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フェラーリは車だけでなく株としても特別か?

憧れの超高級車フェラーリ。真っ赤なボディと跳ね馬のエンブレム。かっこいいですね。一番安いポルトフィーノでも2500万円します。ため息が出ます。

車は簡単には買えないかもしれませんが、その車を作る会社の部分オーナーになることはできます。フェラーリの株を買えばいいのです。

NY市場に上場しています。ティッカーシンボルはRACE(NYSE:RACE)

記事執筆時点、$170くらいです。2万円以下で、フェラーリ(会社の一部)が買えます。

その歴史を簡単に振り返ってみましょう。

Ferrariは、1947年にイタリアでエンツォ・フェラーリによって設立された会社で、レーシングカーと王侯貴族や富裕層に愛用される高級スポーツカーのみを製造している自動車メーカーです。

会社創立者のエンツォ・フェラーリがとても頑固で、手作業の多い製造工程で市販車にもレーシングカー並みの性能を求めていたことや、モータースポーツへの多大な投資などで経営が必ずしも安定していませんでした。

レーシングカーと高級スポーツカーのみを生産し、富裕層のみをターゲットを絞る、選択と集中のビジネス戦略を徹底的に取り続けてきました。

その結果、経営が安定していなかったために、フィアット傘下に入ることになってしまいました。

フィアット傘下に入ることにより、経営が安定化し、その中で品質の向上、安全装備、快適装備の充実が図られました。

従来から行われていた、限定生産により希少価値を生む手法を更に拡大し、年間総生産台数の上限を設けたことで、より希少価値が生まれました。

この歴史の中で、彼らが偏屈にも、作る車と顧客層のフォーカスを変えないことにこだわり続けてきたことが、ルイ・ヴィトンのようなラグジュアリーブランドを持つモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMUY)やエルメス・インターナショナル(RMS:パリ上場)のように評価される原因となっています。

性能だけで言えば、フェラーリを上回る車はあります。

しかし、フェラーリはそれ以上のオーラを持っており、やはりフェラーリが選ばれてしまいます。

それがフェラーリの持つブランドの強さです。

他のメーカーは、様々な車種(SUVやミニバンなども含め)を増やすことで商品ラインナップを増やしています。

短期的には商品ラインナップの拡大は売上や利益を上げるケースが多いですが、長期的にはブランド・イメージが損なわれる可能性も高く、危険な戦略でもあります。

高いブランド・イメージを持ち、生産台数制限で希少価値を高めているので、価格決定力は供給側であるフェラーリにあります。

生産台数をむやみに増やすことなく、価格を少し上げれば、売上高は増やせます。そして買い手はそれに文句は言わない人たちです。

通常、自動車メーカーは、非常に景気の波に影響されやすいため(景気敏感株です)、PER水準は一桁台であることが普通です。

一方、フェラーリは、富裕層にターゲットを絞っていることから、景気の影響は比較的小さく、安定的に収益も伸びやすい構造です。

ここで、主な自動車メーカーとの比較をしてみましょう。下の表をご覧ください。

一株当たり利益(EPS)の伸び、売上(Sales)の伸び、利益率(Profit Margin)、ROE(株主資本利益率)などどれを見てもトップです。特に利益率やROEの高さは群を抜いています。

他の名だたる世界一流の自動車メーカーとは全く異なる水準です。バリュエーション(PER)は自動車会社のレベルではないです。

参考までに、一番下にファッションブランドの雄であるLVMHモエ・ヘネシーを比較対象に載せています。

利益率やROEでは、フェラーリの方がはるかに高い。即ち、より儲かるビジネスをしているということです。

生産台数を絞り、富裕層の飢餓感を煽っているので、中古車価格も下がりません。

したがって、お金持ちにしてみれば、どんどん乗り換えても、値下がりが少なく、保有期間中価値の目減りが少ないので、実質的にはとても安く乗っていたことになります。

そうした効果もあり、富裕層の人気を集めています。

現時点での売り上げは、欧州・中東・アフリカが46%、南北中央アメリカが30%(意外に少なかった)、中華圏(中国、香港、台湾)が10%、その他のアジアは15%程度です。

今、富裕層が急速に増えているのが、中華圏、そしてその他アジアです。

中華圏の売上の伸びが対前年比50%で増加しています。

その他アジアが20%の増加です。欧州・中東・アフリカがその次で、南北中央アメリカは一桁の伸びです。

今、売上の比率の低い中華圏、その他アジアが高い伸びを示しているので、当面、売上の伸びが鈍化する心配がありません。

今のビジネスモデルを忠実に行っている限り、今の好循環は続くと思われます。

ただし、年間総生産台数を制限しているので、爆発的に売上高が増加することもありません。

安定的に上昇し続け、儲け続けるビジネスモデルです。

IPO後ほどの割安感はないですが(2015年10月のIPO価格は$52でした)、現在の$170という価格も決して高すぎないと思います。

ビジネスをする上で、この選択と集中のビジネス戦略をよく取り上げられるものですが、フェラーリほど徹底してやっている企業は多くないと思います。

ファッションブランドですら、関係ないものにまでいろいろ手を出しています。

選択と集中の成果が、今のフェラーリのブランドを作り上げ、強固な儲かるビジネスモデルを作り上げてきました。

やはり、フェラーリは、製品である車と同じで、特別なものであり、長期保有に合った銘柄ではないかと思います。


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