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仮想通貨銀行シグナムとは?仮想通貨の銀行が誕生するメリットを解説

ビットコインを始めとした仮想通貨は、自分で管理するウォレット(財布)か、売買を行える取引所に預けて保管するのが一般的でした。

しかし、2019年8月にスイス金融局から「シグナム」が認可を受けたのが話題になりました。

今回は、世界初の仮想通貨銀行シグナムとはどんな銀行なのか、仮想通貨の取引にどのような影響を与えるのか解説します。

銀行の役割

そもそも、銀行の役割とは何なのか、簡単に解説します。

銀行は主に、「お金を安全に保管・管理」と「預金を運用して利息を付ける」の2つの役割と、「お金を必要とする人に貸し出す」と「お金の決済をする」という2つの機能があります。

個人が預けたお金を使って資産運用をし、会社などにお金を貸して利益を上げ、振込や手形・小切手、海外送金などの決済を代わりにおこない手数料を受けとる。

これらが銀行の主な役割です。

仮想通貨と取引所の役割

銀行のデメリットは、決済を行う際の手数料が高い点にあります。

たとえば、三菱UFJ銀行の振込手数料は、同じ銀行の他店あてだと110円、ほかの銀行あてだと275円~440円かかります。

現在の普通預金の利息は年0.001%。110円の利息が1,100万円を預金するか、100万円を11年間預金しなければいけません。

このように手数料が高い銀行に対して、送金手数料が安く、送金が素早く安全とされる仮想通貨が誕生しました。

仮想通貨は銀行と違い、中央で管理するシステムを取っていません。

仮想通貨に参加する全ての人が、仮想通貨の履歴を記録し管理するため、手数料が安く設定できました。

その代わり、現金を仮想通貨に変える必要があるため、取引所が誕生しました。

取引所が誕生したことで仮想通貨を購入しやすくなりましたが、反面、仮想通貨に対する考え方が手数料を安く済ませられる通貨では無く、投資対象となってしまいました。

仮想通貨に対する将来性の期待や、株式やFXとは違った投機対象への興味なども重なり、仮想通貨が高騰していったニュースを一度は聞いたかもしれません。

投資対象として認知されるようになった仮想通貨ですが、本来の目的は現金に代わる決済手段の1つでした。

しかし、取引所や個人のウォレットしかないため、流通は売買しかなく、ある種の閉鎖的環境となっていました。

そんな中で飛び込んできたのが、仮想通貨銀行の可能性です。

仮想通貨銀行シグナム

スイスにあるシグナム社は、仮想通貨関連企業として初めて登録された企業で、記事執筆時点でスイスとシンガポールでの銀行ライセンスを獲得しました。

「従来の銀行とデジタル資産の架け橋」となるのを望んでおり、100億円以上の資金を調達したことで注目を集めました。

現時点では、ビットコインやイーサリアムなどを含めた仮想通貨の保管と運用を目的とした銀行になると発表しています。

運用に関しては複数のマネージャーによる投資信託をスタートさせると予定しており、仮想通貨ファンドが商品としてラインナップされると推測されます。

シグナムが設立することのメリット

仮想通貨銀行シグナムが正式にスタートした場合のメリットは3つ考えられます。

1つ目は、複数の仮想通貨を1カ所で管理・保管が可能となります。

仮想通貨の管理方法は取引所に預けるか、個人のウォレットを用意してそこに保管するしかありません。

個人のウォレットの場合、仮想通貨ごとに別々のウォレットを用意しなければならず、管理が面倒になりやすいです。

取引所に預けた場合、取引所の管理がずさんだと盗難、あるいは引きだせないという可能性があります。

仮想通貨銀行が誕生して複数の仮想通貨を1カ所で管理できるのは、大変魅力的と言えます。

2つ目が仮想通貨の融資です。

銀行は融資によって利益を得て、利用者に還元する役割があります。

仮想通貨は現金ほど使い道が多い訳では無いため、仮想通貨の融資が実現する可能性はそれほど高くありませんが、仮想通貨の融資が実現すれば仮想通貨が身近な経済となりえます。

もう1つが仮想通貨を預けることで利子が発生する可能性です。

現時点では、シグナムに仮想通貨を預けたからといって利子が発生するとは限りませんが、将来的に仮想通貨の利子が手に入れば、仮想通貨の価値が下がっていき、投機目的から決済のための通貨として普及する可能性があります。

仮想通貨銀行への批判的な意見

投機対象として売買される仮想通貨を、普通の通貨と同様の価値まで下げられる可能性がある仮想通貨銀行ですが、批判的な意見も少なからずあります。

仮想通貨は性質上、犯罪で得た資金を換金するためのマネーロンダリングに使われるリスクがあり、取引を禁止する国もあります。

アメリカではフェイスブックが発行しようとしているリプラを巡り、金融システムが崩壊するのではないかという懸念もあります。

仮想通貨銀行の誕生は、これらのリスクをさらに加速させる引き金になるのではないかと批判する専門家は少なくありません。

どちらにしても、2020年以降の仮想通貨は、これまでのような投資対象にならなくなる可能性が高まります。

まとめ

シグナムは認可が下りたばかりで、まだ本格的なスタートはしておりません。

しかし、仮想通貨のシステムを大きく変えるきっかけとなるため、興味がある方はチェックしましょう。


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