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メガラウンドが増加した理由とは?スタートアップ企業への投資状況を解説

ここ数年、スタートアップ企業の調達額が1億ドルを突破したというニュースを多く耳にします。

メガラウンドやユニコーン企業など、様々な投資用語が飛び交いますが、どうしてスタートアップ企業がそれほどまでの資金を調達できるのか理由が分かりにくいです。

そこで今回は、メガラウンドが増加した理由について、スタートアップ企業への投資状況と共に解説します。

メガラウンドとは

メガラウンドとは、未上場のスタートアップ企業が1億ドル以上の資金調達に成功したことを指す用語です。

1億ドルとなれば、日本円に変換すれば100億円以上となり、企業の価値が非常に高いというのを意味しています。

もし、メガラウンドの企業が上場するとなれば、IPO(新規公開株)の価値が高騰し、狙い目となります。

ユニコーン企業との違い

資金調達の度合いを計る投資用語に、ユニコーンというのがあります。

これは未上場ですが10億ドル以上の資金調達に成功したことを意味します。

つまり、メガラウンドの10倍以上の価値がある事を意味しますが、メガラウンドの時点で1億ドルのため、ユニコーン企業は数えるしかないと思われがちです。

ところが、意外な事にメガラウンド・ユニコーンに到達した企業数は年々増加しています。

アメリカのスタートアップ企業への投資事情

ほんの数年前までは、スタートアップ企業への投資は下火を迎えており、メガラウンドに到達する企業は減少していくだろうと予想されていました。

実際、2015年から2016年にかけてメガラウンドの件数は50も減り、投資件数や投資総額も減少傾向にありました。

ところが、2017年の半ばごろから状況が変わりつつあります。2017年のメガラウンドは120件と数を伸ばし、2018年には184件と過去最多を記録しています。

2016年に減少したスタートアップ企業への投資が2017年になってから急激に増えた背景は、スタートアップ企業の投資段階が関係しているとされています。

スタートアップ企業の成長段階

スタートアップ企業は、大まかに分けて5つの段階(フェーズ)から構成されます。

第一段階のシードは、企業前の段階です。ビジネスモデルだけが決まっており、法人設立前や商品の開発中など、まだ企業が形になっていない時期になります。

事業者はエンジェル投資家やベンチャーキャピタルから資金援助を募りつつ、自分のアイディアを世に出す準備をします。

第二段階のアーリーは、企業直後の状態を指します。

起業したが設備費用などで赤字の状態となり、ビジネスが本格的に動いていない状態なので、投資家にとって危険と呼べる状況です。

たとえば、実際にビジネスを動かすと予想もしていないリスクによって、ビジネスが継続できないと発覚しやすいのもこの時期です。

第三段階のエクスパンションは、ビジネスが加速する時期になります。

サービスや商品のリリースが本格的に広がり、利用者の反応を確かめながらマーケティングをおこなえるようになります。

ある程度実績を積み上げている段階なので、投資家やベンチャーキャピタルが本格的な投資先として選ばれるようになります。

この段階からスタートアップ企業への投資が本格的となります。

第四段階のグロースは、エクスパンションでの結果をもとに業績を拡大し、企業の規模が大きくなる時期です。

企業内部では人材が増加し、複数のチームや案件が同時進行するようになり、活動が最も活発になります。

このグロースの時期が、スタートアップ企業への投資が最も盛んになります。

次の段階に入ると企業の業績が安定した状態になり、他企業が参入するようになり、大きな利益を得にくくなります。

第五段階のレイターは、企業によって違いがあります。

レイターの時期になると、企業は安定した売り上げや利益を確保する代わりに、大きな変化を起こしにくいです。

そのため、企業がこれ以上の発展を望むなら、海外進出や買収などを検討するしかありません。

この段階までたどり着ける企業は少なく、更なる発展を望まない場合は関係のない段階となります。

つまり、スタートアップ企業への投資が最も過熱するのは、第三段階のエクスパンションと第四段階のグロースといえます。

多くのスタートアップ企業がエクスパンションステージに入った

2016年に減少したスタートアップ企業への投資が、2017年以降で復活した理由は、多くの企業がエクスパンションステージに突入したからです。

エクスパンションステージより上で必要になる融資金額は数千万円から10数億円と天井知らずです。

現在はインターネットを活用して、様々な投資家やベンチャーキャピタルと接触できるため、投資を受けるチャンスも多くなっていることもあり、メガラウンドやユニコーンが誕生しやすい土壌ができています。

スタートアップ企業に投資してリターンを得やすい状況から、一種の「スタートアップバブル」に入ったと指摘する専門家もいます。

一方で、このスタートアップバブルを不安視する声も上がっています。

シードへの投資が減少傾向にある

スタートアップ企業への投資を花で例えると、第一段階のシードや第二段階のアーリーは土に種をまいて水をやる時期となります。

シードやアーリーの時期は、必要とする融資金額が1000万円以下で、企業自体が終わってしまう可能性もあります。

投資家側にとってメリットは薄く、デメリットばかりしかありませんが、この段階に居るスタートアップ企業をしっかりと育てたから、2017年以降の成長があったと言えます。

ところが、投資家やベンチャーキャピタルの意識は、より多くの利益を手に入りやすい第三段階以降のステージばかりに向いてしまいました。

2018年のエクスパンションステージ以上の調達額は、全体で6%も増加しました。一方でシードステージの調達額は、2017年の31%から25%に減少してしまいました。

このままシードへの融資が減るような事態があれば、スタートアップ企業は育たず、スタートアップバブルが崩壊するのではないかと予想されます。

まとめ

以上が、メガラウンドが増加する理由の解説になります。

現在は多くのスタートアップ企業がエクスパンションステージに入ったため、融資額が跳ね上がり、メガラウンドが幾つも誕生しています。

しかし、これはシードステージの時にしっかりと融資がされ、生き残ったスタートアップ企業が多かったから起きている一時的なバブルかもしれません。

メガラウンドだからといって、上場してすぐに株式を購入などせずに、しっかりと企業分析をしましょう。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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