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中国人観光客、香港を避け東南アジアへ

モトリーフール香港支局、2019104日投稿記事より

2018年には6510万人以上が観光等で香港を訪れていることから、2019年の6600万人という当初の観光客数予想はそれほど大きくはありませんでした。

しかしこれは、中国本土から香港に5200万人が来ることを前提としていました。

香港でのデモが激化して以来、中国人観光客は香港を避け、東南アジアに向かっています。

2019年当初、中国経済の減速、人民元安、米中貿易戦争などがありましたが、中国から香港への観光客が減ることはありませんでした。

近年、特に2018年10月の港珠澳大橋(香港、マカオ、珠海を結ぶ海上橋)オープン以降、中国人観光客の香港への日帰り旅行が急増していました。

2019年最初の8カ月間の総観光客数は前年同期比4.0%増で、中国本土からの観光客数も4.9%増となりました。

しかし、デモが頻発し、社会不安が高まるにつれ観光客数が減少し始めました。

デモによって香港の主要空港や地下鉄が混乱状態になったため、7月の観光客数は4.8%減となり、8月は39.1%減と大きく落ち込みました。

今後も大幅な落ち込みが続く見込みです。

これにより、どのアジア地域、そして企業がこの変化の恩恵を受けるのでしょうか?

中国人観光客、東南アジアを潤す

2018年初め以降、人民元は米ドルに対してほぼ10%下落していますが、それにもかかわらず中国国内からの海外旅行は成長を続けています。

そのような中、シンガポールは7月に中国本土から39万人の観光客を迎え、前年同期比8%増、6月からは46%増と大幅な伸びになりました。

タイでは、中国からの観光客は7月に前年同期比6%増、8月は約19%増と急増しました。

フィリピンでは、7月に43%増になりました。

また、東南アジア通貨も対米ドルで下落しましたが、人民元は東南アジア通貨に対して比較的安定した為替レートを維持しており、これも中国からの観光客誘引につながっています。

中国人観光客の増加は、観光業がGDPで大きな割合を占めるフィリピン(13%)やタイ(10%)などにとって朗報です。

インドネシアとシンガポールも、それぞれ観光業がGDPの6%と4%を占めています。

投資対象としては?

観光関連の投資テーマについては、よく調べて投資する必要があります。

観光業では大規模な開発が過剰能力や過当競争を引き起こすことが多く、地域的なホテルチェーンなどは同じ土俵に立つのが難しいかもしれません。

また、マカオで見られるように、観光客数の増加に比例して支出が増えるとは限りません。

観光客支出の影響をそれほど受けないアジアの空港などが投資先としていいかもしれません。

広州白雲国際空港は8月に650万人の旅行者が訪れ、前年同期比3.4%増となりました。

深セン宝安国際空港も前年同期比5.8%増となりました。

結論

香港や東南アジアを巡る状況には政治が深く関係しています。

中国人観光客1人当たりの支出が低いにも関わらず、各国は旅行制限を緩和するだけでなく、北京との関係を強化することで中国からの観光客を引き付けています。

香港を避ける中国人が増えれば、東南アジアの空港はその恩恵を受けると考えられます。

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記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Christopher Chuは、記事で言及されている株式を保有していません。

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