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テクニカル分析の出来高から分かる3つのこと

長期投資家もトレーダーも株の動向を確認するために、ローソク足などが描かれたチャートを利用する人が大半なのではないでしょうか。

株価の推移を確認することは当然ですが、「出来高」の確認も同じぐらい大切です。

同じ株価の上昇でも出来高を伴った上昇なのか、出来高が小さい上昇なのかで意味が変わってきます。

同じ上昇でも出来高を伴った上昇は強いのですが、出来高がない上昇は弱いと一般的に言われています。

長期投資家もトレーダーも出来高を確認することで市場の大局を読みやすくなります。

出来高は約定した取引量のこと

(Yahoo finance US)

出来高とは成立した売買の数量のことです。

英語だと「Volume」と表現されており、ローソク足などと同様に株価を動向を確認する際に注目しなければいけない指標のひとつです。

一般的にローソク足などのチャートの下の棒グラフの集まりのような部分が出来高になります。

この出来高の棒線が上に長ければ長いほど、その期間に成立した売買の数が大きいと判断できます。

株のニュースや動向を扱うメディアを読むと「薄商い」だったなどという表現を見かけることもありますが、出来高を確認すれば、その日の取引が盛んに行われたのか、そうでなかったのかなど一目瞭然です。

出来高から分かる3つのこと

出来高が成立した売買の数量であることは分かったが、投資やトレードで一体何の役に立つのかよく分からないという人もいるかもしれません。

出来高が分かるとマーケットの動向をうらなう精度が高まります。

株価のみを追うよりも、出来高まで確認した方が市場を理解する際の解像度が深まると考えてください。

投資家からの注目度がわかる

出来高が分かると投資家からの注目度が見えてきます。

ニュースや材料が出て株価が動いた日に、出来高が大きければ多くの投資家が注目していると判断できます。

一方で出来高がこれまでと変わらないようであれば、あまり注目されない材料だったと判断することもできます。

もちろん市場は大口資金を運用する機関投資家の影響も大きいため一概には言えませんが、注目度を確認する際の指標に使えます。

相場のトレンドの転換が読める

(Yahoo finance US)

上の図を見ると、出来高が極端に上昇しているタイミングがトレンドの転換になっていることが分かると思います。(後に紹介するクライマックストップの典型例)

出来高が過去に比べて大きく変化した場合はトレンドの潮目になりやすいため、市場を普段よりも注意して見ておくことでトレンドに乗り遅れずに済みます。

出来高の変化はマーケットのトレンドの変化と密接に関係していることを覚えておきましょう。

大口トレーダーの手口を読みやすくなる

大きな資金を動かしているのは機関投資家です。

出来高を分析することで機関投資家の手口が見えてくることもあります。

むしろ出来高を左右するのは、多くの場合機関投資家なので、出来高の推移は機関投資家の手口の推移を大きく反映しています。

個人投資家は大きな資金を運用しなければならない機関投資家よりも小回りがききます。

機関投資家のつくる資金の流れに簡単に乗り降りできるのは個人投資家の良さです。

大口の動きを出来高を見ながら予想しましょう。

出来高に注目したテクニカル分析

出来高に注目したテクニカル分析についてもご紹介します。

テクニカル分析は基本的に科学ではなく経験則のため、ある動きがある動きを誘発しやすいというだけの話なので必ず当たる訳ではありません。

しかし多くの投資家が長年積み重ねてきた経験則を完全に無視するべきではありません。

出来高に注目したテクニカル分析の代表例を一部、ご紹介します。

クライマックストップ・セリングクライマックス

クライマックストップ・セリングクライマックスは、出来高でトレンド転換を判断するテクニカル分析の代表例です。

  • クライマックストップ :株価が天井圏で出来高が極端に大きく伸びた日
  • セリングクライマックス:株価が底値圏で出来高が極端に大きく伸びた日

クライマックストップは高値圏のトレンド転換で下げに転じやすい局面です。

一方でセリングクライマックスは底値圏で出来高が極端に大きく伸びた日です。

極端な出来高の上昇であればあるほど基本的にトレンド転換の局面になりやすいという経験則があります。

バリュー投資家で買いのタイミングを選べるならば、下落局面からのセリングクライマックスを確認してから買いに入ると底値圏で株を仕込みやすくなります。

トレンドフォローを得意とするグロース投資家も、クライマックストップを売りの急所の一つとして判断することもできます。

ディストリビューションデイ

米国のグロース投資家の間で有名なウォリアム・オニールが紹介しているテクニカル分析がディストリビューションデイです。

  • 株価が上がっているが出来高が伴っていない
  • 株価が下落しているのに出来高が伴っている

特に高値圏でディストリビューションデイが続くと、機関投資家の売り抜けの兆候があると判断できます。

機関投資家は大きな資金を運用しているため、株を売る際はなるべく目立たないように少しずつ売る傾向があります。

機関投資家自身の売りで相場を崩してしまう可能性があるためです。

ディストリビューションデイは機関投資家の資金が逃げている兆候ですから、暴落前の不吉なシグナルの一つとして考えられています。

株価と出来高を両方確認することが大切

株価の推移だけではなく出来高の推移にも注目することで、より市場を読む精度と解像度があがります。

出来高は投資判断の重要な指標のひとつなので、株価そのものと同じようにしっかりと注意を向けてることが大切です。

投資関係のニュースやメディアはどうしても書き手やメディアのバイアスがかかっていることを忘れてはいけません。

もちろんメディアの情報も参考にして良いのですが、相場の格言には「相場のことは相場に聞け」というものがあります。

相場そのものを自分の目でしっかりと確認し、相場と対話しながら取引をすることが大切です。

SNSやニュースサイトばかりに頼らずに自分自身で相場と対話しながら取引ができるようになると、投資家としての実力が伸びていくのではないでしょうか。

出来高は相場に相場のことを聞くための重要な指標のひとつなのです。


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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。

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