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【銘柄紹介】Amazon.comってどんな企業?

「Amazon」と聞くと思い浮かぶのは、ネット通販サイトですよね。

ただし、Amazonはそれ以外にもさまざまな事業を展開していて、主力事業も移り変わりつつあります。

私たち日本人にとって、米国企業の詳細を把握するのはなかなか大変なことですよね。

今回は、時価総額ランキング世界3位の「Amazon.com」について、銘柄紹介をしていきます。

基本情報

まずは、Amazon.com(以下:Amazon)の基本情報をご紹介します。

  • 本社…ワシントン州
  • 創業者…ジェフ・ベゾス氏
  • 現在のCEO…ジェフ・ベゾス氏
  • 上場市場…NASDAQ(シンボル:AMZN)
  • 時価総額…8,655億ドル(2019年11月24日現在。Yahoo!ファイナンスより)
  • 決算日…12月31日
  • 発行済株式数…4億9500万株(2019年11月24日現在。Bloombergより)

概要

Amazonは2019年3月期のEPSが予想値を下回っていたのですが、これはコスト増加による当期純利益減少によるものです。

このコストは、生鮮食品を販売する「Amazonフレッシュ」において競合他社に合わせた月額利用料の撤廃に伴い発生しました。

また、クラウドサービスAWSのシェアがMicrosoftのAzureに首位を奪還されたという出来事もありました。

ただしAWSは汎用性が非常に高いため、現在はヘルスケア産業に参入しサービスの幅を拡大しています。

Amazonと聞くととくに日本人の方は“ネット通販サイト”というイメージが強いかと思いますが、近年では実店舗営業などもスタートしており革新的な動きが伺えます。

業績

では、Amazonの業績を見ていきましょう。

Amazonは12月末日決算でまだ2019年度決算が終了していないため、本記事では2018年以前のデータを使用してお伝えしていきます。

また、データはAmazonの投資家向け広報ページから取得しました。


(図1)

図1は、売上高と当期純利益のグラフです。

2018年までは、売上高が年々増加していることが読み取れます。

直近の2019年第3四半期でも、売上高はアナリスト予想の688億ドルを上回り700億ドルでした。

ただし、2019年第4四半期についてAmazonが出した売上高予想は、アナリスト予想874億ドルを下回る800億~865億ドルでした。

そのため売上高の先行きは少し不安かもしれません。


(図2)

図2は、地域別売上高のグラフです。

Amazonの売上高はアメリカに大きく集中しており、増加幅もほかの地域と比べて大きいことが読み取れます。


(図3)

図3は、営業費用の内訳を示すグラフです。

大きな割合を占めている「フルフィルメント」とは、EC事業に係る費用です。

上記でも少し触れましたがAmazonフレッシュというサービスがあり、かつて月額14.99ドルで即日発送をおこなっていました。

ただし、ウォルマートやターゲットなどの大手スーパーマーケットがオンライン参入を開始し、さらに無料で即日発送サービスをおこなっていることを受け、Amazonも月額利用料を無料にせざるを得ない状況になったのです。

この状況は採算度外視ともいえるため、フルフィルメントが大幅に増加する原因となっています。

また、「販売費及び一般管理費」にも注目してみましょう。

Amazonで働く方のことを「アマゾニアン」と呼ぶのですが、そのなかでもアルバイト・非正規雇用者の労働環境の悪さが問題視されているという事実があります。

というのも時給がかなり低く、とくに年末の労働環境がアメリカトップクラスといえるほど劣悪なブラック企業といわれているのです。

そのため2015年には労働組合も結成されており、それによってAmazonや給料引き上げに踏み切りました。

2019年7月にも待遇の改善を求めるストライキがおこなわれているので、まだまだアマゾニアンの労働環境に対する悩みは解決しきれていない可能性があります。

よって今後も販売費及び一般管理費が増加すると考えられるでしょう。

(図4)

図4は、製品別売上高のグラフです。

オンラインストアが収益源となっていることが読み取れます。

2019年7月からはシアトル在住のアマゾニアンとその配偶者、パートナー、その他扶養家族を対象に「Amazon Care」という医療サービスプログラムの提供が開始されました。

今後はさらに対象者を拡大していく予定ですので、こちらの売上高貢献も期待できます。

また、オンラインストアの次に売上高が多いのが「サードパーティ製品」です。

サードパーティ製品とはいわゆるIoTデバイスのことで、Amazon製品ではスピーカー・イヤホン・メガネ・指輪・アラームなどがあります。

サードパーティ製品ではユーザーエクスペリエンスを提供しているほか、AWSによって機能をさらに補完しています。


(図5)

図5は、売上高・売上原価と粗利益率のグラフです。

粗利益が年々上昇しており、非常に高水準にあることが読み取れます。

Amazonフレッシュや実店舗にかかるコストで今後は低下する可能性がありますが、数値としては問題ないでしょう。

実店舗を拡大

Amazonの実店舗「Amazon Go」をご存知でしょうか?

Amazon Goはコンビニなのですが、なんとレジが無人で、店内で支払いをせずに欲しいものを袋に入れて退店することができます。

1店舗目は2016年12月にオープンし、現在では21店舗あります。日本上陸も近いうちに実現するでしょう。

また、Amazonはアメリカの主要都市で新たに数十店舗の食料品スーパーの展開を計画していると発表しました。2019年の年末から2020年頃には1号店が開店する見込みです。

このスーパーにAmazon Goの技術が使用されるかは定かではありませんが、Amazonの新たな実店舗拡大に期待が高まります。

主力事業「AWS」について

ここで、Amazonの主力事業であるAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)についてご紹介します。

AWSとはクラウドサービスのことで、2006年に企業を対象に提供開始されました。

必要なときに必要な分だけ安価でITリソースが享受でき、稼働も非常にスピーディーというメリットがあります。

AWSを利用すると、Webアプリ開発・ゲーム開発・データ処理・データウェアハウスなどが可能です。

クラウドサービス市場においてAWSはシェア首位にありましたが、2018年にMicrosoftの「Azure」がAWSを追い越し首位に立ちました。

それだけではなく米国防総省のクラウドプロジェクト「JEDI」の契約先として本命視されていたはずのAWSではなくAzureが選定されたという出来事もありました。

CEOのジェフ・ベゾスは不服として米国政府を提訴しています。

社会性が問題視

CEOのジェフ・ベゾスは、Amazonを創業する前から長年連れ添っていた妻と自身の不倫が原因で離婚しました。

このことから彼は社会的な評判があまりよくありません。

また日本での感覚とは少し異なると思いますが、アメリカでは大企業のCEOといった大富豪ともなると、慈善事業をおこなって社会貢献をするのが恒例とされています。

ただし世間からの印象として、彼はあまり目立った慈善事業をおこなっていないと見られていて、そういった意味でもあまり評判がよくないのです。

また上記でも紹介しましたが、労働環境が劣悪で労働組合結成やストライキが起こっていることもあるので、世間からの支持がもっと必要かもしれませんね。

まとめ

本記事ではAmazon(Amazon.com)についてご説明してきました。

私たち日本人からすると、馴染みがあるECサイト「Amazon」以外にもさまざまな事業が展開されていることが少し意外だったかもしれません。

レジ無人の実店舗やAWSのビジネス拡大から、Amazonは私たちが思うようなEC企業ではなく、クラウドコンピューティング企業へと駒を進めていると考えられます。

Amazonフレッシュにおけるコスト増がネックとなっていますがそれ以外に業績において大きな問題点はとくにありませんし、今後のビジネスにも大いに期待が高まります。

ぜひ米国株の投資対象として検討してみてはいかがでしょうか?

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免責事項と開示事項 記事の作者、タナカチアキはアマゾンを保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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