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ヘルスケアの静かな巨人、ジョンソンエンドジョンソン

増収増益、配当増を続ける、アメリカ株における長期投資の鉄板銘柄であるジョンソンエンドジョンソン(Johnson & Johnson、JNJ)にフォーカスを当てたいと思います。

世界時価総額ランキングをご覧になったことがありますか?

その日の株価の動きにより、順位が多少動きますが、以下のようなメンバーです。

  • マイクロソフト
  • アップル
  • アマゾン・ドット・コム
  • アルファベット(グーグル)
  • バークシャー・ハサウェー
  • フェイスブック
  • アリババ・グループ・ホールディング
  • テンセント・ホールディングス
  • JPモルガン・チェース
  • ジョンソン&ジョンソン

1位、2位はよく入れ替わります。

また、1o位の座も僅差でビザ(Visa、V)が狙っています。

この顔ぶれを見ていると、従来型の製造業は、ジョンソンエンドジョンソンだけです。

従来型の製造業で世界最大の企業と言っても良いかと思います。時価総額なので、投資家の期待を含めた企業の大きさです。

ヘルスケアという大きなくくりがないと、まとめきれないような幅広い分野のビジネスをしています。

世界で250社以上を擁する一大企業ファミリーです。ビジネスは医薬品50%、医療機器30%、一般消費材20%の割合です。

医薬品も医療機器も世界のトップクラスです。

第3四半期の業績が10月に発表されていますが、収益も売り上げも伸びています。

しかし、リーガルコストも増加傾向です。

この会社の強さはどこにあるのでしょうか?

上述のように、ジョンソンエンドジョンソンのビジネスは大きく分けて3つ。

250余りに分社化された企業の集合体のようになっています。

こうした状況は、所謂「コングロマリット・ディスカウント」を生んでしまいます。

これは、全体の価値が部分の価値の合計を下回ってしまうこと。今のソフトバンクグループ(9984)でも起きていますね。

薬品メーカーだけの競争では、新薬の売り上げが大きくても、会社の収益に対するインパクトは、薬品の同業他社に比べて小さいため、大きく上昇したりしません。

逆にマイナスの事象のインパクトも半分。

それは、医療機器の分野でも同じ。そういう意味ではつまらない会社かもしれません。

ところが、長期で見た場合は、それが効いてきます。

株価は、様々な要因で大きく上下していますが、ビジネスは比較的安定しています。

ビジネスが安定しているので、配当を毎年上げ続けることができます。

そして、ビジネスが安定して成長しているが故に、長期的には株価も安定して上昇しています。

業績も安定して成長し、増配もずっとしている。これぞ長期投資の鉄板銘柄ですね。

何かのヘッドライン・ニュース(今回のオピオイドやベビーパウダーなど)で下がった時は、基本的に買って言ってよいかと思っています。

あるいは、ドルコスト平均法(毎月同じ時期に、同額ずつ買い続ける)で買う銘柄としては最適です。

そして、会社としても尊敬できる部分が多く、株主であることを誇れる会社です。

もともとジョンソンエンドジョンソンは、手術用の縫合糸や包帯を売る会社でした。

創業時より、人々の健康と幸せを変える新しい考えや製品を世界中で提供しています。ヘルスケアの改善によって人々を幸せにしよう、という哲学です。

そうした会社の考え方が我が信条(Credo)として、社員の行動規範となっています。

そして、ジョンソンエンドジョンソンを最も信頼できる会社という評価にまで上げた事件が1982年に起きました。

タイレノール(解熱鎮痛剤)事件です。この薬を飲んだ人が不可解な突然死をするということがシカゴ地区で次々と起きたのです。

この事件に対するジョンソンエンドジョンソン社の対応は、ビジネス市場最も優れた危機対応とされ、ハーバードビジネススクールのケーススタディで使われたりしました。

詳細は省きますが、マスコミを通じて、国民にタイレノール飲まないようにと伝え、自社負担で全品回収、調査内容など重要情報を全て情報開示、そして事件後、こうしたことが二度と起きないように、異物混入を防ぐためのパッケージも開発しました。

この事件の直後には倒産の危機にも瀕しました。

しかし、事件後2か月で、売上は事件前の8割まで急回復したのです。

消費者への責任を徹底的に追求する姿勢が、その急回復の原動力になったのです。

この背景には、上述の「我が信条」があったと思います。この事件の対応を頭に入れて、この「我が信条」を読むと、本当に感動します。

そうした会社としてリスペクト(尊敬)されている会社であるからこそ、ベビーパウダーにアスベストが混入していたというような事件は信じがたいけれど、きちんと対応してくれるのではないかとも思います。

我々の身近に多くの商品があります。バンドエイド(絆創膏)、アキュビー(使い捨てコンタクトレンズ)、ジョンソン・ベビー、ニュートロジーナなどなど。

身近で使っている商品を作る会社で、長期的にビジネスが安定、連続増配、そしてリスペクトできる会社。長期投資(売ることを基本的に考えないくらい)の最適銘柄です。

リスクとしては、ヘルスケア銘柄であることは間違いないので、訴訟リスクや、ヘルスケア改革のニュースなどによって下落することもままあります。

長期投資では、むしろ買い増しのチャンスでもあります。

$139.38 $2.22 (0.02) 2019年12月5日木曜日 6時00分00秒 日本標準時


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免責事項と開示事項 記事の作者松本義和は記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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