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ブラジル株ADRのメリット・デメリット&注目銘柄紹介

ブラジルは世界人口第5位の国で、BRICSに数えられる南アメリカ大陸随一の経済成長著しい国です。

現在は自動車をはじめとする工業国となっており、名目GDPも世界第7位となっています。

失業率の低下や中所得層の増加によって内需も大きいブラジルは、今後の個人消費の伸長も期待される国です。鉄鉱石をはじめとする資源大国としても知られています。

アマゾンの火災などのリスクはありますが、高金利を維持しているのも魅力です。

1990年に一度デフォルトを起こしている現在のブラジルの債務は、先進国に比べると小さいのも投資家にとって好材料となっています。

そんなブラジル株ADRのメリットやデメリット、おすすめ銘柄についてご紹介します。

ブラジル株ADRのメリット

ブラジル株ADRのメリットは、なんといっても直接的な投資ができるという点にあります。

日本にいながらにしてブラジルの企業に投資するのは容易ではありません。

米国株式などであれば、海外ETFや投資信託といった形で間接的に保有することができます。

信託報酬といったランニングコストが小さいため、個人投資家でも投資しやすいためです。

しかし、ブラジルへの投資となると事情が異なります。

ブラジル株式に投資をするETFなどは存在しますが、手数料の面などで投資のしやすい環境にはありません。

例えば、ブラジルに投資をする投資信託として野村アセットマネジメントが管理する「NEXT FUNDS ブラジル株式指数・ボベスパ連動型上場投信」が挙げられます。

この投資信託は現在分配金を出していませんし、信託報酬が1%以上かかる金融商品です。

各証券会社で販売されていますが、証券会社ごとに手数料体系が異なります。

購入のたびに購入手数料はかかるため、少額の投資には向かないという側面があります。

その点、ブラジル株ADRであれば、米国株と同様に購入することになります。

購入手数料はかかりますが、現在ネット証券各社で1株からの買い付けでも手数料が引き下げられたため、個人投資家でも買いやすい状況にあります。

また、個別株であるため配当金が支払われ、ドル建てで資産形成できるのが強みです。

また、ADR銘柄は米国市場の厳しい審査をクリアしたもの以外は認められないため、ごく自然に選ばれた優良企業に投資できるメリットがあります。

ブラジル株ADRのデメリット

ブラジル株ADRは、数少ないブラジルの企業への直接的投資手段ですが、それゆえのデメリットもあります。

特にブラジルの国勢や企業状況などを知る手段が少ないため、投資の判断材料に事欠くことも少なくありません。

基本的に企業HPなどで情報収集する場合は英語で内容が分かるようになっていますが、ブラジルの公用語はポルトガル語です。

英語のHPは現地サイトとは異なり、情報が省略されている可能性などがあります。

したがって、企業の情報については間接的に知りうるしかないのが現状です。

また、ブラジル株ADRの多くが元国営企業ということもあり、国策などで大きく株価の変動があります。

資源大国であるがゆえに、資源に依存した経営をしている企業も多く、資源の高騰や暴落が直接的に企業の株価に響きやすく、リスクが大きいのも特徴です。

しかしながら、近年は脱国営企業、脱資源を目指して新たな事業を開始する企業も増加しており、内需・外需合わせて魅力的な企業が増えています。

注目銘柄紹介3選

ブラジル株ADRにはメリット・デメリット両方が存在しますが、今後の経済成長を考慮すると、今から投資しておくと長期的に利益が得られそうな優良な企業がそろっています。

特に注目すべき3つの企業について詳しくご紹介します。

ヴァーレ(ティッカー:VALE)

ヴァーレは元国営企業の総合資源開発企業です。

1942年に設立された鉄鉱石生産国営企業リオドセが民営化し、2007年に呼称を従来の「リオドセ」から「ヴァーレ」に改称しました。

主力製品は鉄鉱石とニッケルです。鉱物資源の採掘・販売が主な収益源になっています。

特に鉄鉱石は世界三大メジャーの一角を担っており、世界シェアの35%を占めています。

ヴァーレの利点は、主力製品以外にもマンガン・ボーキサイト・カオリン・アルミニウムといった他の鉱物資源も採掘し、コバルトや貴金属などの希少金属の採掘も手掛けている点です。

2019年2月に鉱山ダムの事故によって操業停止となったこともあり、鉱物資源を扱うヴァーレは大打撃を受けました。

その後、ブラジル政府からの制裁金問題やCEOが辞任する事態にまで発展しましたが、ここ数ヶ月は安定的に株価も推移しています。

こうした状況を鑑み、ヴァーレはいままで以上に資源依存の体質を変革しようとしています。

特に力を入れているのが鉄道運営です。鉄鉱石の最大供給源であるカラジャス鉄山からの鉄道網の管理や輸出用の港の運営も行なっています。

ブラジル全土に大規模な物流システムを所有し、鉱物の陸上・海上輸送を行うほか、発電所や鉄鋼会社への投資なども積極的に事業を多角的に展開しています。

バンコ・ブラデスコSA(ティッカー:BBD)

バンコ・ブラデスコSAは、ブラジル銀行・イタウ=ウニバンコ・バンコ=サンタンデール=ブラジルと並ぶブラジルの4大メガバンクの1つです。

支店はブラジルだけでなく、米国やアルゼンチンなどにもあります。

古くからプライベートバンキング部門が手厚く、3200店舗以上の支店を有しています。

4大メガバンクの中でもっとも目覚ましく成長しており、いち早くオンラインバンキングを手がけ、資産運用相談などの業務を拡大させてきました。

個人保険・年金・クレジットカード、個人向け住宅ローンや法人向け事業ローンなどを取り扱っています。

近年は、事業拡大のために、サンパウロ商業銀行やスペインのビルバオ銀行を買収しています。

資産運用系のJPモルガンフレミングの買収も記憶に新しいところです。

ブラデスコは仮想通貨などの新たな技術導入にも積極的で、2018年11月には、日本の三菱UFJ銀行とのRippleを用いた国際送金の共同研究を行うことで同意しています。

今後、スムーズな国際送金システムが確立することになれば、ブラデスコを介した国際送金サービスが利用されることになるでしょう。

アンベブ(ティッカー:ABEV)

アンベブ(AMBEV SA)はラテンアメリカ最大のビールメーカーです。ベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブの子会社でもあります。

アンハイザー・ブッシュ・インベブは、バドワイザーやコロナといったブランドビールを販売している企業として有名です。

アンベブも主力製品としてビールの生産・販売を一手に手掛けるほか、ソフトドリンク・ノンアルコール飲料・非炭酸飲料も取り扱っています。

かつて2016年に日本のキリンホールディングスがブラジルのビール事業を売却したことでも知られるアンベブは、食料必需品セクターの一角として株価の急回復を見せている企業です。

ブラジルにおいて、ペプシ社の炭酸飲料製品の独占ボトリング権および販売権を保有しているのも特徴です。

PERが20%以上と割高な状況が続いていますが、現在配当利回りは、レアル安があるものの3%以上という収益面での魅力があります。

中所得層が増加しているブラジルでは、今後生活必需品セクターの需要も高いと見込まれ収益の増大が期待されるところです。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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