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リーマンショックから10年:金融危機とウォーレン・バフェット

-バフェット流リーマンショックの乗り越え方から学ぶ教訓-

モトリーフール米国本社、2018年9月23日投稿記事より

金融危機が株式市場を揺さぶって以来、10年以上が経ちました。過大に財務レバレッジをかけていた弱い企業は生き残ることはできませんでしたが、健全なバランスシートを持っていた企業は、金融危機当時よりも強くなり成長しています。

生き残った企業の一つは、ウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイです。バフェットはどのように危機を予知し、その中で大きな利益をあげたのでしょうか。バフェットの投資戦略から、次の金融危機を乗り越えるだけでなく、逆に利益をあげるチャンスに変える方法を学ぶことができるのではないでしょうか。

ウォーレン・バフェットは金融危機を予測していたか?

バフェットは、金融危機のタイミングや規模を正確に予測していたわけではありません。しかしながら、金融危機を引き起こした要因である、デリバティブと住宅市場について、早くから警鐘を鳴らしていました。

バフェットは、2003年にフォーチュン誌に寄稿したバークシャーの株主宛ての手紙で、デリバティブを「金融市場の大量破壊兵器」と呼び、注意を促していました。そして数年後、デリバティブが金融市場全体に問題を引き起こす可能性があることを予測していました。

バフェットの懸念は住宅市場に現れました。デリバティブが発達したおかげで、当時の人々は簡単にローンを組み住宅を購入することができたのです。バフェットは2005年、住宅市場についてこう述べました。「住宅価格が上昇を続けるなら、みんなの幸せは続くでしょう。ただし、それには値上がりを続ける住宅市場へ、次々と新しい買い手が出てくることが必要です。そのような新しい買い手は、住宅ローンは政府保証付きでノーリスクだと思っているに違いありません。」

2007年頃、住宅の差し押さえ件数が増加し、潮目が変わってきたように見えました。しかし、住宅価格は上昇を続け、ローン審査も緩い状態が続いていました。「住宅市場において、人々はひどい惨状を目の当たりにするでしょう。」とバフェットは2007年のバークシャーの年次報告会で語りました。

バフェットは、正しかったのです。複雑なデリバティブと信用力の低い住宅ローンは、米国の金融システムを危機的状況まで追い詰める原因となりました。

バフェットは金融危機時の投資で大きな利益をあげた

バフェットの投資戦略の大原則の一つは、他の誰もが売っているときに買い手にまわることです。バークシャーの強固なバランスシートにより、彼はゴールドマン・サックスやバンク・オブ・アメリカのような銀行株に投資を行うことができました。

特に、バンク・オブ・アメリカはバークシャーに大きな儲けをもたらしました。バフェットは2011年、バンク・オブ・アメリカに50億ドル相当の優先株に投資しました。加えて、同社の株式を1株当たり7.14ドルで購入できるワラントを7億株分受け取りました。7.14ドルというのは、当時のバンク・オブ・アメリカの株価です。

バフェットは2017年にこのワラントを行使しました。この記事の執筆時点で、バンク・オブ・アメリカ株は約31ドルで取引されています。バークシャーは、2011年の投資から7年で、およそ160億ドルの利益を得たことになります。さらに、バークシャーは年間4億ドルの配当を同社株から受け取っています。

次の危機に対処する

金融危機は、同じように繰り返されることはまずありません。例えば、銀行業界は大きな改革を遂げており、2008年以前よりもはるかに健全です。したがって、倒産しかけの大手金融機関が次の金融危機の引き金となる可能性は低いといえます。しかし、何か別の要因によって市場が暴落するときが来るでしょう。金融危機時のバフェットの投資戦略から得られる教訓をまとめてみました。

・市場が暴落しているからといって、パニックになって優良株を売ってはいけません。このような時こそ、バフェットは買い手になっています。彼は常々、投資資産とは別にまとまった現金を確保しておくことの重要性を説いていますが、これは彼が市場の暴落時にその現金で有利に投資できる理由の一つです。

・割安に取引されている優良企業に照準を当てましょう。代表的な事例は、深刻な危機にあったゴールドマン・サックスへの投資です。バフェットが同社への投資を決めた理由は単純で、「ウォールストリートで最高の会社だから」です。そして、当時の大方の味方とは違い、バフェットは金融業界の救済措置が最終的に承認されるだろうと確信しており、実際その通りになりました。

タイミングで株式市場と勝負してはいけません。株価が暴落したからといって、それ以上に下落することはざらにあります。株価が下がりきったポイントで買うのは実際ほぼ不可能であるので、長期的に投資したい銘柄かどうかで投資を判断しましょう。

金融危機以前には、多くの投資家が安定した業界とされていた銀行株を保有していました。しかし、銀行株が金融危機時に大きなダメージを受けたように、どの業界のどの銘柄も、危機時には安全ではありません。

大切なことは、危機が起こってもバフェットのように長期的な視点を忘れないことです。


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