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消費税増税が追い風となる分野は?相場に与える影響も合わせて解説

2019年10月1日に消費税が10%に増税しました。

日本で導入された1989年以来、30年間で4度目の引き上げになります。

増税となれば個人の消費に大きな影響を与える可能性があるとして、政府はキャッシュレス還元を導入するなどの措置を取ってニュースとなりました。

しかし、増税が必ずしも消費を冷え込ませるなどといった結果を生むとは限りません。

増勢が追い風となって伸びる企業も少なからずあります。

今回はそんな消費税増税が追い風となる企業について解説をします。

過去の増税後の相場

増税が追い風となる企業の解説に入る前に、まずは過去の増税が相場にどのような影響を与えたのかを注目しましょう。

消費税が最初に導入されたのは1989年4月1日。

3%の導入が相場にあたえた影響は、意外にも少なかったです。

導入後の日経平均株価の騰落を振り返ると、プラスとなっています。

考えられる理由の1つとしては、1989年4月頃はバブル相場の上昇期だっため、相場が全体的に上がっているという見方もできます。

その後、1997年に5%に引き上げ、2014年に8%に引き上げた時は、どちらも金融相場が不況でした。

1997年はバブル崩壊後の金融機関の不良債権問題が深刻化。2014年はアベノミクス効果がありつつも景気後退。

増税した影響で相場が落ち込んだというよりも、相場が悪い時期に増税が重なったといえます。

一方で1997年も2014年も短期的に見れば騰落率が増税直後に上がっています。

これは、増税直前の相場が弱くなったことへの反発により株価が上がったのだと推測できます。

つまり、増税は短期的に相場に影響を与えるが、長期的に見れば情勢や環境による影響の方が強くなるのです。

今回の増税が追い風となる分野

2019年10月の増税は主に社会保障の財源に充てるとされています。

たとえば、幼児教育の無償化、住宅購入者や自動車の購入支援などに合計で2兆円が充てられることになっています。

また、増税をきっかけに政府はキャッシュレス経済の普及を進めようとしており、大手コンビ以外でもキャッシュカードやQRコード支払いに対応しているようになったのを見かけます。

増税となれば節約を意識した消費者はより安い製品を購入しようとします。

消費の二極化が進めば、安売りをしているブランドの需要は高まり、中古市場を扱う分野も伸びる可能性が高まります。

つまり、今回の増税が追い風となる分野は、

  • 医療・介護・子育て
  • キャッシュレス決済に関連したIT
  • 自動車・住宅関連
  • 安売り・中古市場

以上の4つになると推測できます。

医療・介護・子育ての分野

高齢者社会が加速する日本において、高齢者向けの医療サービスや介護が充実し、子供を育てやすくするための環境づくりは需要が高い分野になります。

たとえば、子育て支援サービス・介護関連サービスを行っているライク株式会社は連結子会社ライクキッズにて2020年に神奈川・愛知で20カ所の認可保育園を開設予定。

質の高いスタッフの確保とノウハウによって、介護業界では安定の実績を上げており、3年間で株価を4倍までアップした有望企業です。

キャッシュレス経済に関連したITの分野

令和元年はキャッシュレス元年と呼ばれており、様々なキャッシュレス決済が生き残りを賭けて争っています。

しかし、導入する小売店にしてみれば、キャッシュレス経済は面倒な物です。

それまで導入していなかった新しいシステムの使い方を把握し、機材を用意し、手数料を支払わなければなりません。

並行して増税分の価格変更にも対応しなければならず、チェーン店はまだしも個人商店がキャッシュレス経済するのは難しいと予想されていました。

そんな中で注目を集めたのが、クラウド型データ管理POSレジシステムを扱う「スマレジ」。

iOS端末とレジを繋げて商品を登録するだけで、クレジット決済に対応できるようになります。

月額利用無料・初期費用無料となっており、2011年からスタートしているため蓄積されたノウハウと高い信頼性が売りとなっています。

2019年2月に上場したばかりで、当初は4,000円を超えていた株価も2,400円台まで下がっています(記事執筆時点)が、iOS端末があればどこでも導入できる利便性の高さや、リーズナブルな価格設定などから考えると将来性の高い企業といえます。

自動車・住宅関連の分野

自動車と住宅は需要の減りつつある分野と言えます。

自動車は案税性能が高く、自動運転に対応した車を開発しようとしていますが、若者の車離れは深刻化しています。

既に車を所有している世代も、年を重ねるごとに新しい車よりは慣れ親しんだ車の方が運転しやすいと考えてしまい、新車市場は厳しい状況が予想されます。

住宅も持ち家にこだわる人々が少なくなりつつあります。

実際、2014年は増税前の駆け込み需要で、住宅や自動車が売れましたが、今回の消費税増税における駆け込み需要ではそのような動きはありませんでした。

一方で、自動車・住宅関連の分野で注目を集めているのが、自動車や住宅を構成するパーツを扱う企業です。

たとえば、自動車のタイヤを製造する横浜ゴムは、2012年は1,000円だった株価が現在は2,000円台までに上昇。

浮き沈みを繰り返していますが、その度に株価を回復させている優良企業となっています。

過去の増税でもゴム製品分野は増税後でも堅調な業績を上げていました。

このように自動車や住宅のような大物耐久財自体が売れなくても、それらを構成するパーツは摩耗して、交換が必要になります。

これらの企業は大手企業でないため、株価も安くて購入しやすいというメリットもあります。

安売り・中古市場

消費税が増税すれば消費の仕方が二極化します。

1つは、消費税増税を経てもライフスタイルや消費を変えない方。

もう1つが、増税分を節約しようと安売り・中古品を購入しようとする方です。

特に日常で使う品は消費サイクルが激しいため、コンスタントに買わなければなりません。

そのため、安売りの殿堂ドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスや、業務スーパーを展開する神戸物産などが業績を伸ばす可能性が十分にあります。

どちらの企業も2年以内に株価を2倍以上に成長させた優良企業で、消費税増税が需要を高める追い風になると予想されます。

まとめ

以上が、消費税増税によって追い風を受ける分野の解説になります。

消費税が増税したからと言って、相場が下がることはありません。

しかし、増税したことによって消費者の行動が変わったり、経済の流れが変化することは十分にあります。

その点を踏まえたうえで、投資先をしっかりと選定しましょう。


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