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メキシコへの投資リスクが上がった理由とは?

日本経済の失速と停滞から、海外へ投資をする方が増えています。

発展途上国への投資は大きなリターンを生むかもしれませんが、同時に大きなリスクを抱えます。

特に最近では有望と思われていたメキシコへの投資が、とある事情から難しくなっています。

今回は、メキシコへの投資リスクが上がった理由について解説をします。

メキシコの現状

経済的にアメリカと密接な関係

メキシコの人口は1億2000万人を超えており、世界11位と上位に位置しています。

日本と同程度の市場を国内に持ち、アメリカのすぐ南側にあるため、アメリカの市場に介入できるという地理的に有利な場所にいます。

そのため、輸出の大半はアメリカ、次いでカナダを中心としています。

アメリカにとってもメキシコは大きな貿易相手国であり、同時に石油供給国でもあるため、互いの関係は緊密と言えます。

労働者コストを削減するために、外国人労働者を雇用するのは一般的で、一昔前は中国人が主な労働力でしたが、中国人の人件費が上がったことを受け、今度はメキシコ人が外国人労働者の主流となりつつあります。

大統領が変わったことで経済政策が変更

2018年まで、メキシコは対外開放・自由主義の経済政策を取っていました。

外貨を導入する為の新空港建設や、石油鉱区の入札などを解放。

メキシコに外国からのお金を流入しようとしていました。

ところが、2018年12月に就任したロペス・オブラドール現大統領は、前政権が取ってきた経済政策を相次いで中止にし、最低賃金の大幅引き上げを断行。

結果として、それまで年3%以上成長していた経済が減速してしまいました。

前政権は40カ国以上と自由貿易協定を結び、外国からの投資を成長に繋げてきましたが、新大統領はこれらの政策を成果が出ていないと断じ、新空港プランも無駄使いだとして中止にしました。

これらの行動が投資にブレーキをかけており、外国人投資家はメキシコに対する投資を一時的に中止しています。

現大統領の支持率は高い

前政権の経済政策をことごとく否定し、投資を停滞させるオブラドール大統領ですが、支持率は4月時点だと78%非常に高いです。

これは、支持基盤である貧困層を狙った戦略がマッチしているからです。

現大統領は貧困層に対して、年金や奨学金の拡充、そして開発が遅れてスラム街となっている南部を重点的に開発すると約束。

そもそも、労働者の最低賃金を引き上げたのも労働者の大規模ストライキに応える形でした。

このように、支持基盤を固めたオブラドール大統領は、前政権が残した汚職や環境問題を、全て前政権の仕業というイメージを民衆に植えつけることに成功。

高い支持率は、支持基盤の盤石さを裏付けます。

そのため、オブラドール大統領の経済に対する政策が変わることはありません。

メキシコの投資リスク

2018年までのメキシコは、年3%の成長をしており、ファンドやメキシコペソ円(FX)も安定していたため、優良な投資対象として注目されていました。

しかし、2019年12月時点だと、メキシコへの投資は大変なリスクを持つと言わざるを得ません。

オブラドール大統領の政策

上記でも説明しましたが、オブラドール大統領は自身の支持基盤である貧困層に迎合した経済政策を選択しています。

大統領選では、経済界との協力を親密にし、意見を聞くと語っていましたが、当選後の行動とは一致しません。

そのため、貧民層を救済するための経済政策を中心に活動するのだと予測されます。

外国からの投資に頼らず、自国内の経済だけで貧民層の救済や、南部の開発を進める場合は個人投資家が介入する余地はありません。

また、オブラドール大統領が貧民層の意見ばかりを採用することを機関投資家は不安視しています。

政策金利を3会合連続で下げたのも拍車をかけています。

大きな影響を受けるアメリカの貿易摩擦

メキシコは地理的にも経済的にもアメリカの大きな影響を受けます。

そのため、アメリカが米中貿易摩擦を続けると、メキシコにも少なからず影響を被ります。

実際、2018年10月は米国株式が急落したことを受けメキシコペソが下落。

2019年5月は米中貿易摩擦の悪化に伴い、投資家の不安な心理が働いてメキシコペソが下落しました。

6月以降は為替に変動はありませんでしたが、メキシコはアメリカの影響を受けやすい国です。

米中貿易摩擦のようなネガティブなニュースがあれば、即座に影響を受けて経済がマイナスに傾く可能性は十分に考えられます。

リスクを承知でメキシコに投資したい方

上記で説明したように、現在のメキシコに投資をするのは非常にリスクが高いと言えます。

一方で、経済が失速しているときに投資をすれば、経済が再び成長したときのリターンが大きくなるという考え方もあります。

どうしてもメキシコに投資をしてみたいという方は、海外ETFを試してみましょう。

「iシェアーズ MSCI メキシコETF」はメキシコの株式全般の指数と同等の投資成果を目指しているファンド。

1996年に設立されたファンドで、2014年に最高額約1万5千ドルまでに達しました。

現在は1万ドルのラインを行き来しており、ここ5年ほどは停滞しているファンドになりますが、歴史が古く安定度が高く、日本でも購入しやすいファンドとなっています。

まとめ

以上が、メキシコに投資するリスクが上がった理由の解説になります。

大統領の交代によって経済政策が変わるのは珍しいことではありません。

そのため、外国に投資をする際は、今のリーダーがどんな経済政策をしようとしているのかチェックするべきです。

上記でも説明しましたが、現在のメキシコは経済的に先行きが不透明で、どうなるか予測が付きづらいです。

もし、メキシコに投資するなら損失を出しても大丈夫な余剰資金で行いましょう。


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