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米主要配当株5銘柄の年間配当総額は約700億ドル

モトリーフール米国本社、2019年10月7日投稿記事より

配当株は、優れた投資ポートフォリオに欠かせぬ重要な要素です。長期的に見た場合、配当株のパフォーマンスは配当を出していない株を上回っています。

さらに、利益を着実に計上していなければ配当を支払うことができないので、配当は堅調な業績を反映すると考えられます。

また安定的な配当は、市場環境が下向きとなった場合に、ポートフォリオの下支えとなるでしょう。

以下で紹介するのは、市場において最も配当を出している5銘柄です。

それぞれのセクターでは最も高い配当利回りではありませんが、5銘柄の年間配当総額は700億ドル(約7兆5000億円)以上になります。

この中で高配当利回り銘柄はAT&T(NYSE:T)、エクソンモービル(NYSE:XOM)、JPモルガン・チェース(NYSE:JPM)で、増配余地が大きい銘柄はマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)とアップル(NASDAQ:AAPL)です。

マイクロソフト:156億ドル

マイクロソフトの予想配当利回りは1.5%程度で驚くほどではないかもしれません。

しかし、同社は巨大な配当マシーンであり、1株当たりの予想年間配当は2.04ドルで、来年にかけての配当は150億ドル以上に上る見込みで、配当総額では世界最大の銘柄です。

マイクロソフトでは、全部門の業績が堅調です。

7月に発表した2019年6月期通期決算では、売上高は前年比14%増、営業利益は23%増となりました。

第4四半期には、ゲームセグメント以外の全セグメントで増収となり、Azureクラウドコンピューティングセグメントの増収率は68%(為替中立ベース)、「オフィス」製品やLinkedInなども大幅増収となりました。

さらに重要なことは、マイクロソフトは成長を加速するために、利益率の低い製品分野から利益率の高いサービス分野に大きくシフトしています。

また、アナリスト利益予想に基づく配当性向は40%未満に過ぎず、増配余地があります。

AT&T:149億ドル

通信およびコンテンツ大手、AT&Tの成長の全盛期は過ぎたかもしれません。

しかし、配当投資家にとって引き続き注目すべき銘柄であり、予想配当利回りは5.5%で今年の配当総額は約149億ドルの予定です。

AT&Tの最新動向で注目されるのは、次世代5Gワイヤレスネットワーク開始に伴う成長ポテンシャルです。

5Gインフラ投資等により、米国ではおよそ10年ぶりのデータ速度の大きなアップグレードになります。

これにより、消費者にスマートフォンのアップグレードを促し、そしてデータ利用の大幅な増加につながり、AT&Tの成長ドライバーとなります。

また、AT&Tのストリーミング(動画配信)サービスも成長牽引要素です。

タイム・ワーナーを買収したことで、AT&Tのコンテンツおよびネットワーク・ポートフォリオはさらに充実しており、広告主に対してより高い広告掲載料金を請求できます。

また、豊富なコンテントを元に、ストリーミングサービスでユーザー増が期待できます。

AT&Tは「配当貴族(25年以上連続して増配を実施している企業)」の一つで、昨年12月に35年連続の増配を行っており、その堅固な増配重視の姿勢は健在です。

エクソンモービル:147億ドル

国際石油大手のエクソンモービルは、乱高下が激しい原油や天然ガスの関連製品を扱っていますが、配当スケジュールを乱すことはありません。

今後12カ月にかけても、同社は総額約147億ドルを配当として株主に支払います。

この背景には、エクソンモービルのビジネスモデルが総合的に相補う形になっていることがあります。

同社には、アップストリーム(採掘、開発等)事業とダウンストリーム(精製等)事業があり、そして同社は大手石油化学会社の一つです。

もし原油や天然ガスの価格が上昇すれば、アップストリーム事業が拡大します。

一方、原油や天然ガスの価格が下落すれば、企業や消費者の需要が増大し、精製などのダウンストリーム事業を押し上げます。

エネルギー市場でどのような動きがあったとしても、エクソンモービルはそれぞれの状況から恩恵を受けることができるのです。

また、株主は、エクソンモービルの地域および生産上の分散の恩恵も享受できます。

同社は、パーミアン盆地(米国最大のシェール油田地帯)で新たな生産施設およびインフラををスタートさせており、さらにギアナ、ブラジル、モザンビークでも有力な多くのプロジェクトを抱えています。

エクソンモービルにとって高成長の日々は過ぎましたが、それでも配当投資家に対しては着実な配当を提供しており、予想配当利回りも約5.2%と高い水準です。

アップル:139億ドル

アップルは世界一キャッシュリッチな企業ですが、配当を最も出している企業の一つでもあります。来年にかけて約139億ドルの配当を株主に払う予定です。

なお、アップルの予想配当利回りは約1.4%です。

アップルにとって、次に重要なのは米国における5Gワイヤレスネットワークの展開です。

2019年第3四半期を除き、2013年以降、アップルの全売上高に占めるiPhoneの割合は51%以上でした。

このため、2020年9月に導入予定の5G対応iPhoneへの期待が高まります。

iPhone買い替えの大きなブームが訪れ、その結果としてiPhone売上を記録的な水準に押し上げる可能性があります。

アップルはまた、利益率の高いウエアラブル機器およびサービス事業の拡大に成功しつつあります。経営陣はアップルを単に製品を売る会社から脱皮させようとしています。

ストリーミングサービスの「アップルTV+(プラス)」を11月1日にスタートするのに加え、先日アップルブランドのクレジットカードを導入し、音楽配信サービスの「アップルミュージック」も世界シェアを拡大しています。

結果的に、新機軸の展開によりアップルの営業利益率が上昇しつつあります。

JPモルガン・チェース:115億ドル

JPモルガン・チェースは、概算で今後1年間に115億ドルの配当を株主に払う予定です。

なお、予想配当利回りも3.2%と高い水準です。

JPモルガンにとって追い風となったのは、2015年12月から2018年12月にかけてFRB(米連邦準備制度理事会)が9回の利上げを行ったことです。

FRBは今年に入って2回の利下げを行っていますが、FRBは緩やかな金利操作を周知させているため、JPモルガンは既存ローンから着実な純金利収入を得ています。

JPモルガンの規律ある経営陣は、リーマンショック時にリスクの高い投資に踏み込みませんでした。

強固なバランスシートとスキャンダルがほぼ皆無な銀行体質により、JPモルガンは米主要銀行平均を大きく上回るROE(自己資本利益率)をあげ続けています。

投資家は、今後も大きな株主還元を期待できるでしょう。

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)

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マイクロソフトの子会社LinkedInの従業員であるTeresa Kerstenは、モトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Sean Williamsは、AT&T株を保有しています。モトリーフール社は、アップル株とマイクロソフト株を保有し、そして推奨しています。モトリーフール社は、以下のオプションを保有しています(アップル株の2020年1月の155ドルのショート・コール、アップル株の2020年1月の150ドルのロング・コール、アップル株の2020年1月の155ドルのショート・コール、アップル株の2020年1月の150ドルのロング・コール、マイクロソフト株の2021年1月の85ドルのロング・コール)。

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