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マーケットの健全性をどのようにとらえるか?健全性をはかる指標について

個別株で上昇可能性のある良い銘柄を見つけても、マーケット全体が下落に向かってしまえば、その影響を免れることはできません。

したがって、「マーケットが良い状況=健全」であることが、第一の条件になるかと思います。

マーケットが何をもって健全かというと、一言で言えば、大きな偏り、歪みがないということです。

例えば、市場インデックスは上昇しているのに、多くの株が下落しているとします。

これは即ち、時価総額の大きい一部の銘柄のみが上昇し、それらがインデックスを引き上げているといった状況です。

少数の銘柄に依存した市場インデックスの上昇は、マーケットの上昇の力が脆弱ですし、マーケットの上昇とは言い難いです。

こうした現象は、上昇相場でのピーク前に見られることが多いので、これをとらえる指標を知っていると、事前に警戒しておくことができます。

但し、それらは目安であって、その数値が異常値であってもある地点までいけば絶対に市場が下落する、というものではないということを知っておく必要があります。

これらの市場の健全性を見るものとして、私が使っているものをいくつかご紹介しましょう。

Cumulative Advance Decline (ADライン)

「上昇銘柄数―下落銘柄数」を毎日算出し、それを累積していくものです。

これが上昇傾向にあるときは、時価総額に関係なくより多くの銘柄が上昇しているということを示しています。

マーケット(インデックス)が上昇しているのに、ADラインが低下している場合は要注意です。

これは、上昇トレンドも末期に来ており、一部の大型銘柄だけが上がっているという状況であることが多いです。

90年代の最後がこのような状況でした。あのアラン・グリーンスパン元FRB議長が「根拠なき熱狂」と呼んだ時期のマーケットです。

S&P500のTop100だけが上昇していたような市場でした。

逆に、市場が下落しているのに、このラインが上向きに転換しているようであるなら、マーケットの底打ちは近い、あるいは大きく下落することはないかもしれない、と判断できます。

S&P500やNASDAQのADライン、S&P500ではなくNYSEのADラインを見ることもあります。

S&P500とNASDAQ、もしくはNYSEとNASDAQのどちらかの組み合わせで見ると良いと思います。

High/Low Ratio

これは、52週の高値を更新した銘柄と52週の安値を更新した銘柄の比較です。計算の仕方としては、二つあります。

  1. 高値更新銘柄÷安値更新銘柄数
  2. 高値更新銘柄数÷(高値更新銘柄数+安値更新銘柄数)

上の(1)で値が1より大きければ、高値更新銘柄の方が安値更新銘柄の方が多いということですし、(2)の計算式の場合は、50%(0.5)以上が高値更新銘柄の方が多いということです。

マーケット(市場インデックス)の上昇とこの比率の値が上昇傾向にあれば良いです。

マーケットが上がっているのに、この数値が低下傾向はやはり天井が近づいていると判断しやすい状況になります。

マーケットが下落している時に、この数値が反転して上昇に向かっている時はむしろ大底は近いと判断することができるかもしれません。

マーケット全体のバリュエーション・一般的にはPER水準

やはり、マーケット全体のバリュエーションが高く、過度に割高になっている状態は行き過ぎ感が強く出やすいものです。

ただ、このバリュエーション、PERは、単純に過去との比較で使うと解釈を誤ることが多いので、気をつけましょう。

PERは、金利が低下すると、必然的に高くなるので、金利水準が現在とまったく異なる過去のPER水準を使うのは誤解を生みやすい。

単純に数値での比較ではなく、動きのパターンを見て、中立点については定性的判断で調整した上で使用すれば判断を誤ることは少ないでしょう。

Money Flow

これは、株に投入された金額と引き出された金額の量の動きを見るものです。

マネーフローの動きと株価の動きを観ます。株価は上昇しているのにマネーフローがピークアウトした場合は、早晩株価もピークアウトが予想されます。

一方、株価が低下している時に、マネーフローが先に底打ちして上昇した場合、株価も早晩上昇に向かいます。

これは、個別株だけでなく、マーケット全体でも使える指標かと思います。

マネーフローは、日中の高値・安値と終値の平均に取引きれた株数をかけます。

そして、終値が前日より上昇していれば、マネーフローはプラス。株価が下落していればマイナス。これを累積していき、その動きをみます。

上記4つの指標は代表的なものかと思いますが、それ以外にも、市場の状況を判断するのに役立つものを二つ紹介します。

一つは、取引高。価格の動きと合わせて、価格の動きの解釈に使います。

取引量が少ないのは、本気の買い、本気の売りになっていません。本気の、というのは機関投資家が本格的に動いていない、ということで良いかと思います。

価格は上昇しているのに、取引高が少ないのは、様子見の人が多い、あるいは新たな買い手が少ないとも考えられ、その状況が続くのであれば、価格が反転する可能性が高いです。

もう一つは、小型株の動きです。通常主要3指数、NYダウ、S&P500、NASDAQの動きを見ているかと思います。

S&P500とNASDAQだけでも構いません。マーケットが本当に強気の時、Risk-onの時には小型株に資金が流れます。

したがって、小型株指標であるRussell2000のパフォーマンスが良くなります。

現在のように小型株に出遅れ感が強い時は、市場参加者に警戒心が残っているとも見えます。

このような時は、市場インデックスが上昇していても、警戒心を緩めてはいけない時です。

マーケット全体の健全性、動向を示唆するサインに気を配り、大きなロスを被らず、大きなチャンスをものにしていきましょう。


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