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1年で急上昇したトルコ関連ファンドとは?注目のファンドも解説

2019年は投資ファンドへの資金流入が加速しており、投資ファンドへの熱が高まっていると言われています。

なかでも、新興国の投資ファンドに注目が集まっています。

今回はその中でも1年で50%~65%の上昇率を出したトルコ関連ファンドについて解説します。

トルコ関連ファンドが好調となった理由や、注目のトルコ関連ファンドについても解説するので、ぜひご覧ください。

トルコ関連のファンドが好調

2018年から2019年にかけて、トルコ関連のファンドが好成績を上げていると話題になりました。

過去1年間のリターン(分配金再投資ベース)をランキングとしてまとめると、2019年8月末時点で上位10位の中に9本、トルコ関連ファンドがランクインしています。

ランキングを20位までまとめると、なんと17本のファンドがランクインする結果となりました。

2018年8月末から2019年8月末の間、もっともリターンの大きかったファンドは「トルコ債券オープン(毎月決算型)為替ヘッジなし」。

上昇率は65.23%と好成績を上げています。

続く2位の「Navio トルコ債券ファンド」が59.25%、3位の「ピクテ・グローバル・インカム株式オープン 通貨選択シリーズ<トルコリラコース>(毎月分配型)」も55.61%という好成績を達成。

10位まで50%前後を維持する結果となっています。

これらの躍進の背景には2018年にあったトルコショックが関係しています。

トルコショック

トルコショックとは、2018年8月10日に発生したトルコの通貨であるトルコリラが米ドルに対して20%程急落したのが発端となった金融騒動です。

事の起こりは、トルコが2年に渡り拘束していた米国人牧師を巡り米国との関係が悪化。

トランプ政権がトルコへの経済制裁が発動した結果、トルコリラが暴落しました。

トルコもトランプ政権の経済制裁に対して金融政策に介入するなどして通貨防衛をしましたが、市場参加者の不安を解消するまでには至らず、他の新興国通貨への流入などもありトルコリラの価値が下落。

現在に至るまでトルコリラ/米ドルは低空飛行を続けています。

トランプ政権の狙い

米中貿易戦争など経済を武器に他国と交渉するトランプ政権にとって、最重要課題が選挙です。

2018年11月に行われた中間選挙を前に、トランプ大統領は自身の票を固めるために、トルコで拘束されていた米国人牧師の件を引き合いに経済制裁を課した。

結果、トルコは2年間に渡って拘束していた米国人牧師を解放し、トランプ政権も11月に経済制裁を解除。トルコショックは収まったのです。

トルコショック後のトルコの経済状況

トルコショックはトルコリラの価値を下落させた一方で、ある効果を与えました。

それはトルコが経済を復活させる為に行動するようになり、トルコの経済が上向きとなったのです。

2018年9月から2019年8月末までに、トルコは中央銀行による大幅利上げや、インフレ率の低下から政策金利を引き下げるなどの経済政策を実施。

これらの行動が功を奏し、トルコの債券価格が持ちなおすと、トルコ関連ファンドの好調へと繋がったのです。

注目のトルコ関連のファンド

ここでは、上記で紹介したトルコ関連ファンドの特徴や最新の情報について紹介します。

全てのファンドが三菱UFJ国際投信で購入可能です。

トルコ債券オープン(毎月決算型)為替ヘッジなし

トルコの公社債、つまり債券を中心に投資をするファンドになります。

毎月26日に決算を行い収益を分配する毎月決済型となっており、毎月分配金が発生すれば貰えるのが特徴。

為替ヘッジなしのため、為替変動リスクをダイレクトに受けるのがデメリットといえます。

記事執筆時点では基準額が3,405円となっており、チャートもトルコショックから上昇傾向にあります。

元々、投資対象のメインがトルコの国債だったため、トルコの債券価格が安定したことで真っ先に基準価額が上昇したファンドです。

トルコの経済状態と密接な関係にあるファンドのため、価格が下落した時の影響が強く、リスクの高い面を持ち合わせています。

Navio トルコ債券ファンド

トルコリラ建ての債券を中心に投資をし、利子収益で利益を獲得するファンドになります。

こちらも毎月18日に決算を行い分配する、毎月決済型。

ファンド名にはありませんが、原則為替ヘッジなしのため、こちらも為替変動リスクをダイレクトに受ける危険性があります。

記事執筆時点では基準額が3,606円となっており、チャートはトルコショック以降、上昇傾向にあります。

特に注目すべきなのはトルコショックで大きく減った純資産総額が、トルコショック前に比べて倍増している点です。

ファンドにおいて純資産が増えるのは、動かせる資金が大きくなり、より安定して投資が行えることに繋がります。

投資家も注目しているファンドとなっています。

ピクテ・グローバル・インカム株式オープン 通貨選択シリーズ<トルコリラコース>(毎月分配型)

トルコの公益株を中心に投資をするファンドとなります。

公益株とは電力やガス、水道といった生活を支えるインフラ系の株を指しており、これらの公益株の中から配当利回りの高い銘柄に注目して投資を行います。

公益株は極端に値崩れしないが、極端に上がることも少ない安定株です。

そのため、ファンドはトルコショックが起きる前から安定したチャートを刻んでいました。

しかし、トルコショックがあり、一時は基準価額を下落。その後、基準額を順当に上げ、好調なファンドとなっています。

記事執筆時点では基準額が5,336円と他と比べてやや高いのが特徴。

また、好調な成績とは裏腹に純資産総額が伸び悩んでいるのも気になるポイントではあります。

トルコの懸念材料

この1年でトルコの経済は好調を維持していましたが、懸念材料はあります。それはトルコのシリア侵攻です。

2019年10月、トルコ軍は内戦状態のシリアに対して3度目の越境攻撃を実施。

目的はシリアのクルド人勢力を国境付近から押し戻し、トルコに流れていた難民を再定住させるためだと説明しています。

しかし、米国やEUなどの西側諸国はトルコの進軍に対して批判的で、トランプ大統領はツイッターでトルコに対する大型制裁を視野に入れているとコメント。

結果、トルコの代表的な株価指数は一時的に下落しました。

仮に、西側諸国の経済制裁が実施されれば、輸入と外国からの投資によって経済を維持しているトルコには大きな打撃となってしまいます。

その点を不安視する投資家によってリラの売り圧力が強くなり、トルコ軍が侵攻してから数日間でリラは1.5%も下落しました。

現在は、トランプ大統領の介入もあり停戦状態となっていますが、トルコとシリアの対立は厳しい状態にあります。

また、トランプ大統領は経済制裁を外交手段として多用する傾向にあるため、トルコをコントロールするために大型制裁を課す可能性は十分に考えられます。


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