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退職金の運用に失敗しないために。注意点と失敗例を詳しく解説。

米国に留学していたとき、メジャーリーグやアメフトの有望新人で、高額の契約金をもらいながら、すぐに麻薬などに侵されてダメになっていく多くの若い選手を見て、当時は不思議に思いました。

なんで法外な契約金を手にしながら、自ら潰れていくのだろう?

定年近くなって、そのようなことが何故起こるのかが、初めて分かるようになりました。高額の運用には、それなりの技量が必要で、それは知識と経験を深めながら、学習していかなければ育たないということです。

普通のサラリーマンは、家のローンを組む時以外には1,000万円以上の自分自身のお金に直接関係することはありません。

ましてや、その運用方法など、生まれてこの方経験がありません。残念なことですが、普通のサラリーマンは、定年までこのような金融教育も受けていません。

言ってみれば赤ん坊のまま、大金の退職金を抱えて、世の中に放り出されるような格好になります。うまく運用できずに、金融機関の餌食になりやすいのは、自然のことでしょう。

このようなことを考えると、退職金の運用については、退職してから学ぶのでは遅すぎます。少なくとも定年の10年くらい前から、株式を中心とした資産の運用の経験を積むことが必要になります。

ここでは、50代の方への資産運用として最適なポートフォリオの組み方について考えましょう。

50代の方におすすめの運用方法

おすすめの運用方法というのは、人によって大きく違います。

例えば、「自分は損するのが絶対に我慢ならない、元本保証の銀行の定期預金以外は心配で出来ない。」という人には、定期預金しかないでしょう。

もう少し、リスクを取って運用したい人は、投資信託やETFなどが良いでしょうし、株式投資の経験がある人は、株式で運用したいと思うでしょう。

それぞれの技量にあった運用方法を取るのが一番良いのかもしれません。

ただし、経済の大原則を正しく理解しておく必要は、どのような運用方法をするにしても大切です。

最も大きな原則は、あらゆる資産はその実質的価値が変動するということです。

特に問題なのは、定期預金などの、元本保証といううたい文句です。

毎日の経済ニュースを見ていれば分かるように、円もドルもユーロもポンドも元もあらゆる通貨の価値は、毎日変動しています。

わかりやすく言えば、100万円を元本保証の定期預金として1年後に受け取った元本100万円は、額面上が同じだけであって、実質的な価値は違います。

歴史的に見れば、インフレが進んでいる世の中ですから、1年後の100万円は、97万円ほどの価値しかなくなっている場合が多いのです。

元本が100万円ほどの場合には被害はさほど大きくありませんが、1,000万円以上のような退職金になるとこの差は30万円以上になり、感覚的には大きくなってきます。

10年や15年の運用を考えると、この実質的価値は半分以下になることも多くあります。高額での元本保証の定期預金は、かなりリスクの高い長期運用方法ということになります。

退職金を運用するにあたっての注意点

退職金の場合には、特に大切な注意点は3つ挙げられます。

致命的な失敗は許されない

どのような資産運用にも失敗はつきものですが、致命的な失敗は必ず避けなければなりません。

退職金の場合には特にこのことを肝に命じた運用に注意する必要があります。そのためにも慎重な資産運用に気をつけましょう。

自分の技量や性格を正しく判断する

これまで、金融のことに全く関係してこなかった人は、自分を赤ん坊だと思い、基礎から勉強し、実際に自分のお金を使って株式投資を100万円くらいから始め、実際の経験も積んでください。

それから、資産運用には本人の性格が大きく関係します。あまり熱くならず、お金に執着が強くなく、冷静で粘り強い人は資産運用には向いていると思います。

熱くなりやすかったり、株価の変化が気になって不安でいっぱいになりがちな人は、ETFのように機械的な運用方法が安全でしょう。

投資対象を厳選すべき

普通、投資対象として考えられるのは、株式、投資信託、ETF、債券(国債、社債)、J-REIT、金、FX取引、土地建物などでしょう。

このうち、退職金の運用に向いていないのは、J-REIT、金、FX取引、土地建物などです。

J-REITは、まだ歴史が浅く、法律が未整備です。

金は、価値が変わらないと信じて購入する人が多いですが、緩やかな価格変動があります。株式投資のように2倍や3倍になることはなく、退職金の運用の対象としてはあまり役に立ちません。

土地建物は換金性が悪く、退職金運用には向いていません。

退職金の運用にFX取引をする人がいますが、これは極めて危険です。通貨の変動は専門家でも予想が立てづらく、10倍くらいのレバレッジが効いていたら、破産の可能性さえあります。

国債などの債券類を利用する人も多いでしょうが、これは元本保証の定期預金の兄弟のようなもので、インフレの波に勝てるとは思えません。

ここでは、ピーター・リンチの言葉を引用しておきたいと思います。「債券の好きな人は、自分の失っているものに気がついていない」。高額の退職金の運用には、株式、投資信託、ETFが最も適しています。

退職金運用の失敗例と失敗する人の特徴

生きていくということは、いつもリスクと隣り合わせで暮らしていかなければなりません。

災害や交通事故など数えあげればキリがありません。退職金の運用も同じで、どのような方法をとってもリスクから逃れることはできません、腹をくくってください。

しかし、慎重な選択をして、リスクが起こる確率を出来るだけ少なくすることは可能です。

リスクを恐れるあまり、退職金の長期運用に元本保証の定期預金を用いる愚は避けてください。必要以上の恐怖心は、慎重な選択の判断の邪魔になるだけです。

退職金運用の失敗例の多くは、高額投資の経験が少なく、投資対象の理解が正しくできていない場合と性格的に適していない場合とに分かれます。

銀行や証券会社は、定年で退職金が入ったと知ると積極的なアプローチを始めます。

投資経験の少ない人は、勧められるままに国債や投資信託を購入し、それらが購入価格より下がったりすると慌てて売ったりして、多くの損失を抱えることが多いです。

また、下がらない場合でも、急に多額の現金が必要になり、途中解約したら高額の手数料を要求されたりすることが多いようです。

よくわからずに勧められてFX取引を行い、数倍のレバレッジをかけて、円安の予想がはずれて円高となり、新たに多額の証拠金を要求され自己破産をした例などがあります。

これらは、対象となる金融商品の無理解によるものです。

また、自分は株で分散投資を行い、退職金を2倍にも3倍に増やしてやろうとする人もいます。

ところが実際に、2,000万円もの多額の株式投資をしたとします。

週末の経済ニュースで著名な経済学者が、日本経済の先行きは暗いとかいうことを聞くと不安で仕方なくなり、週明けの月曜日に慌てて売って、大損をする場合などが多いようです。

この場合は、本人の性格や高額投資経験の少なさや技量の未熟さによる場合が多いようです。

失敗する人の特徴としては、

  • 勉強不足
  • 経験不足
  • 熱くなりやすい性格
  • 損失が諦められない性格
  • 臆病すぎる性格
  • 他人の言動に左右されやすい性格
  • 孤独に耐えられない性格

などが挙げられると思います。

このうちのほとんどのことについては、努力で改善することが可能です。

例えば、経験不足などは、小額から始めて少しずつ技量が上がってくれば自信もつきますから、それに見合った額にアップして経験を重ねれば良いわけです。

その人の技量にあった投資額というのは明らかにあると思います。ただ、性格的なものは、改善することが難しい場合もあり、そのような場合は、後に述べるようなETFに投資するのが最も安全です。

退職金の運用に最適な投資方法

それでは、退職金の最適の運用方法とはどのようなものでしょう。

例えば3,000万円の退職金を得て、これらを全部投資に使える人について考えてみましょう。

まず、緊急に必要な額として200万円前後を定期預金にします。

これらは、必要なら9割までカードを使って引き出すことが可能です。年金と区別するためにも定期預金が良いと思います。この際、利息は気にしません。

残りをETFと株式に分散します。その比率については、各人の技量によって大きく違います。

株式投資に自信のある方は、100%を株式にしても良いと思います。全く自信のない方は、100%ETFにしましょう。

ETFとは、証券取引所に上場され、自由に売買できる投資信託のことで、現金化も早く、解約の手数料も必要ありません。

ETFはいろいろな種類のものがありますが、日経平均やTOPIXに連動した株式に投資しているものを選びます。

特に中小型株に投資しているものを選びましょう。外国株に投資したいときは、ETFを利用するのが、個人としては最も良いと思います。

株式では、特に分散投資に注意します。同じ業種からは、1種類として、色々な業種から選びましょう。分散しすぎても良くなく、全部で10種類以内にします。

ピーター・リンチは、『子供の数程度にすべき』と言っていますが、10種類くらいまでは良いでしょう。

それ以上なら、ETFの方が良いと思います。そして、法人と異なり個人は、中小型株に特化します。投資方法は、割安株(バリュー)投資法で長期投資に徹します。

かなり自信のある方は、成長株投資法でも良いですが、価格変動が激しくとても難しい方法です。

株式もETFも売却から3日以上経てば、現金化できます。年金生活では、退職金の換金性も大切な条件となります。

最後に

以上、退職金の運用方法についてでした。まずは自分がどこまでリスクを許容できるのかを考え、最適な金融商品を選択しましょう。

投資は、最後は自己責任となります。リスクは、あらゆるものに存在します。リスクをうまくコントロールしながら、楽しい投資生活を満喫してください。


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