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【2020年版】景気後退に強い銘柄とは?リセッション対策でポートフォリオに入れたい12銘柄

株式投資をしていると、景気の動向が気になる人も多いことでしょう。

最近米国では景気後退(リセッション)を懸念する声が高まっており、多くの投資家はポートフォリオの調整を急いでいます。

それでも市場暴落への対応で優れた銘柄がいくつか存在するのです。

今回は経済や市場動向から大きな影響を受けず、堅調に推移すると思われる銘柄を紹介します。

景気に強い銘柄とは?

景気に強い銘柄を「ディフェンシブ銘柄」といい、業績や株価の安定性も高いことが特徴です。

景気は常に良い時と、悪い時を波打ちながら動いていき、景気動向を避けて株式に投資することは不可能といえます。

ところがディフェンシブ銘柄の場合は、景気に左右されにくく安定した収益を実現できるのです。

そのような銘柄が、自身のポートフォリオにあると心強いことでしょう。

ディフェンシブ銘柄は外部要因に強い

ディフェンシブ銘柄は外部要因に強いことが特徴として挙げられます。

外部要因とは、為替の変動、貿易相手国など景気動向、資源価格、要人発言などです。

これらの外部要因が株価に大きな影響を与えることがありますが、ディフェンシブ銘柄はそのような要因に左右されにくいのです。

たとえば生活必需品である食品、医薬品、電力、ガスなどの業界が該当し、景気が良くても悪くても常に需要があり続けるため、株価も安定します。

ディフェンシブ銘柄を保有するメリット

自身のポートフォリオにディフェンシブ銘柄を保有することで、リセッションに対する備えができます。

上述させて頂いた通り、景気は常に波打ちながら動くため、景気が落ち込むと株価も下落します。

そのようなリセッションの場面では、配当金は減配する銘柄もある中、ディフェンシブ銘柄は安定した配当金を出してくれることが多いです。

また景気に敏感な銘柄と組み合わせることで、ポートフォリオの安定に繋がります。

景気に敏感な株がリセッション時に株価が下落しても、ディフェンシブ銘柄はその損失を補ってくれるため、ポートフォリオの安定化に繋がることでしょう。

景気に強い銘柄

それでは具体的にどのような銘柄がディフェンシブ銘柄となるのでしょうか?

今回は以下の5つの領域に分けて、12の銘柄を紹介していきます。

  • 小売り
  • 社会インフラ
  • 通信
  • 食品
  • ヘルスケア

<小売り>

リセッション時であっても、人々は家庭用品、食品などの必需品を購入する必要があります。

そのためそのような製品を扱う小売り業は、リセッション時にも株価が安定します。

ウォルマート

アマゾンが先導するeコマースの拡大にも関わらず、ウォルマート(NYSE:WMT)は米小売業界でトップの座を維持しています。

2019年6月までの12カ月間の売上高は5,180億ドルで、アマゾンの売上の2倍以上です。

ウォルマートは近年、オンラインショップをかなり改善し、同社の増収率はこの10数年で一番伸びています。

また海外市場へ積極展開しており、インドの大手eコマース会社であるフリップカートを買収しました。

堅調な業績に加え、ウォルマートには割安な商品の品揃えという強みがあります。

割安であることは絶対的に有利であり、ウォルマートはウェブサイト、アプリ、配送サービス、および既存店舗を通じて様々な割安商品を提供しています。

そして、2008年の金融危機の前にウォルマートを購入した投資家は、売上高、利益、株価の上昇を享受​​することができました。

今後も同様の展開になると想定する場合、ウォルマートはリセッション対策として十分機能するとみられています。

ダラー・ゼネラル

ダラー・ゼネラル(NYSE:DG)は米国で最も強力なディスカウント小売企業にランクされています。

多くの小売業者が店舗を閉鎖している一方で、ダラー・ゼネラルは新しい店舗を出店し続けているのです。

ダラー・ゼネラルは2008年のリーマンショックの際に上場していませんでしたが、比較的無傷でリセッションを乗り切れる株とみられています。

厳しい経済状況にある場合でも、同社には以下の2つの大きな利点があります。

  1. 顧客が好不況に関わらず、必需品となるような定番商品を販売している
  2. 割安な価格のため、顧客は好況期に比べて景気低迷時に同社で買い物をする可能性が高くなる

また同社は以下の2つの重要な改革を進めており、それによりさらに強力な地位を築くことができます。

  • 低温物流を自社で行うように変更し、利益率を向上
  • 顧客のセルフチェックアウトを開始し、店舗の在庫プロセスを改善

株式市場が大きく下落しても、ダラー・ゼネラルへの影響は軽微とみられています。

<社会インフラ>

電気・ガス・水道は人々の生活に不可欠であり、それらを扱う会社は不況の時でも安定的に稼働しています。

そのような会社は日常的に親しまれているブランドではありませんが、日常生活を送る上で不可欠な会社です。

エンブリッジ

エンブリッジ(TSE:ENB)は世界最大の石油・ガスパイプライン会社です。

同社はパイプライン会社であるため、石油およびガスの生産企業のようにエネルギー価格の変動にさらされておらず、市場が下落している場合、相対的に業績の安定性が高まります。

エネルギー使用量は、経済活動の低下に伴い減少する傾向はありますが、それでも利用が止まることはありません。

エンブリッジの財務レバレッジは高いものの、十分なキャッシュを創出しており、負債削減を進めています。

近い将来、外部資金の調達をせずに新規プロジェクトを立ち上げられる予定です。

アメリカン・ウォーター・ワークス

アメリカン・ウォーター・ワークス(NYSE:AWK)は、ニュージャージー州を本拠とし、米国46州およびカナダの一部で水道事業を展開しており、16州では水道事業を州から移管されています。

水道事業は最もリセッションに抵抗力がある産業の一つで、同社は全米最大の上場水道会社で地理的分散が効いていることが特徴です。

リセッションに強い水道会社の中でも、アメリカン・ウォーター・ワークスが最も有望とみられます。

ネクステラ・エナジー

電気も人々の生活に不可欠であり、電力会社は不況の時でも安定的に稼働しています。

フロリダ州を本拠とするネクステラ・エナジー(NYSE:NEE)は同州に2つの電力会社を保有し、550万以上の顧客に電力を提供しているのです。

さらに同社は、風力および太陽光による世界最大の再生可能エネルギー発電施設を保有しています。

再生可能エネルギー発電コストは低下する見込みで、ネクステラ・エナジーの利益にとって追い風となることでしょう。

<通信>

景気後退時にもスマホやパソコンなどを使用し、インターネットアクセスをやめることはないでしょう。

そのため通信業界もディフェンシブ銘柄となります。

コムキャスト

コムキャスト(NASDAQ:CMCSA)は多角的なメディア企業で、ケーブルTVや高速インターネットサービスを中心に、コネクテッドTVサービス、欧州におけるテレビ放送、自宅でのヘルスモニタリングなど多岐にわたります。

現在はより高速のインターネットが普及し、サービス料金も低下し、インターネットサービスはコムキャストの最大事業部門であるケーブル通信のベースといえます。

ケーブル通信部門は、コムキャストの第2四半期(4~6月)の全売上高の約半分、利益の約3分の2を占めています。

そして、コムキャストの放送セグメントや、まもなく開始される「ピーコック」ストリーミングサービスは、高額なケーブルTVパッケージに対する割安な代替サービスとなることでしょう。

なお、コムキャストは前回のリセッション(リーマンショック)期間において、売上高および利益を着実に増加させており、次のリセッションが到来したとしても、同様に持ちこたえると予想されています。

Tモバイル

2008年の金融危機の際、モバイル通信キャリアはかなり堅調に推移しました。

携帯電話の通話範囲、信頼性、携帯性などの向上により、携帯通信機器は必携となり、米国の多くの家庭では既に固定電話がありません。

今後リセッションがきたとしても、人々が携帯電話を手放すことはないでしょう。

Tモバイルは価格競争の最前線に立っていて、AT&T(NYSE:T)やベライゾン(NYSE:VZ)以下の価格で無制限データプランを提供しています。

同社は次世代5Gモバイルネットワークでも同様のサービスを展開しようとしていて、ユーザーニーズに合わせて、通信の最高速度ではなく最大通信範囲で勝負する意向です。

5Gにおいて、多くのユーザーは価格を重視してTモバイルのサービスを利用するとみられます。

Tモバイルが有利なもう一つの点は、債務水準でネットワークの改善に注力してきたため、ベライゾンやAT&Tと比べると債務水準が低く、機動的な事業展開が可能です。

また長期債務についても、Tモバイルは約112億ドルで近年推移していますが、AT&Tは約1706億ドル、ベライゾンは約1134億ドルと大規模買収の結果、巨額になっています。

<食品>

食品株は、相場下落時に市場リターンを上回る傾向があります。

景気後退時になると人々は一般的な消費を控えますが、基礎的な食事を減らすことはできません。

厳しい経済環境下では人々は高額の買い物を控えますが、その一方で小さな買い物を増やす傾向があるのです。

ネスレ

スイス企業のネスレ(OTC:NSRGY)は世界最大の食品株で、2019年の中間時点で、過去12か月の売上高は930億ドル、時価総額は3,120億ドルです。

「ネスカフェ」は世界最大のコーヒーブランドであると同時に、ネスレは世界中にスターバックスブランドの小売店向け製品を販売しています。

またパッケージ食品業界でも大きな存在で、レストランにも供給し、ベビーフード、健康食品、ペットフードも製造しています。

ほぼ全ての米国の家庭に必要なものを提供する大企業で、前回のリセッションでは一時的な困難に直面し、減収となりました。

しかしコストおよび製品管理を徹底したため、利益はすぐに増加し、リセッション終了時までには株価は大方回復しました。

ネスレは今後も、世界経済の影響を大きく受けることなく、堅調なリターンをあげるとみられています。

ゼネラル・ミルズ

パッケージ食品大手のゼネラル・ミルズ(NYSE:GIS)は、前回のリセッション時に際立っていました。

株価は2008年半ばにピークを付け、その後金融危機の最悪期に急落しました。

しかし、2009年末までには急落分を取り戻して回復し、さらに金融危機時も増配を継続していました。

近年ゼネラル・ミルズやその他の食品大手の株価は下落基調で、より健康的でより新鮮な食品に消費者の関心が大きく移りつつあり、これまでのパッケージ食品の人気が低下しています。

これに対応するため、ゼネラル・ミルズは幾つかの買収を行っています2018年初めに自然食ペットフードのブルーバッファローを買収しました。

そして同社は自社ブランド製品の改善にフォーカスしています。

これらの戦略実行の結果はまちまちで、昨年のオーガニック売上高はわずかな回復の兆候を見せただけです。

しかし経済状況が厳しくなった場合、高価格の商品を展開していて、かつ利幅の薄いビジネスを行っている新興食品企業は、ゼネラル・ミルズなどの安定的なブランドへの対抗余地が小さくなっていきます。

さらに同社の配当利回りは現在3.6%で堅実です。ディフェンシブなスタンスを取る場合、ゼネラル・ミルズが有望との見方があります。

J&Jスナック・フーズ

J&Jスナック・フーズ(NASDAQ:JJSF)は、フィラデルフィアを本拠とするスナック食品やフローズン飲料メーカーです。

小売業者や食品サービス企業を通じて製品を供給し、代表的な商品は「スーパープレッツェル」ソフトプレッツェル(冷凍食品)や「Icee」フローズン飲料です。

同社は1971年に冷凍ソフトプレッツェルメーカーとして設立され、買収やライセンス提携を通じて製品ラインナップを拡大してきました。

1988年に、フローズン飲料を開拓したカリフォルニアのIceeを買収し、同飲料分野に進出しました。

J&Jは、米国では小売店舗、レストラン、映画館、学校、スポーツ施設、軍関連施設で製品を販売しており、海外でも各種製品を展開しています。

<ヘルスケア>

ヘルスケア業界も市場や経済全体で何が起こっているかに関係なく、常に安定した需要があるのが特徴です。

また景気動向に関係なく、人々は風邪を引き、ケガをして薬を必要とします。

ヘルスケア業界も典型的なディフェンシブ銘柄といえるでしょう。

アボット・ラボラトリーズ

アボット・ラボラトリーズ(NYSE:ABT)の最大の収益源は医療機器です。

僧帽弁逆流を治療するためのハート・メイト3左心室補助装置とミトラクリップ装置の販売が増加したこともあり、売上高は着実に増加しています。

また同社の医薬品、および診断薬事業セグメントも堅調な成長を続けています。

同社は新しいバージョンのリブレシステム(センサーにかざしてスキャンするだけで、痛みを伴わずに、わずか1秒でグルコース値を測定することができるもの)に関して、米国食品医薬品局(以下「FDA」)の認可を待っています。

アボット・ラボラトリーズ(以下「アボット」)は、2008年のリーマンショックをうまく乗り越え、製品需要が落ちず、株価も大きく下落しませんでした。

同社は、市場や経済全体で何が起こっているかに関係なく、常に安定した需要がある製品を販売しています。

ブリストル・マイヤーズスクイブ

ブリストル・マイヤーズスクイブ(NYSE:BMY)(以下「ブリストル」)も、リーマンショックを比較的うまく乗り切ったヘルスケア株です。

市場調査会社のエヴァリュエイトファーマは、ブリストルの2つの製品、弁膜症性心房細動患者向けのエリキュースと免疫療法薬のオプジーボが、2024年までに世界で最も売れている薬の中でそれぞれ3位と4位になると予測しています。

またブリストルは、がんや炎症・免疫性疾患の領域における医療用医薬品の研究開発・販売を行うセルジーンを買収したことで、さらに大ヒットする医薬品を追求しています。

この買収は、多発性硬化症薬のオザニモドや細胞療法のリソセルとアイデセルを含む、強力なパイプラインをブリストルにもたらします。

オザニモドは来年早々にFDAの承認を獲得する見込みで、リソセルとイデセルの承認も間もなくでしょう。

セルジーンの買収はブリストルの成長見通しを押し上げるはずです。

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免責事項と開示事項 記事の作者、中澤航太は記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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