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ペプシコの新CEOは根本的に戦略を変えるだろうか?

モトリーフール米国本社、2018年12月3日投稿記事より

ペプシコの新たなリーダーは、前任者の路線を踏襲するか、大胆に戦略を変えるか、という2つの選択肢に直面しています。

ペプシコの新CEOラモン・ラグアータは、同社の舵取りを12年間行ってきたインドラ・ヌーイが退任した後、10月3日に着任しました。

彼は、飲料事業や軽食事業に関する計画を明らかにしていませんが、その戦略を推測するのは有意義なことだと思われます。

ラグアータはヌーイの戦略を継承するのか

ペプシコに22年間勤め、つい先日CEOの座を射止めたラグアータは、同社のサハラ砂漠以南のアフリカと東ヨーロッパのビジネスを統括するという貴重な経験を積んできました。

彼は、前CEOのヌーイから、伝統的な炭酸飲料だけでなく、より健康な飲料にも対応できるように多様化した組織を継承しています。

ラグアータCEOは、前任者ヌーイとCFOのヒュー・ジョンストンがとってきた戦略を継承するかどうかということを決めなければいけません。そのなかには、飲料事業の安定化、軽食事業の成長、M&Aなどが含まれています。

前任者ヌーイの在任中、同社は、大胆な戦略変更を避けてきました。例えば、ライバルのコカ・コーラは、北米ボトリング事業の完全子会社化などを行いましたが、ペプシコはそのような積極的な動きを見せませんでした。

ヌーイのそのような姿勢を象徴する出来事としてはこのようなものがあります。2013年にアクティビスト投資家であるネルソン・ペルツから、軽食部門の競争相手であるモンデリーズ・インターナショナルとペプシコの合併を提案されました。それを、ヌーイはきっぱりと断ったのです。

さらに、ペルツは、コカ・コーラと対抗するために飲料事業を分離することを提案しましたが、ヌーイはそれもはねつけました。ヌーイは、ペプシコの軽食事業と飲料事業は一緒に行ったほうがよいと思っていたからです。

その結果、ペプシコは、市場リターンを上回り、過去10年間で平均19%のリターンを生み出しました。

しかし、これは、適切な機会に同社が投資しないということを意味するものではありません。実際に、同社は2018年にソーダ・ストリームを32億ドルで買収しました。

2018年10月のペプシコの第3四半期決算説明会において、CFOのジョンストンは、ソーダ・ストリームが完全に新しい市場(家庭内飲料)に参入する貴重な機会を提供していると説明しました。

しかし、この大規模な買収は、同社の積極的な買収戦略の始まりではない、とも述べています。ジョンストンは、ペプシコはすぐに5億ドル以下の範囲での小規模な買収慣行に復帰するだろう、と投資家に伝えました。

就任直後の動きをみると、ラグアータCEOは前任者ヌーイの戦略を継承すると思われます。10月31日、ペプシコは、小規模ですが急速に成長している、植物ベースの軽食を提供するヘルスウォリアー社を買収しました。

これは、ペプシコ・ハイブと呼ばれる新たな組織による最初の買収です。ペプシコ・ハイブは成長している新興ブランドを買収するための組織です。そして、買収した企業の商品を、ペプシコのマーケティングと流通網を使って流通させます。

より大胆な行動をとるべきか

ラグアータCEOは、積極的に買収をしかけ、リスクをとって利益をもたらすべきでしょうか。それとも、株主への配当を高めることができるように、現状を維持するべきでしょうか。

例えば、コカ・コーラのCEOであるジェームズ・クインシーは、マター・ケントからCEOの地位を引き継いでから1年半も経たないうちに、ウィットブレッド社からコスタ・コーヒーを51億ドルで買収するなど、積極的な動きを見せています。

さらに、スポーツドリンクのボディアーマーに資本参加し、昆布茶メーカーと高タンパクスムージーの専門会社を買収しました。

これらのコカ・コーラのM&Aにより、世界最大のノンアルコール飲料会社に対する投資家の関心が再燃しました。

2年前は、コカ・コーラの株式は14%のリターンを記録しました。同じ期間、ペプシコは27%のリターンを達成しました。しかし、コカ・コーラ株式は、今年の年初来、ペプシコ株式の1%の上昇に対して、12%も上昇しています。

ペプシコは安定した経営のおかげで、過去10年間継続的に成長しています。新しいブランドとポートフォリオの多様化するビジネスモデルは、非常に安定した収入源を作り出しました。

その結果、同社は、今年、配当金支払い50億ドルと自社株買戻し20億ドルを行い、株主に70億ドルを還元する予定です。

コカ・コーラがリスクを積極的に取るのとは逆に、ペプシコは今のところ株主還元を重視しています。

ペプシコは2月上旬に第4四半期決算を発表する予定です。そこでのラグアータCEOの発言から、今後のペプシコの進む道を、ある程度推測できるでしょう。


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