール(天猫)

中国の企業間電子商取引に特化したタオバオからのスピンオフサイトです。

これは、タオバオに次いで世界で2番目に大きい電子商取引Webサイトであり、2017年度中にGMVで3,400億ドルを生み出しました。

  • アリエクスプレス

中国国外の顧客を対象とした中国製品の輸入サイトです。

世界中のインターネットユーザーがアリエクスプレスを通じて、格安で買い物を行うことができます。

アリババは、アリエクスプレスのGMVを公表していません。

タオバオ、およびTモールでのアリババの成功を見ても、同社は他の競合他社と比較して絶対的な業界の巨人といえます。

アジアの製造業者が製品を調達するのに最適な調達先である卸売市場を追加すれば、インターネット上で取引されるすべての商取引に占める同社のシェアはさらに大きくなります。

アリエクスプレスやその他の小売への投資に支えられた国際的なプレゼンスの高まりにも助けられ、同社は世界最大の電子商取引企業になりました。

アマゾン(ティッカー:AMZN)

アマゾンは言わずと知れた米国最大のオンライン小売業者です。

同社はオンライン書店としてスタートしましたが、すぐに電子機器、ファッション、家庭用品など、さまざまな業種に拡大しました。

おそらく、その中で最も革新的で成功した戦略はアマゾン・プライムです。

アマゾン・プライムは、買い物客に同社からの2日以内の配送を提供するというサービスです。

同社は、ビデオや音楽のストリーミング、お得な情報やクーポンへの早期アクセス、無料の電子ブック、写真用の無制限のクラウドストレージなど、新しい利点を継続的に追加しています。

その結果、同社は現在世界中に1億人を超えるプライムメンバーを擁しています。

また、Fulfilled by Amazon(以下「FBA」)というサービスが大当たりしました。

FBAを使用すると、第三者販売業者は、アマゾンの倉庫、配送センターネットワーク、および注文を配送するための物流機能を使用できます。

FBAを通じて販売される商品はプライム対象商品であり、アマゾンに顧客を引き付けるためにますます重要になっています。

このサービスによって、同社のオンラインストアは過去3年間でPrimeの対象商品を2,000万から1億に拡大することができました。

全体としてのアマゾンのGMVは、過去12か月間で合計約2,390億ドルでした。

そのうちの1,160億ドルが同社によって直接販売されており、それ以外の1,230億ドルが第三者販売業者からのものでした。

アマゾンは、第三者販売業者の販売促進のために約370億ドルの手数料を支払っています。

JD.com(ティッカー:JD)

JD.comはアマゾンと非常によく似ているサービスで、中国で運営されています。

同社は、500を超える倉庫と7,000の配達ステーションを持つ物流ネットワークを構築しました。

ただしアマゾンとは異なり、JD.comは物流業務全体を自ら運営しており、ラストマイル配送のために荷物を第三者に渡すことはしていません。

これにより、同社は注文の90%を翌日までに顧客に出荷することができます。

同社はアマゾンと同じように自社ブランドの小売部門を運営していますが、ウォルマートを含む国際ブランドとも提携しており、中国の消費者にアプローチする手助けをしています。

同社は、その点ではオンラインモールのように機能します。2016年にウォルマートが中国のオンラインストアYihaodianをJD.comに売却した後、ウォルマートはJD.comの5%の株主となりました。

JD.comは、アマゾン・プライムのJDバージョンである「JDプラス」を、2016年に立ち上げました。

JDプラス会員は、年間最大60回までの無料発送、無料の電子ブック、特別割引および、iQiyiのプレミアムサービスを楽しむことができます。

iQiyiは中国最大のオンラインビデオプラットフォームです。同社は現在1,000万人以上のJDプラスメンバーを獲得しています。

JD.comの強力な物流ネットワークと国内および国際的な小売パートナーのリスト(約17万件)は、急速にGMVが成長するのを助けています。

GMVは、2018年第2四半期に30%増加し、アマゾンを11ポイント上回りました。

イーベイ(ティッカー:EBAY)

イーベイは、人々が商品や中古品を互いに販売するために、90年代のオンラインオークションハウスとして始まりました。

今日では、プラットフォームで販売されている商品の80%が新品で、89%の商品が固定価格で販売されています。

同社はそのプラットフォームをアマゾンのように見せるための措置を講じています。

そして、売り手に対し、無料保証の3日間での輸送を提供するのを奨励しています。

また、イーベイで購入した商品と競合他社のWebサイトでの同一商品との差について110%の払い戻しを顧客に提供するベストプライス保証も開始しました。

その動きは功を奏し始めています。GMVの成長率は2018年に加速し始め、上半期に7%成長しました。

それでも、この成長率は他の企業よりもかなり遅いと言えます。

同社は、GMVの成長を好転させる一方で、利益率の向上にも取り組んでいます。

ペイパルとの提携を開始することで、支払いの利便性を高めました。

同社は2021年までにすべてのサービス内決済を社内で処理する予定であり、これは同社が売り手に対し、プラットフォーム上で大きな価値を提供することを期待しています。

これにより高い売上とGMVの成長の両方をもたらすかもしれません。

ショッピファイ(ティッカー:SHOP)

ショッピファイは、この記事に記載されている他の会社とは大きく異なります。

独自の集中型マーケットプレイスを運営し、小規模の加盟店が自分のWebサイトや、アマゾンやイーベイを含む他の第三者販売業者のマーケットプレイスで商品を販売するためのプラットフォームを提供します。

その事業の中核をなすECプラットフォーム「Shopify」は、小売事業を1か所から簡単に管理し、売上と在庫を追跡し、注文を処理し、顧客が独自のWebサイトを作成するのを支援する方法を提供します。

「Shopify」を利用するにあたって、企業側は定期利用料を支払う必要があります。

「Shopify」の顧客は、単一の商品を扱う個人事業主から、何百もの商品を扱う数十億ドル規模のブランドまで多岐にわたります。

その売上の多くは、マーチャントソリューションと呼ばれるものから来ています。

同社は、加盟店への支払い処理、出荷サービス、および現金前払いを提供します。

2018年第2四半期には、マーチャントソリューションが同社の総売上の55%を占め、このセグメントは定期利用料ビジネスよりも急速に成長しています。

これらのサービスは、定期利用料ビジネスよりはるかに低い利益率となっていますが、システムに顧客を固定することによって、定期利用料ビジネスをサポートします。

市場が混雑するにつれて、加盟店はアマゾンに代わるオンラインモールやECサービスを探し出す傾向にあります。

ショッピファイは、ブランドを確立し、自社のWebサイトを使用して在庫と販売の管理を強化しようとしている企業にとって最も重要な選択肢の1つです。

定期利用料を上回るマーチャントソリューションの成長は、アマゾンに代わるものが出店者側に強く求められていることを示しています。

楽天(4755)

楽天はJD.comやアマゾンによく似ています。日本人にはアマゾンと同じく、最も馴染み深いオンラインモールの一つだと思います。

日本の電子商取引会社は、日本の大手ブランド向けのオンラインモールを運営していますが、他の国々でも電子商取引を行っています。

それは、Tモール、イーベイ、またはウォルマートのマーケットプレイスのようなブランド力を持たないアメリカ、フランス、ブラジル、そしてイギリスが含まれます。

楽天は、自社のネットワークだけでなく、米国のアマゾンと同様に第三者販売業者に頼ることで、より低コストで配送速度を向上させたいと考えています。

しかし、現状はアマゾンが日本最大のオンライン小売業者になっていることを各データが示しています。

アマゾンの成長に対抗するために、楽天は小売や物流以外にも投資しています。

同社は、日本最大のインターネット銀行と3番目に大きいクレジットカード会社を運営しています。

また、MVNO事業の売上を改善するために、無線ネットワークを構築し始めました。

そして、旅行会社、保険会社、お見合いサービス、ゴルフ予約システムなども60以上の事業の中にあります。

LyftとPinterestの主要投資家でもあり、Viberの100%の株式を所有しています。

同社の目標は、ブランドを宣伝するために、顧客が必要とするすべてのものを提供できるサービスシステムを構築することです。

楽天の利益は最近その多額の投資によって減少傾向にあり、GMVの成長はこのリストの他の企業ほど強くはありません。

2018年第2四半期の国内GMVは、前年同期比でわずか11.1%の成長でした。

さらに、その中核的な小売事業の売上は、物流およびその他のアマゾンを阻止するため投資しているにも関わらず低下しています。

国内電子商取引からの営業利益は、売上のわずかな改善にもかかわらず減少しています。

国際業務だけでなく、クレジットカード決済、デジタル取引、その他のリテール業務を含む楽天のグローバル取引高は、前年比16.4%増加しました。

それでも、楽天の成長は比較的遅いといえます。

ウォルマート(ティッカー:WMT)

ウォルマートは世界最大の小売業者で、年間で約5兆5000億ドルの売上を生み出しています。その収入の一部はオンライン販売が担っています。

同社は、過去数年間に電子商取引に多大な投資をしてきました。

2016年にはJet.comを買収しています。また、2017年にアマゾンが食料品部門に参入したことで、オンラインの食料品取引事業にも力を入れています。

その結果、ウォルマートは過去数年間でオンライン販売の堅調な伸びを見てきました。

2017年の米国での売上高は115億ドルに達し、今年は40%のオンライン売上成長率を達成する見込みです。

ウォルマートの最新の電子商取引投資は、インドの大手電子商取引会社の1つであるフリップカートの77%の株式の取得です。

インドはオンラインショッピングの大きな成長の可能性を秘めています。同社のフリップカートへの出資はインド市場への進出への大きな一歩といえます。

同社によると、フリップカートの2017年のGMVは約75億ドルでした。

一方でウォルマートの電子商取引への投資のすべてが成果を上げたわけではありません。

2017年、同社はブラジルでの電子商取引事業を縮小することを決定しました。ブラジルの不況時に事業が苦戦したため、同国の事業会社株式の80%を売却しました。

ウォルマートは、買収と食料品の集荷と配送の拡大を通じて、電子商取引の売上を大幅に伸ばしました。

インドのフリップカートの買収は、世界で最も急成長している電子商取引市場の1つで著しい成長をもたらすものと思われます。

Eコマース企業への投資のすすめ

これら7社はそれぞれ、当然ながら事業方針に違いがあり、これらの企業に投資を行う際は、その特徴を見定めると良いでしょう。

アマゾンはグローバル規模で展開しています。

アリババとJD.comは急成長している中国市場で展開しています。

ショッピファイは、より多くの小規模小売業者へのアクセスを提供していくものと思われます。

ウォルマートはフリップカートの買収によりインドへ進出していますが、依然として大規模な実店舗での安定性を提供しています。

イーベイと楽天は競合他社よりもゆっくり成長していますが、イーベイはその中核事業の売上を改善する方法を模索しています。

一方、楽天は売上の拡大を促進するために小売以外の分野に進出しています。

電子商取引やEコマースに興味を持っている投資家にとって、これらの7社への投資は、よいスタートとなるでしょう。


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