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グリーンボンドとは?仕組みとメリットを詳しく解説

出典:Getty Images

グリーンボンド(環境債)とは、地球温暖化対策や環境プロジェクトの資金を調達するために発行される債券です。

発行体は環境分野への取り組みや貢献をアピールができます。

2008年に世界銀行グループのIBRD(国際復興開発銀行)が初めて「グリーンボンド」という名称で債券を発行しましたが、当初は風変わりな金融商品だと敬遠されていました。

そのため、累積の発行額が1千億ドルに届くのに8年もかかったのです。

しかし、グリーンボンドの市場規模は拡大しています。

2018年の世界全体の発行額は1,673億米ドル(約18兆円)。国内でも約5,300億円と急増しています。

これまでの累積発行額は1兆ドル(約108兆円)を超えました。

環境問題への関心の高まりとともにグリーンボンドは次々と発行され、市場規模は拡大しているのです。

それでは、グリーンボンドのメリットを確認していきましょう。

発行体のメリット

社会的な支持を得られる

グリーンボンドを発行することにより、発行体は環境問題への取り組み姿勢を鮮明に打ち出せます。

とくに2015年9月の国連サミットでSDGs(持続可能な開発目標)が設定され、同年12月には「パリ協定」が採択されました。

SDGsには、以下のような持続可能な世界を達成するための17のゴール・169のターゲットが定められ、環境問題も重要なテーマです。

出典:外務省

パリ協定は、気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定です。

これらを背景に、グリーンプロジェクトへの注目が高まっているのです。

ですから、グリーンボンドを発行する企業は、地球環境問題に積極的に取り組んでいることをアピールでき、社会的な支持の獲得が期待できます。

投資家層の拡大

グリーンボンドの発行を通じて、ESG投資に関心の高い投資家からの資金流入が期待できます。

ESG投資とは、環境(Environment)、社会問題(Social)、企業統治(Government)への取り組みを評価して投資先企業を選ぶ手法です。

近年は、企業だけでなく国が発行する国債にもESG投資が広がっています。

とくに環境意識の高い欧州では、環境関連にお金の使い道を絞ったグリーンボンドを発行する国が増えています。

2019年5月にはオランダが発行したほか、ポーランドやフランス・ベルギーでも発行実績があります。

アジアでも香港がグリーンボンドを発行しています。

投資家は国債でも環境対応で選別を進めているのです。

投資家のメリット

投資家側のメリットも確認していきましょう。

社会的な支持を得られる

グリーンボンドへの投資は、投資家にとってもメリットがあります。

とくに機関投資家にとって、2006年に国連で公表されたPRI(責任投資原則)は、投資の意思決定プロセスにESGに関する視点を持つことを目的として作られたものです。

PRIに賛同する機関投資家は2,000を超えています。

グリーンボンドはESG投資に合致する金融商品なので投資対象になります。

環境に配慮した投資をしているということで、社会的な支持を得ることが期待できるのです。

リスク分散

グリーンボンドは一般の債券と価格連動性が薄く、オルタナティブ(代替)投資の性質があります。

グリーンボンドに投資することによって、リスクを軽減できる効果があるのです。

グリーンボンド原則とは

発行額が1兆ドルの大台を突破しているグリーンボンドですが、市場規模の拡大とともに問題も表面化しています。

規模の小さい金融商品があふれ、業界に共通した基準もありません。パフォーマンスを審査するためのデータも不足している状態です。

ただ、市場が急拡大するにつれ、市場関係者はグリーンボンドの定義やプロセスを透明化したいと考え、「グリーンボンド原則」を定めています。

初期の主な発行体であった国債開発金融機関と、民間金融機関が2014年に共同で作成した自主ガイドラインです。

たとえば、グリーンボンドによって調達される資金は、以下のような環境改善効果をもたらすグリーンプロジェクトに充当されることを明記することが要求されます。

  • 汚染の防止と管理
  • 再生可能エネルギー
  • 持続可能な水資源
  • 気候変動に関する適用

グリーンボンド原則は、発行体にガイダンスを与えることを意図したものです。

また、グリーンボンドへの投資が、どれほど環境への改善効果を生むのかを投資家が判断できるような情報を提供するガイダンスも含んでいます。

まとめ

今回はグリーンボンドについて解説しました。

発行体、投資家ともに環境問題に取り組んでいるとして社会的な支持を得らるれというメリットがあります。

ESG投資が機関投資家を中心に世界中で広がる中、グリーンボンドの発行額も増え、1兆円の大台を突破しています。

しかし、グリーンボンドに対する明確な定義がないのも事実です。

現在は自主ガイドラインである「グリーンボンド原則」がもっと普及し、グリーンボンドの透明性と公平性が上がることが望まれます。

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