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米国の高配当株式ETFならこれは外せない!「SPDRポートフォリオ S&P500高配当株式(SPYD)」について

高配当な米国ETFとは、配当利回りが高くて基準価格の変動幅であるボラティリティが緩やかなディフェンシブな銘柄で構成されているという特徴があります。

今回ご紹介するSPDRポートフォリオ S&P500高配当株式(SPYD)は、そのような高配当な米国ETFの中でも少しユニークな特徴をもっているETFです。

高配当にこだわった投資戦略で投資に臨んでいる方や、安定的なキャッシュフローを得たいという方にはおすすめのETFの一つと言えるでしょう。

今回はその特徴や注意点も含めて、詳しくご紹介していきます。

高配当ETFの中でも特に高い配当がメリットとなるETF

SPDRポートフォリオ S&P500高配当株式(SPYD)は、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの提供する高配当の米国株式ETFで、SPDRは「スパイダー」と呼びます。

SPYDは「S&P500® 高配当指数(S&P® 500 High Dividend Index)」に連動するように運用されています。

このインデックスはS&P500株価指数を構成する銘柄の中から高配当利回りの上位80銘柄に投資する運用形態がとられています。

運用開始は2015年7月からと比較的新しいETFですが、これまでの分配金利回りは軒並み4%を優に超えるというパフォーマンスを示しています。

このような高いパフォーマンスでありながら、経費率は0.07%と非常に低コストで保有することができます。

常時ある一定レベル以上のキャッシュフローを重視したり、配当金生活を送りたい方にはとても有効なETFと言えるでしょう。

詳しくは後述しますが、高い分配金利回りはポートフォリオの中身にあります。

他の高配当ETFに比べると、不動産セクターと公益事業の割合が高い点が挙げられます。

特に不動産セクターについては高配当となる大きな要因となっています。

運用先となるステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズはアメリカでは3番目に大きな運用会社となっています。

この会社は米国初(世界初)となるETFであり、世界最大の資産総額を誇る巨大なETF「SPDR® S&P500® ETF(SPY)」を運用している会社としても有名です。

それでは次にSPYDのさらに詳しい特徴について解説していきます。

運用開始以来続く年4%超の高い分配金利回り

手元のデータでわかるSPYDの2019年6月末時点の分配金利回りは4.46%となっています。

それ以前のデータを見ても、運用開始から例年のように4%を超える高い分配金利回りを実現しています。

分配のスケジュールは四半期ごととなっており、キャピタルゲインを狙いつつも、3ヶ月ごとの安定したインカムゲインも獲得できる点はメリットといえるでしょう。

尚、年4回の分配月(配当月)は、3月、6月、9月、12月の下旬です。

(出典:State Street Global Advisors 2019年06月30日付けファクトシート)

80の構成銘柄は均等配分投資で分散効果を実現

同じS&P500というインデックスであっても、SPYDは元の指数とは大きく異なるような構成比率となっている点が非常にユニークです。

通常のS&P500®指数は時価総額加重平均となっており、マイクロソフトやアマゾンといった超大型IT株が上位に来るような銘柄構成になっています。

一方のSPYDが連動する「S&P500® 高配当指数(S&P® 500 High Dividend Index)」の場合、S&P500指数銘柄の中でも配当利回りで上位にくる80銘柄から構成されています。

80銘柄という銘柄数は高配当ETFの中でも少ないほうであり、高配当に特化した銘柄選定となっているのがわかりまあす。

その80銘柄については、毎年1月と7月の2回のリバランス時に各銘柄の構成比率がほぼ均等になるように調整されています。

以下の表は、2019年9月末時点のSPYD組入れ上位10銘柄です。

(出典:State Street Global Advisors 2019年09月30日付けファクトシート)

80の各銘柄がほぼ均等に配分されているので、この上位銘柄のデータについてはあまり大きな意味を持ちませんが、およそどんな企業の銘柄で構成されているのかがわかります。

最上位となる「Newell Brands(ニューウェルブランズ)」は高級万年筆で有名な「パーカー」を取り扱っている会社として有名です。

また、キャンベルはスープでおなじみですし、AT&Tは日本のNTTに相当するテレコムカンパニーとして有名です。

業種別構成比率もユニーク

SPYDは業種別の構成比率も他の高配当ETFと比べ、とてもユニークであることがわかります。

下の表はSPYDの業種別構成比率です。

(出典:State Street Global Advisors 2019年09月30日付けファクトシート)

この表からわかるのは最も大きい不動産セクターが全体の約20%を占めていることです。

不動産セクターは配当金利回りが高い銘柄が多く、SPYDの特長である高配当を実現する要因となっています。

この不動産セクターは景気動向に敏感なセクターであり、二番目に大きなウェイトを占める「一般消費財」も景気循環セクターに属します。

2つのセクターを合わせると36%超と全体の3割今日を占めており、他の高配当な米国株式ETFに比べるとハイリスク・ハイリターンの傾向が見て取れます。

ただし、そのリスクヘッジとして景気に左右されにくいとされるディフェンシブセクターである「エネルギー」と「公益事業」を合計すると20%を少し超える比率で構成されています。

このうち公益事業セクターについては高い配当利回りであるために、不動産セクターと同様にSPYDの高配当の特長づける要因となっています。

低い経費率と基準価格でポートフォリオ構築できる

SPYDは競合するiシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(HDV)やバンガード 米国高配当株式 ETF(VYM)よりも低い0.07%という経費率を実現しています。

この経費率は米国高配当ETFの中では最安となっており、低コストでの投資が可能となります。

また、SPYDの基準価格は1口当たり39.39米ドル(2019年12月26日時点)であり、1米ドル110円換算で約4,30円となっています。

非常に少額で米国高配当株式ETFのポートフォリオ構築が可能です。

SPYDの注意点

高配当な米国ETFの中でも最も高配当という特長を持つSPYDですが、注意すべき点もあります。

そのような注意点とは以下のようなものになります。

不動産セクターと一般消費財セクターの構成比率が高い

高配当な米国ETFの中では、セクター別の構成比率で不動産セクターと一般消費財セクターのウェイトが高いという特徴があります。

いずれのセクターも景気動向に左右されやすく、ディフェンシブな銘柄の多い高配当ETFの中においてボラティリティが高く、比較的ハイリスク・ハイリターンな点には注意が必要です。

もちろん景気回復基調や景気が絶好調な場合には価格上昇の面からプラス要因となりますので、一概にネガティブな面ばかりを見るわけにはいきません。

銘柄数が80と少なく、リスク分散効果が限定的

既にお伝えしているように銘柄構成の数は80銘柄と少なく、またセクターも上位4つのセクター(不動産・一般消費財・エネルギー・公益事業)で全体の60%近くを占めており、構成に偏りがあります。

そのような構成が価格の変動割合であるボラティリティを高める要因にもなりかねません。

まとめ

今回は高配当な米国ETFの中でも少しユニークな特徴をもっているSPDRポートフォリオ S&P500高配当株式(SPYD)の特徴や注意点などをご紹介しました。

SPYDは何よりも高配当重視で資産運用したいという方には検討する価値のあるETFの一つです。

また、銘柄構成が不動産や一般消費財、エネルギー、公益事業に偏った傾向のあるETFです。

しかし、自分のポートフォリオの中にそのような銘柄の割合が少ない場合には1本取り入れておくとリスク分散効果が期待できるでしょう。

上手くその特徴を活かして資産運用をしていきたいものです。

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