指数の配当「込み」と「抜き」の違い

投資信託が対象とする指数は、運用成績の比較を行うベンチマークとしても利用されます。
投資信託の運用スタイルによって、ベンチマークを設定する目的は大きく2つに分類されます。
- アクティブファンドの場合は、運用成績がベンチマークに対してアウトパフォームしているか⇒成績の優劣
- インデックスファンドの場合は、運用成績がベンチマークに対して乖離していないか⇒成績の安定
そして対象となる指数(インデックス)も、配当込み・抜きの2種類あるのです。
株式投資のリターンの源泉は、企業収益向上による株価上昇と、企業から株主へ支払われる配当金があります。
よって配当込み指数の方が、配当含まない指数よりリターンは高く算出されます。
投資信託は運用コストの分だけ下方乖離する
インデックスファンドを例にして、話を進めたいと思います。
投資信託の投資リターンは、下記の①から②・③・④を引いた値で決まります。
①運用益(=指数のリターン):予測不能
②信託報酬:決まってる
③追加発生コスト:予測不能
④トラッキングエラー:予測不能
分配金を出さないインデックスファンドの場合、ファンドが保有している銘柄から出た配当金は、そのまま再投資で運用しています。
インデックスファンドは指数に追従する運用を求められますので、ファンドの対象指数が配当込みの場合は、上記計算式より運用益からコストを引くと、必ず下方乖離が発生します。
我々個人投資家は、どちらを選べばいいのでしょうか?
結論から申しますと、対象指数が『配当込み』の方が望ましいでしょう。
その理由は大きく2つ
理由①
アクティブファンドの場合
投資信託自体が配当金を再投資している場合、対象指数が『配当含まない』だと、投資信託の運用成績がベンチマークに対して有利となる。
理由②
インデックスファンドの場合
投資信託が発行する月次レポートや運用報告書を見ても、投資信託の運用精度がベンチマークに対して追従した運用ができているのかが読み取りにくい。
投資信託にお金を投じるのは慈善活動ではありませんので、我々投資家は投資先の投資信託がしっかり運用できているか注視することが大切です。
その為には、投資信託のベンチマークが『配当込み』であるかどうかは、とても重要な要素となるのです。
次回以降の記事では、投資信託の運用成績が掲載されている『月次レポート』の見方と、注目する部位に関してお話していきたいと思います。
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