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【米国株】バランスシートにない資産を得るMcDonald’s(MCD)の新戦略

先日「【米国株】バランスシートにない資産を持つGoogleの戦略」と言う記事を投稿しました。

【米国株】バランスシートにない資産を持つGoogleの戦略

データ資本主義がテーマであり、「資金のみならず、将来に投資可能な『データ』を収集している」「データは多くのサービス、ビジネスにおいて強力な『武器』になる」と書いています。

今回は私も保有しているMcDonald’s(ティッカー:MCD)について、データ資本主義の観点で分析していきたいと思います。

McDonald’sのビジネス

McDonald’sと言えば、皆様ご存知のハンバーガーチェーンですよね。

グローバル展開しており、直営によるファストフードの売上以外にも、ブランド力を活かしたフランチャイズによる売上もあります。

日本国内では店内飲食可能なお店が中心のように思えますが、海外ではドライブスルーも盛んなようです。

McDonald’sの「ハイテク」化

McDonald’sは2018年にイスラエルのテクノロジー企業である「Dynamic Yield(ダイナミックイールド)」社を買収しています。

天気、時間、顧客層など特定の条件を基にデジタルサイネージ(電子メニューボード)の表示を変えることで、購買意欲を高めてもらおう、という新技術導入を目的としたものです。

また、2019年には「Apprente(アプレンテ)」社を買収しています。

こちらは多言語での音声注文を可能にするための新技術を目的としているようで、ドライブスルーや無人注文の効率化を狙っているようですね。

他にも「Plexure」社にも投資をしてモバイルアプリ開発を強化、前述のApprente社の創設者をバイスプレジデントとして迎えたり、「McD Tech Labs」を創設したり、エンジニアやデータサイエンティストなどのIT専門家を募り「ハイテク化」を促進し続けています。

これはまさしく「デジタルトランスフォーメーション」を強力に進めており、外食企業の中でもテクノロジーリーダーとしての地位を確立しようとしています。

この取り組みは、単純に「顧客体験の向上」「人件費の削減」を狙ったものでしょうか。

もちろんこれが理由の大半であり、最終的なゴールだとは思いますが、サービス品質・コスト削減とは別の視点から考えてみましょう。

McDonald’sの狙い

前回同様に予め断っておきますと、私はMcDonald’s社員ではないのであくまで私個人の推測です。

今回もまた、キーワードは「データ資本主義」です。

MCDは日々のビジネスから様々なデータを収集できます。例えばとある注文に対して「注文内容」と紐づけられる情報として、注文者の性別、年代、人数、体格、一人か友人と来たのか、家族と来たのか、季節、天気、気温、時間などが挙げられます。

これらのデータを活用してAIを教育、「オススメの商品」などを割り出しデジタルサイネージに表示したとしましょう。

その場合、「注文内容」と「表示した内容」と先のデータをさらに紐づけ、教育の精度を高めます。

これを繰り返し、他社では簡単にマネできない、McDonald’sに最適化された広告手段が手に入るわけです。

また、とある新商品を出したとして、大抵はひたすら新商品をプッシュするような売り方が多い気がしますが「新商品が売れる条件」を分析し最適にプッシュすることが可能になりますし、裏を返せば「この条件で売れる新商品はどんなものか」と言う「新商品開発」にも収集したデータは活用できるわけですね。

また、音声注文はグローバルで注文を受けるMcDonald’sならではで、例えば我々日本人があまり現地言語に自信が無い海外旅行に行った際、McDonald’sがあらゆる言語対応の音声注文可能、となれば非常に心強いことでしょう。

グローバル展開しているMcDonald’sだからこそグローバル言語で音声注文可能が活きてきます。これだけでも顧客の増加を望めますね。

更に音声注文を受けるということは、あらゆる言語で大人、子供、男性、女性、声が高め、低め、訛りの有無、早口など多くのパターンの「注文音声データ」が手に入るわけです。

このデータを活用してAIを教育し、グローバル言語対応の音声注文システムが醸成されていくわけです。

AI開発と言うのは膨大なデータが必須で、そこから教育に必要なデータを抽出し、様々なパターンに対応できるようにニューラルネットワークを構築していきます。

購買分析、音声認識などで得た技術を他のサービスに流用することで、他社とは一線を画した新サービスを開発することができるかもしれません。

また、天気や季節、世間のイベント、人口、立地など分析に使える情報が増えていけば、在庫管理や売上予測など外食産業の課題となる分野にも精緻な解決策が簡単に手に入るようになるかもしれません。

AI開発の手法が洗練されれば、RPAの導入も容易になるかもしれませんね。

まとめ

結果としては「顧客体験向上による売上増加」「コスト削減による利益率向上」と言う「売上」「利益」がゴールになるのですが、McDonald’sはそれを可能にする技術開発のスタートラインとして「ハイテク化」へ舵を切ったのだと思います。

McDonald’sに限らず、多くのビジネスはその気になれば有用なデータを大量に集めることができます。

しかし、「どんなデータを集めればいいのかわからない」「集めて何に使えるのかわからない」「AIはやりたいけどビジネスを紐づけられない」ことが多いです。

他社が「まだいいや」「どうしたものか」と足踏みしている間に、McDonald’sはテクノロジーによる新たなる「ワイドモート」を築き上げ、他社の追随を許さないハイテク外食産業に成長するかもしれません。

買収により一時的に財務悪化するでしょうし、この活動が実際に財務面でプラスになるには時間がかかる可能性も高いです。

しかしその間にも、McDonald’sは「データ」と言うバランスシート上で表現されない膨大な「資産」を貯めこんでいる…と考えることができますね。

ホルダーとしてはMcDonald’sの今後に期待したいところです。

それでは今回はこの辺で。明日は大吉!


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記事の筆者ライナス@米株仮面は、ビザ株、マスターカード株、マイクロソフト株、アップル株、アルファベット株、ジョンソンエンドジョンソン株、ファイザー株、アムジェン株、アッヴィ株、コカコーラ株、P&G株、ブリティッシュアメリカンタバコ株、マクドナルド株、AT&T株、USバンコープ株、アメリカンステーツウォーター株、ユニオンパシフィック株を保有しています。

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