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経済指標は株価にどのくらい関係する?

毎月アメリカでは失業率などの雇用統計が発表されます。

また、雇用統計以外にもISM製造業景気指数や小売売上高などの国内景気の動向を示す指標が発表されます。

経済の約7割が個人消費で支えられているアメリカ経済にとって、雇用や景気指数は非常に重要な指標になっており、各指標が低下すると国内消費が停滞し、物価が下落します。

物価が下落すると国内の実質金利は上昇するので企業が資金調達に消極的になり、業績が悪化していくのです。

今回は、そんな経済指標がどのくらい株価に影響するのか検証していきたいと思います。

そもそも経済指標とは?

まず、経済指標についてご説明します。

経済指標とは特に注目されるものとして、失業率や非農業部門雇用者数、ISM製造業景気指数、非製造業景気指数、小売売上高が挙げられます。

失業率とは、労働力人口に対する完全失業者の割合のことを指し、毎月第一金曜日の21時半(冬は22時半)に発表されます。

失業率は上昇すれば景気悪化、低下すれば景気回復と判断します。

次に非農業部門雇用者数とは、農業以外の産業で働く人の数のことを指し、毎月第一金曜日の21時半(冬は22時半)に発表されます。

非農業部門雇用者数は上昇すれば景気回復、低下すれば景気悪化と判断します。

次にISM製造業景気指数とは、300社以上の製造業を対象に受注や生産、雇用など10項目において景況感を3段階で評価したものを集計して景気の指数としたものです。

毎月ISM(全米供給管理協会)の第一営業日に発表されます。

次にISM非製造業景気指数とは、製造業景気指数と同様に10項目について非製造業の購買担当者が景況感を3段階で評価したものを集計して景気の指数としたものです。

毎月ISM(全米供給管理協会)の第三営業日に発表されます。

最後に小売売上高とは、国内の小売・サービス業の売上高を集計したものです。

中でも、自動車部門は売上高の変動が激しいので、自動車部門を除いたコア売上高が特に注目されています。毎月第二週に発表されます。

以上の指標を使って株価(S&P500)を事前に予想できるか検証していきましょう。

株価と最も関係しているのは“失業率”

まず、経済指標を基準に株価を予想する上で重要なのは、各指標が発表される直前の“アナリスト予想”です。

どの指標も発表前にアナリストが予想していて、その数値を上回るかどうかで株価が動くのです。

したがって、失業率が低下(景気回復)したからといって必ずしも株価が上がるわけではないのです。

もっと具体的に説明すると、事前のアナリスト予想を基準に多くの投資家は取引を行い、本発表では上回るかどうかに注目して、予想と変わらなければ株価は動かないのです。

アナリスト予想や実際の発表値は各証券会社の経済指標カレンダーで確認頂くとして、今回はシンプルに、アナリスト予想を考慮せずに本発表値がどのくらい株価に相関しているのか検証してみます。

(表1:yahoo!financeよりデータを収集)

2008年1月から2019年10月までの期間で経済指標がS&P500に統計学的に相関していたのは、失業率とISM製造業景気指数とISM非製造業景気指数でした(すべて1%有意)。

また、最も株価に影響度が大きいのは失業率で、0.1ポイント低下(景気回復)したら株価は約237ドル上昇することが分かりました。

まとめ

以上のことから、特に失業率が株価と関係していることが分かりました。

景気判断の際に、GDPの前年比を見ることが多いと思いますが、一方で失業率も景気判断で重要視されています。

また経済学では、失業率と物価はトレードオフの関係にあり、上手くバランスさせていくことが重要とされています。

そういった意味でも失業率は株式市場から注目され、また米国の雇用形態の観点からも企業の景気が悪化すると機動的に解雇を行うので、国内景気に敏感な指標と位置付けられているのかもしれません。

ぜひ上記の検証を参考にして経済指標と株価を観察してみて下さい(事前のアナリスト予想もお忘れなく)。

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