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【銘柄紹介】Facebookってどんな企業?

「Facebook」(NASDAQ:FB)と聞くと、GAFAに属する企業「Facebook」と同時に、そのFacebookが提供するSNSである「Facebook」というアプリを連想されると思います。

ですが、このFacebookアプリを含む、Facebookが提供しているSNSはすべて無料で利用できていますよね?

そこで疑問に感じるのが“Facebookはどのようなビジネスで利益を得ているのか”ということではないでしょうか?

米国株投資において投資対象を選択するうえでは、その企業のビジネス基盤を理解することが必要不可欠です。

そこで、疑問となるFacebookのビジネスについて、基本情報や業績について交えながらわかりやすく解説していきたいと思います。

基本情報

まずは、Facebookの基本情報をご紹介します。

  • 本社…カリフォルニア州 メンローパーク
  • 創業者…マーク・ザッカーバーグ
  • 現在のCEO…マーク・ザッカーバーグ
  • 上場市場…NASDAQ市場 (シンボル:FB)
  • 時価総額…554億ドル(2019年12月14日現在。Yahoo!ファイナンスより)
  • 決算日…12月31日
  • 発行済株式数…24億600万株(2019年12月14日現在。Bloombergより)

概要

Facebookは、以下4つのSNSを提供する企業です。

  • Facebook
  • Instagram
  • WhatsApp Messenger
  • Messenger

そのため、売上の98%以上が上記SNSアプリにおける広告収入となっています。

ただし調査会社eMarketerの推計によると、3年前にFacebook(SNS)のユーザーは頭打ちになり、数年後にはInstagramのユーザーも飽和状態に達する見込みだといわれています。

収益源を広告収入としているFacebookですが、同じく広告ビジネスを繰り広げるAlphabet(Google)に加え、近年ではAmazon.comも広告ビジネスのシェアを拡大し始めたので懸念が必要です。

そこでFacebookは広告収入だけではなく決済サービスによる手数料収入を、新たなる収益基盤として拡大しています。

また、かつて個人データを意図的に流出させたことにより規制当局からの指摘を何度も受けています。

このようなセキュリティ面についてはユーザーとしては不安を煽る点となってしまいそうです。

業績

では、Facebookの業績を見ていきましょう。

(図1)

図1は、売上高と当期純利益のグラフです。

売上高と当期純利益どちらも年々増加しており、確実に業績を伸ばしていることが読み取れます。

(図2)

図2は、売上高と売上原価、粗利益率のグラフです。

粗利益率は2018年に大きく落ち込んだように見えるものの常に82%以上の水準にあり、これはかなり高い粗利益率であるといえます。

(図3)

図3は、セグメント別売上高のグラフです。

直近となる2018年では、売上高の約98.5%がSNSからの広告収入でした。

一方で手数料収入にはあまり伸びがないので、収益源を広告収入に大きく依存していることがわかります。

(図4)

図4は、Facebookが提供するSNSのアクティブユーザー数(月間・一日)のグラフです。

繰り返しになりますがFacebookの収益源は広告収入なので、ユーザーのエンゲージメントが非常に重要になってきます。

調査会社eMarketerによると、Facebook(SNS)だけではなくInstagramのユーザー数もそろそろ飽和状態に入るといわれています。

このような状態ではユーザー数やエンゲージメント、広告数を増加させるか、広告単価を引き上げるといった行動をとらなければ収益の増加は見込めないでしょう。

そこで近年では、決済サービスにおける手数料収入を拡大しようと取り組みを始めています。

具体的にはインドにおける100万人のWhatsApp Messengerユーザーを対象に、中国企業TencentのWeChat内にある決済サービスWeChat Payのような機能を提供しているのです。

なぜインドでおこなわれているのかというと、インドのデジタル決済市場は2023年までに5倍の1兆ドルに拡大する見込みといわれているためです。

そこでさらに、Libra(デジタルコイン)を含めた事業拡大も期待できるでしょう。

(図5)

図5は、地域別売上高のグラフです。

とくに売上高が大きく増加しているのが北米地域ですが、一方でアフリカ・ラテンアメリカ・中東を含むその他地域では売上高増加の勢いが落ちています。

上記でも少し触れましたが、今後はデジタル決済市場が大きいインドを含むアジア太平洋地域での売上高増加が期待できそうです。

(図6)

図6は、営業費用内訳のグラフです。

研究開発費・販売費及び一般管理費ともに、かなり増加していることがわかります。

そのため上記で見たように粗利益率は高い水準にあるものの、売上高当期純利益はあまり高くありません。

(図7)

図7は、従業員数と前年からの増加率を示したグラフです。

図6で見た営業費用の増加の大きな要因の1つは、図7が示している従業員の増加です。

2015年以降は毎年30%以上の水準で従業員を増加させているため、給与などの支払いが増加しました。

以上が、Facebookの業績についての解説になります。データはすべて「投資家向け広報」より抜粋しました。

5Gに向けたXR技術による事業拡大

2019年11月27日の公式発表によると、KDDI株式会社とFacebook Japan株式会社(Facebookの日本法人)が、XR技術を活用した空間コンピューティング事業で連携します。

具体的にいうとKDDI株式会社はマーケティングや顧客、決済機能を提供し、FacebookのInstagramアプリ内でサービス・流通・製造などさまざまな産業を展開していくというのです。

さらにすごいのが、ARグラスを用いてAI店員の接客を受けることができるという点です。

こちらについては2020年初め頃にポップアップストアの開催が予定されています。

Instagramの進化

Facebookが提供するSNSの1つであるInstagramは、進化のとどまるところを知りません。

上記でも触れましたが、InstagramはAI店員を用いたバーチャル店舗に活用することができるような技術が備わっています。

それだけではなく、2019年10月31日にはすべてのビジネスにおいてショッピング投稿を広告として配信できるようになりました。

また、2019年8月13日にはストーリーズ投稿において、AR技術を用いた投稿をすることも可能になっています。

Facebookが進化しているのは、このようなテクノロジー分野においてだけではありません。

まずは、ユーザーが投稿に対する「いいね!」を気にせずに自由な自己表現をできるようにするために、日本をはじめとする一部地域で「いいね!」数と動画の再生回数を非表示にするテストがおこなわれています。

また、2019年10月4日に発表された「Threads(スレッズ)」というアプリをご存知でしょうか?

これはInstagram内の「親しい友達」とすぐに繋がれることを目的に設計されています。というのはアプリを開くとすぐにカメラ機能が作動して、2タップするだけで親しい友達だけに自分の“今”を伝えることが可能です。

カメラでの伝達以外にも「移動中」、「考え中」のような“今自分がなにをしているのか”を親しい友達に知らせる機能も搭載されています。

このように、広告収入に依存しているFacebookはInstagramのユーザー数や利用頻度を増加させるために、さまざまな分野で進化を繰り広げているのです。

デジタルコイン「Libra」

2019年6月18日にFacebookがデジタルコイン「Libra」を発表して以来、各国政府や規制当局からは否定的な見解が多く出ています。

Libraは“テキストメッセージを送るくらいシンプルにお金を送る”ことを目的としており、世界中の通貨をLibraに統一して送金手数料を低くしたり送金スピードを劇的に速めたりするという狙いがあります。

また通貨としての機能をかなり重視しており、かつブロックチェーン技術による送金の利便性向上によって、世界中の銀行口座を持たない約17億人のニーズに応えられるとしているのです。

ただし、上記でも少し触れましたが規制当局からの圧力が強く、LibraのコンソーシアムからVISA・Mastercard・PayPal・eBayなどの主要な金融関連企業が脱退しました。

ですがFacebookは上記のことがあろうとも、2020年にはLibra専用ウォレットの「Calibra」をリリースすることを予定しており、Libraの普及への取り組みを止めることはないようです。

Calibraによって決済ビジネスを強化させるだけではなく、Libraが世界的に承認されることを見越してどれくらいのユーザー基盤を固めることができるかが、鍵となってくるのではないでしょうか?

まとめ

本記事ではFacebookについてご説明してきました。

Facebookの収益基盤は、広告収入であることがお分かりいただけたかと思います。

ですが今のままではユーザー数も飽和状態に陥り競合他社の台頭も懸念されますので、Instagramの機能を進化させたりLibraの普及を目指したりすることで、収益増加に向けてしっかりと取り組みがおこなわれていることもわかりました。

今後注目すべきなのは、XR技術による事業拡大とLibraの行方ではないでしょうか。

ぜひ本記事を参考に、GAFA企業群の1つ「Facebook」という企業についての知識を身に着けてみてください。


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免責事項と開示事項 記事の作者、タナカチアキは記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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